Blowin' in Okinawa wind '16(沖縄の風に吹かれて 2016)

1日目夜

ライブの練習と打ち合わせも終えてそれぞれの部屋に戻った四人。
李衣菜とみくの部屋では…
李衣菜「明日はチアとテニスと何かの撮影をやってあとはまたライブ練習かあ」
みく「明日の午後は何の撮影するのかにゃ」
李衣菜「打ち合わせの時は車で移動するって言ってたよねー」
みく「それで私服でいいけど汚れてもいいヤツでしょー、街中だったらそうは言わない気がする」
李衣菜「ってことは…分かんないなあ」
みく「とりあえず明日の準備にゃ。チアのはこれとこれだにゃっ!」
みくはクローゼットの衣装を漁り始めた。
李衣菜「これってさー、アーニャちゃんが着てたのと同じのかな?」
みく「何か映像で見たけど、美波チャンの応援してたね」
李衣菜「あ、でもAsteriskって書いてあるから違うみたい。きっとオリジナルだね」
みく「シューズはチアのは今日の外の体操着のそのまま…みたい」
李衣菜「みくちゃん、テニスは?」
みく「テニスはこっちのスカートのだにゃ。はい、こっちが李衣菜チャンの」
李衣菜「ありがと。明日のスポーツの撮影はスカートばっかりだね」
みく「言われてみれば…これってやっぱりそういうことなんだ…」
李衣菜「両方ともアンスコも入ってるし、ちょっとそういうのも撮られちゃうかもしれないね…」
みく「もっと中のを見せないためのものだけど…うん」
李衣菜「ライブでスカートの時とかも履くもんね、撮られちゃったらサービスだと思おうよ」
みく「そうだね…あ、はい李衣菜チャンのテニスシューズっ」
李衣菜「どうも。テニスはシューズ違うんだね」
みく「そうみたいだにゃ。午後の撮影は私服だから…ジャージはお風呂の時にコインランドリー入れればいいよね」
李衣菜「そうしよ。じゃあみくの分もこれをラックに掛けてっと…準備はオッケーかな」
みく「後はお風呂入って寝るだけ…って今日は疲れたねー」
李衣菜「一日中運動しっ放しだったもんね。菜々ちゃん最後はもう動けなくなってたし」
みく「明日は大丈夫かにゃ…」
李衣菜「でもなつきちが手際よくおんぶしてったの、羨ましかったなー」
みく「李衣菜チャンはしたい方?されたい方?」
李衣菜「なつきちにだったらされたいな。みくちゃんは…私がおんぶできるかな」
みく「悪かったにゃ…みくが重たくて…」
李衣菜「そんなことまだ言ってないじゃん!」
みく「言わなくてもそこまで言われれば分かるにゃ!」
李衣菜「そういうみくちゃんはどうなのさ」
みく「みく?みくは…背負えるのナナチャンくらいかにゃ。李衣菜チャンは背負ったら変じゃない?」
李衣菜「そうかなあ、私は構わないよ。そういうのも青春っぽくて憧れるな、本当はいけないけど自転車で二人乗りとかもね」
みく「李衣菜チャンはどっちかって言うと夏樹チャンのバイクでしょ?」
李衣菜「最近は乗せてもらってないなー…私もステージのお仕事終わったし今度乗せてもらおうかな」
みく「みくは遠慮しとくにゃ」
李衣菜「でもこのお仕事終えてからなら…行けるかな」
みく「そうだねー、やっとそれなりに休めそうだモンね」
李衣菜「お休みって…そういえばお盆は実家に帰るんだよね?」
みく「急なお仕事が無ければその予定にゃ」
李衣菜「いつだったら行っても大丈夫?」
みく「お盆空けで東京戻ってない時までならいつでもいいよ」
李衣菜「関西のウナギ、約束だもんね」
みく「食べてみて驚いてみればいいにゃ!」
李衣菜「もちろんみくちゃんも食べるんだよね?」
みく「え゛っ…ええと…李衣菜チャンが言うなら…」
李衣菜「楽しみだなー、その場面は写真にとって拡散しないとだね」
みく「李衣菜チャン!もうこの話はお終いっ!お終いにするにゃっ!」
李衣菜「アハハハハ、そうだね」
みく「まあでも今日一日だけでも大変だったね」
李衣菜「うんうん。あとグラビアの撮影は明日を入れて3日かあ」
みく「間にライブ挟むからあんまり実感ないにゃ」
李衣菜「それ終われば後は涼しい撮影だけだから、それは楽しみだねー」
みく「帰る前に南国の夏を思い切り楽しめそうだね」
李衣菜「だからまずはライブ頑張ろうね!」
みく「うんっ!明日のグラビアもっ」
李衣菜「まあでもさ、今日のブルマってみくちゃん的にはどうだった?」
みく「とてもじゃないけど卯月ちゃんみたいな気持ちにはなれなかったよ」
李衣菜「私も身体のラインがモロに出ちゃって恥ずかしかったなー」
みく「女の人ばっかりの現場だったから良かったけど、これから発売されたら大変にゃ」
李衣菜「私達のそのグラビアとかを見てそういうの…想像しちゃうってことだよねきっと」
みく「李衣菜チャンは学校で言われたりする?」
李衣菜「うん…水着の時は夏休み明け大変だったよ」
みく「みくも学校では一応マジメチャンで通ってるから…」
李衣菜「脱いだらああなるんだって、しばらく周りの声が凄かったなあ。みくもそういうことでしょ?」
みく「そうそう。男子の視線が胸とかお尻とかに来てるの分かったモン」
李衣菜「今回のグラビアでまた増えちゃいそうだよね」
みく「もう諦めるしかないにゃ…」
李衣菜「こういうお仕事だもん…それに今回のみくの胸に引っ張られた体操着、私が男だったら思わず襲ってたかも」
みく「え、あっ…う…り、李衣菜チャンだってお尻のラインとか結構ガマンしたんだよ…」
李衣菜「…へ…うう…ねえ、持ち帰ってあるし、もう一回着てみる?」
みく「…李衣菜チャンがもう一度みくの見たいなら…着るよ。みくも李衣菜チャンのもう一回目に焼き付けたいにゃ」
李衣菜「…ここでもう一回着よっか…」
みく「…うん…それでジャージと一緒に洗っちゃおうにゃ…」
李衣菜「…洗濯して返すのも変かもだけど、それでもいいよね…」
昼の汗が染みこんだ体操着を袋から出した二人。それからお風呂に入るまでにどうなったか、お盛んな二人ですから…ね!
 
