とある5月も初めの方の事務所… |
P | 「…これ、どうするべきだろう…」 |
プロデューサーは自分のデスクで悩んでいた。 |
P | 「よりによって3つとも誕生日前日でカブるとはなあ…」 |
その書類に書いてあったのは… |
P | 「これは亜美だけ、これは真美だけ、これは二人…どれも場所が違うから一つしか無理だよな…」 |
どうやらどの仕事に行くかで悩んでしまったようだ。 |
P | 「どれもいい仕事だよなあ…全部受けたいくらいだけど日付完全固定だし…」 |
悩みに悩んだプロデューサーが出した結論、それは… |
……… |
ここは会議室… |
亜美 | 「兄ちゃん、どうして亜美たちが呼ばれたの?」 |
P | 「まずはこの3つの仕事の書類を見てほしい」 |
真美 | 「これ?えっと…亜美の仕事と真美の仕事と二人の仕事だね」 |
P | 「それの日付を見てほしいんだ」 |
亜美 | 「あれ?これって亜美たちの誕生日前日だ」 |
真美 | 「でも3つともそうなんだね」 |
P | 「そうなんだ。どれもいい仕事なんだよ」 |
亜美 | 「亜美のはー…遊園地最新絶叫マシンリポートかあ、すっごく面白そうだー!」 |
真美 | 「真美のは、ゲームショウで最新ゲーム紹介の司会…あ、あの人と一緒なんだ。これやってみたいな」 |
P | 「それで二人での仕事が、最新プールリゾートのリポートだ」 |
亜美 | 「でもどーすんの?受けられる仕事は一つっしょ?」 |
P | 「だから二人を呼んだんじゃないか」 |
真美 | 「もしかして真美たちで決めろってこと?」 |
P | 「そういうことだ」 |
亜美 | 「どーする?真美、真美もやりたいっしょ?」 |
真美 | 「うん。でも亜美もやりたいんだよね?」 |
亜美 | 「でもこの二人での仕事も気持ちよさそうだよねー」 |
真美 | 「うんうん。プールってことは一日遊べそうだもん」 |
亜美 | 「だけど絶叫マシンも捨てがたいなー」 |
真美 | 「真美だってゲームショウ行きたいよ」 |
亜美 | 「あ゛ー…どうしよう。本当に決められないよー」 |
真美 | 「兄ちゃん、本当に一つしかダメ?」 |
P | 「日付指定されている以上は動かせないな」 |
亜美 | 「律っちゃんも社長もピヨちゃんも空いてないの?」 |
P | 「ちょっと待ってな…」 |
手帳をめくるプロデューサー。 |
P | 「律子はやよいとレギュラーのラジオだな。社長はGreetと、小鳥さんはM・B・F!と一緒だ」 |
真美 | 「うわあ、それじゃ無理だね」 |
亜美 | 「みんな同じ時期に重なっちゃったんだ」 |
真美 | 「でも真美たちは一人じゃ無理だもんね」 |
亜美 | 「そーだよね。やっぱり大人の人がいないと難しいよ」 |
真美 | 「どうする?難しいなあ…」 |
亜美 | 「ジャンケンで決めよっか。文句言いっこなしで」 |
真美 | 「そだね。あ、兄ちゃん」 |
P | 「何だ?真美」 |
真美 | 「もしだよ。一人だけになった場合って、もう一人の誕生日は祝ってくれないの?」 |
P | 「ああ、そうか。そうだな…もう一人は1週前に事務所でパーティーってどうだ?」 |
真美 | 「亜美はどう?」 |
亜美 | 「亜美は…うん、それでもいいよー」 |
真美 | 「真美も祝ってくれるならそれでいいかな」 |
亜美 | 「でも兄ちゃんと本当に二人っきりになれるのって、やっぱ仕事の方だよねー」 |
真美 | 「うん、亜美はそっちの方がいいっしょ?」 |
亜美 | 「そーだけど、真美もでしょ?」 |
真美 | 「それはそうだよ。兄ちゃんと二人っきりって、考えてみたらなかなか無かったもん」 |
そんな真美の頬には赤みが帯びていた。 |
亜美 | 「亜美だって…兄ちゃんと二人っきりの夜、過ごしたいなー」 |
亜美の頬も少しずつ紅く染まり始めていた。 |
真美 | 「大人な感じするよね。男の人と過ごす夜ってさ」 |
亜美 | 「うんうん。それも兄ちゃんとだもんねー」 |
真美 | 「やっぱりさ、二人きりだと…兄ちゃんに襲われちゃったりしちゃうのかな?」 |
亜美 | 「どーだろね、魅力的な子と二人っきりなんだよ。きっと兄ちゃんも我慢できないんじゃない?」 |
P | 「何か俺をただのスケベな人間だと思ってないか?亜美も真美も」 |
亜美 | 「だってそーじゃん。兄ちゃんって目がエッチだもん」 |
真美 | 「そだよね。あずさお姉ちゃんとかお姫ちんとか見る目、エッチだよね」 |
亜美 | 「いやー、お姫ちんの時見てるのはお尻だよー」 |
真美 | 「そっか、そだよね。兄ちゃん、いやらしい目してるの、自覚無いの?」 |
P | 「そうなのか…っておいおい、二人ともそろそろちゃんと決めてくれよ」 |
真美 | 「あ、そうだったね。亜美、じゃあ恨みっこなしね」 |
亜美 | 「うん」 |
二人 | 『じゃーんけーん、ポンっ!』 |
そこはさすが双子。初手は同じパー。 |
二人 | 『あーいこーで、しょっ!』 |
次も変わらず同じグーであいこが続く。 |
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そして10回目… |
二人 | 『あーいこーで、しょっ!』 |
亜美の出した手はグー。真美は… |
(1)チョキ(亜美の勝ち) (2)パー(真美の勝ち) (3)グー(決着はつかず) |