10 Years Later...[12](10周の先《12》)

穂乃香「ではお呼びしましょう。藤本さん、向井さん、木村さん、原田さん」
「まだまだ行くね。亜季さん、涼さん、麻理菜さん、洋子さん」
穂乃香「それから真鍋さん、若林さん、仙崎さん、吉岡さん…以上です」
「あと中継お願いします。横浜の方です、はい」
穂乃香「それからもう一人お呼びします。安部菜々さーんっ」
菜々「はーいっ。ここまで番組の影ナレをしてた、ナナでーっす」
菜々がひな壇の後ろのドアからスタジオに入ってきた。
穂乃香「先ほど瑞樹さんにお願いして影ナレを一時交代してもらいました」
菜々「ありがとうございます。ナナ、番組中登場できないかと思ってました。あ、改めまして安部菜々です」
夏樹「良かったな、菜々さん」
菜々「あ、夏樹さんお久しぶりです☆」
夏樹「この前の収録以来だからなぁ、木村夏樹だ」
里奈「相変わらず仲良いねー、おっつー藤本里奈だよ」
拓海「こうして久しぶりに会うとよ、やっぱりこみ上げてくるもんがあるな。向井拓海だ」
美世「車のメンテして欲しい人は後で来てね、原田美世だよ」
亜季「今度は炎陣としてあらためまして、大和亜季であります」
「亜季サンはそういやさっきも出てたっけか、松永涼さ」
麻理菜「私の番の時に心が司会じゃないとかねぇ…沢田麻理菜よ」
洋子「この後誰か一緒にスパ銭行かない?斉藤洋子だよ」
いつき「あ、トレーナーの仕事終わったら一緒に行こっか洋子ちゃん。真鍋いつきだよ」
智香「私も後で合流しますねっ、若林智香です」
恵磨「日本、ひっさしぶりだーーーーっ!!!!!仙崎恵磨だっ!!」
沙紀「うわっ!久しぶりに聴いたからビックリした…吉岡沙紀です」
穂乃香「それではまずは中継をお繋ぎします。前川さーん、多田さーん」
みく『みんなこんにちはにゃー』
李衣菜『こんにちはっ!』
夏樹「おう!りーなにみく、久しぶりだな」
李衣菜『あ、なつきち久しぶりー。この前は差し入れありがとー』
菜々「みくちゃん、李衣菜ちゃん、お久しぶりです」
みく『ナナちゃん、久しぶりだにゃー!』
「それでそっちは今は何をしてるんだ?」
みく『そうだにゃ、今は明日の1日限定ライブのリハの休憩中だにゃ』
拓海「本当に10周年ともなるとあちこちで復活ライブだな」
李衣菜『そうだねー。私たちの他にもやる人がいるみたいだからね』
菜々「本当はナナ達も出られれば良かったんですけどね、夏樹さん」
夏樹「ああ、あいにく都合がつかなくてな」
みく『そうにゃ、他のメンバーも紹介するにゃ。はい!アーニャちゃん』
アーニャ『ズドラーストヴィチェ!アナスタシアです』
美波『こんにちは、ラブライカも一緒にライブです。新田美波です』
蘭子『この混沌より、我復活せり…神崎蘭子よ!』
飛鳥『二人の息は十年経とうと変わりはしなかったね、二宮飛鳥だよ』
李衣菜『この6人で明日はライブする予定なんだー』
「こっちも幕張組に負けず劣らずのメンバーだね」
穂乃香「私もお願いされてトレーナーとしてダンス指導してました」
「そうなんだ。穂乃香って美波さんとは…」
穂乃香「2歳下ですね。多田さんと同い年です」
「どうだった?美波さんあの頃から綺麗な人だなって思ってたけどさ」
穂乃香「グラビアアイドルもまだされているので、身体つきもしなやかで綺麗なままでしたね」
美波『穂乃香ちゃんったらもう…フフッ、でもありがとうございます』
アーニャ『ホノカもクラシーボ…綺麗で伸びやかな動きデシタ』
穂乃香「ありがとうございます、アナスタシアさん」
飛鳥『それでボク達の公演は明日の夜だから』
蘭子『もう一度光の根源が現れそして消える頃、我らこの舞台に立てり!』
みく『明日午後5時開場、5時半開演にゃ』
李衣菜『配信チケットは明日の午後2時まで販売してるよ』
穂乃香「詳しくは346プロのホームページにある特設ページをご覧ください」
「それでそちらの方々の今のお仕事って何かな?」
みく『みくはりーなちゃんとアイドル歌手兼タレントにゃ』
李衣菜『何だかんだみくちゃんと続いちゃった感じだね。色々あったけどさ』