一方の夏樹と菜々の部屋では…
みく「あ゛あぁ…もうちょっとそこ…ん゛っ!」
夏樹「昔に比べたら体力はついたとはいえこのザマだもんな…」
みく「んんーっ…でもだいぶ楽にはなりました。ありがとうございます夏樹さん」
夏樹「湿布ももういいか?」
みく「これだけやってもらえれば明日には何とか回復できると思います」
夏樹「それじゃあアタシもやってもらおうかな」
みく「はーい、夏樹さんはどのへんですか?」
夏樹「アタシは脚と腕の方を重点的にお願いするよ」
みく「わかりました。じゃあ今度は夏樹さんがベッドの方にうつ伏せでお願いします」
夏樹「風呂だけじゃこう疲れは取れないからな」
ぼふっ
夏樹は自分のベッドへとうつ伏せで倒れこんだ。
みく「高跳びとか脚を多く使う種目は結構夏樹さんに任せちゃいましたからね」
夏樹「ああ、だから…そこのもうちょっと上だな…だから脚が結構やられたな」
みく「もうちょっとこっちですか?」
夏樹「そこかな…っつあっ!そこ効いてるぜ」
みく「ここですね」
夏樹「ああ、反対側の同じところも頼むよ」
みく「結構ジャンプとかもしてましたからね、ナナの分まで無理させちゃってゴメンなさい」
夏樹「いいんだ、それが相方ってもんなんだよ」
みく「エヘヘ…何だかそう言われると照れちゃいます」
夏樹「ま、明日も頑張ろうぜ」
みく「はいっ!」
夏樹「明日は…午前がテニスとチアリーディングか」
みく「午後は1時に汚れてもいい私服で玄関に集合…って何でしょう?」
夏樹「んー、汚れてもいいってことは土とか砂とかだろうな」
みく「海はライブ後に撮影ありますから、もしかして…沖縄ですしサトウキビ畑とか?」
夏樹「それはありそうだな。それをバックに撮影とかありそうだぜ」
みく「フフフ、楽しみです」
夏樹「おっし、あと腕が終わったら明日の準備しようぜ」
翌朝、湿布を剥がしながら苦笑する夏樹の姿がそこにあったのであった…
 
2日目/2日目夜へつづく
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2016・07・31SUN
飛神宮子
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