みく『そうかもにゃ。最後はここが原点って感じでいつも行きつくからにゃ』
美波『そういう意味では私達もかもしれないね、アーニャちゃん』
アーニャ『はい。ミナミとアーニャはアクトゥリサ…女優で一緒に活動してマスネ』
美波『私はグラビアアイドルとしても活動してるけど…私達も根底はここなのかもね』
蘭子『我も道化として傀儡となりえたり、グリモワールを世に知らしめたりもしてるわ…それと美波さんと同じくグラビアも…恥ずかしい…』
飛鳥『ボクも蘭子と同じさ。ただ同じ女優でも中性的な役をさせてもらったりしてるよ。それとナレーターなんかもたまにするね…』
穂乃香「そういえば飛鳥さんのナレーションの番組、この前ありましたね。中世ヨーロッパの古城の番組でしたか」
飛鳥『ああ、蘭子が羨ましがってたよ。ああいうの未だに好きだからさ』
みく『蘭子ちゃーん、飛鳥ちゃーん、これから通しリハするって言ってるにゃー』
飛鳥『おっと、そろそろのようだね。こちらからは失礼するよ』
蘭子『闇に飲まれよ!』
モニタが消えて元の番組ロゴ画面へと戻った。
「何だか蘭子のあのフレーズも久々に聞いたね」
穂乃香「そうですね。でも女優になってからは普通の口調だったような気がしますが…」
「もしかしてスイッチが入ったって感じなのかな?」
穂乃香「そうなのかもしれませんね。では続いてはこちらに居られる方々の昔の映像です、どうぞ…」
………
その映像が終わり…
拓海「あの頃思い出すな、エネルギッシュな感じで粗削りな部分もあってよ」
里奈「たくみん、この世界に浸かれば浸かるほど柔らかくなってったぽよ」
「特に小学生組には甘かったよな。子供好きっつーかな」
夏樹「そうだな。小学生組からも好かれてたくらいだしな」
美世「口調が強くても優しいって分かられてたよね」
拓海「お、おう…否定はできねーんだよな、違うって言ったら嘘になるしな」
「かっこいいのと優しいのと両立してたって感じだな」
夏樹「でも今は凄く丸くなってるじゃんか」
拓海「まあな。いつまでもイキってはいられないぜ」
里奈「そうだねー」
拓海「アタシはグラドルとかもしてたけど今はママタレだぜ。こうなるとは思っても無かったけどな」
里奈「たくみんのとこの子、可愛いんだよねー。りなぽよもタレントだよー」
「アタシは音楽部門で歌わせてもらってるよ。9月にバンドの方の最新アルバム配信してるからさ」
美世「あたしは整備する側から整備するのを見ている側になっちゃった。モデル系の部門だけど、レースクイーンとかコンパニオンが多いかな」
夏樹「アタシも涼と同じくミュージシャンだよ。好きに歌わせてもらえるのがこんなに長くなるってなっ、菜々さん」
菜々「そうですね、ナナは念願の声優になりましたっ」
「そういえば夏樹さんと菜々さんってたまにユニットで出してるよね」
夏樹「さっきのだりみくとかみたいな…アタシ達はその二人にくっ付いた二人だったからな」
菜々「何年か前の夏樹さんのアニメ曲にナナがゲスト参加したのがきっかけで、またたまに一緒にやろうってことになったんです」
穂乃香「素敵な関係ですね…」
菜々「ありがとうございます、穂乃香ちゃん」
「では夏樹さんと涼さんは残っていただいて、炎陣関係以外のユニットの方にお話を聞こっか」
穂乃香「そうですね…まだまだ他にもお話を聞かなくてはいけないですし」
麻理菜「そんな夏樹ちゃんもライグリでは最年少なんだけどね」
洋子「そうですね、当時唯一の未成年だったんだっけ」
いつき「でもいてくれたおかげで、ブレーキ役にはなってくれてたかな?」
夏樹「この3人がお酒飲んだら特に洋子さんが悪酔いして…面倒ごとになる前に止めないとって感じだったかな…智香なら分かるだろ?」
智香「あー…チアーズの方でもそうでしたね…」
洋子「えっ…私そんななってたの?」
夏・智『はい』
智香と夏樹は声を揃えてそう答えた。
麻理菜「本当に洋子ちゃんは、限度知らずに飲んじゃうのよね…」
いつき「私はライグリもチアーズも一緒だったけど、絡み酒してきて大変だった…」
洋子「うう…反省します」
夏樹「ま、でもこっちはこっちで落ち着ける場所ではあったかな。アタシが単独で最年少ってこれくらいだったしさ」
智香「分かります夏樹さん。お姉さん達に頼れたり甘えれたりできましたっ」
麻理菜「そう言ってもらえると、ユニット内でお姉さんやれていて良かったわ」
いつき「そうですね、麻理菜さん」
麻理菜「それで私といつきは、今はタレントしつつの運動系のトレーナーよ」
いつき「新人の子が伸びていく姿を見るのは楽しいですっ」
洋子「私はタレントですけど、今は化粧品の開発の客員もお願いされてそっちもやってます」
智香「私もタレントなんですけど…どちらかというと民放より教育番組の方で見られているかな?」
恵磨「アタシよりいいじゃんか、アタシなんてテレビ久々なんだ」
沙紀「確かに恵磨サンに逢うの久しぶりっスもんね」
「今回はどこ行ってたんだ?」
恵磨「アマゾンの方だった。ああいう大自然の中で叫ぶの、気持ちいいんだよなーー!」
沙紀「そりゃ連絡つかないワケっスね…」
「この番組に合わせて戻って来るとは言ってたけどな」
恵磨「それにしても昔の方がアタシ五月蠅かったかな?」
沙紀「そうかもしれないっスね。恵磨サン今っていくつっスか?」
恵磨「まあ30超えたからな。少しは落ち着かないとだろ」
「そうだよなぁ、あの頃はみんなして叫んでたしさ」
恵磨「ま、そんなこんなでアタシは今は、体当たり系のロケばっかりするタレントってとこだな」
沙紀「アタシはデザイナーがメインっスね。たまにさっきの飛鳥クンみたいな感じの役を俳優としてすることもあるっスよ」
「こうやって話を聞いてると、人生いろいろなんだね」
穂乃香「本当です。アイドルとして同じ時代を歩んできた皆さんが、違う方面にそれぞれ向かってますし」
「…っと、はい。えっと、菜々さんもう一度前にお願いできるかな?それと夏樹さんも」
菜々「ナナですか?」
夏樹「もしかして例の写真、アタシ達か?」
穂乃香「そうみたいですね…ではどうぞ」
そこに映し出されたのは、波の出るプールで一緒にはしゃぐ菜々と夏樹の姿だった。
夏樹「……あの時のか……懐かしいな」
菜々「そう……ですね」
夏樹「麻理菜さん達は憶えてるか?」
麻理菜「え?……ああ、あの時のね。プロデューサーくんが予定把握してなくて頭を抱えた時の」
いつき「確かにあの後大変でしたね。居ると思わなかった人が居たって」
洋子「え?え?ありましたっけ…」
麻理菜「ほら、夏樹ちゃんが学校だからって、3人だけでグラビア撮影する予定だった時よ洋子ちゃん」
洋子「それだったんですね!思い出しました、あそこまで焦ったプロデューサーの姿は見たこと無かったです」
夏樹「あの後菜々さんとの遊びが中途半端になったせいで、機嫌取るの大変だったんだったよな菜々さん」
菜々「突然遊びの予定が無くされて一人にされたらナナじゃなくてもそうなりますっ」
夏樹「確かにそうだよな…」
穂乃香「この写真の真相が分かったところで、そろそろこのセクションは終わりにしようかと思います」
「皆さんありがとうございましたー」
\パチパチパチパチパチパチ/
「それじゃあ次はこちらの方々だよ」
穂乃香「ではお呼びしましょう…」
 
第13話へつづく
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あとがき
飛神宮子です。
10周年記念10年後SS、2日目最後の第12弾です。
今回は*withなつなな・炎陣・ラブライカ・ダークイルミネイト・ライトグリーンセーフ+αです。
合同ライブ組の2会場目、この人たちもこの節目にはやっているかなと思いました。
夏樹と菜々の現職は8周年の時に書いた作品から、最後のエピソードはこちらの作品からです。
あと残すは明日の6作品、これで全員が1回以上は必ず登場します。
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2021・11・29MON
飛神宮子
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