1/3 decide on the Future(未来を決める1/3)

とある5月も初めの方の事務所…
「…これ、どうするべきだろう…」
プロデューサーは自分のデスクで悩んでいた。
「よりによって3つとも誕生日前日でカブるとはなあ…」
その書類に書いてあったのは…
「これは亜美だけ、これは真美だけ、これは二人…どれも場所が違うから一つしか無理だよな…」
どうやらどの仕事に行くかで悩んでしまったようだ。
「どれもいい仕事だよなあ…全部受けたいくらいだけど日付完全固定だし…」
悩みに悩んだプロデューサーが出した結論、それは…
………
ここは会議室…
亜美「兄ちゃん、どうして亜美たちが呼ばれたの?」
「まずはこの3つの仕事の書類を見てほしい」
真美「これ?えっと…亜美の仕事と真美の仕事と二人の仕事だね」
「それの日付を見てほしいんだ」
亜美「あれ?これって亜美たちの誕生日前日だ」
真美「でも3つともそうなんだね」
「そうなんだ。どれもいい仕事なんだよ」
亜美「亜美のはー…遊園地最新絶叫マシンリポートかあ、すっごく面白そうだー!」
真美「真美のは、ゲームショウで最新ゲーム紹介の司会…あ、あの人と一緒なんだ。これやってみたいな」
「それで二人での仕事が、最新プールリゾートのリポートだ」
亜美「でもどーすんの?受けられる仕事は一つっしょ?」
「だから二人を呼んだんじゃないか」
真美「もしかして真美たちで決めろってこと?」
「そういうことだ」
亜美「どーする?真美、真美もやりたいっしょ?」
真美「うん。でも亜美もやりたいんだよね?」
亜美「でもこの二人での仕事も気持ちよさそうだよねー」
真美「うんうん。プールってことは一日遊べそうだもん」
亜美「だけど絶叫マシンも捨てがたいなー」
真美「真美だってゲームショウ行きたいよ」
亜美「あ゛ー…どうしよう。本当に決められないよー」
真美「兄ちゃん、本当に一つしかダメ?」
「日付指定されている以上は動かせないな」
亜美「律っちゃんも社長もピヨちゃんも空いてないの?」
「ちょっと待ってな…」
手帳をめくるプロデューサー。
「律子はやよいとレギュラーのラジオだな。社長はGreetと、小鳥さんはM・B・F!と一緒だ」
真美「うわあ、それじゃ無理だね」
亜美「みんな同じ時期に重なっちゃったんだ」
真美「でも真美たちは一人じゃ無理だもんね」
亜美「そーだよね。やっぱり大人の人がいないと難しいよ」
真美「どうする?難しいなあ…」
亜美「ジャンケンで決めよっか。文句言いっこなしで」
真美「そだね。あ、兄ちゃん」
「何だ?真美」
真美「もしだよ。一人だけになった場合って、もう一人の誕生日は祝ってくれないの?」
「ああ、そうか。そうだな…もう一人は1週前に事務所でパーティーってどうだ?」
真美「亜美はどう?」
亜美「亜美は…うん、それでもいいよー」
真美「真美も祝ってくれるならそれでいいかな」
亜美「でも兄ちゃんと本当に二人っきりになれるのって、やっぱ仕事の方だよねー」
真美「うん、亜美はそっちの方がいいっしょ?」
亜美「そーだけど、真美もでしょ?」
真美「それはそうだよ。兄ちゃんと二人っきりって、考えてみたらなかなか無かったもん」
そんな真美の頬には赤みが帯びていた。
亜美「亜美だって…兄ちゃんと二人っきりの夜、過ごしたいなー」
亜美の頬も少しずつ紅く染まり始めていた。
真美「大人な感じするよね。男の人と過ごす夜ってさ」
亜美「うんうん。それも兄ちゃんとだもんねー」
真美「やっぱりさ、二人きりだと…兄ちゃんに襲われちゃったりしちゃうのかな?」
亜美「どーだろね、魅力的な子と二人っきりなんだよ。きっと兄ちゃんも我慢できないんじゃない?」
「何か俺をただのスケベな人間だと思ってないか?亜美も真美も」
亜美「だってそーじゃん。兄ちゃんって目がエッチだもん」
真美「そだよね。あずさお姉ちゃんとかお姫ちんとか見る目、エッチだよね」
亜美「いやー、お姫ちんの時見てるのはお尻だよー」
真美「そっか、そだよね。兄ちゃん、いやらしい目してるの、自覚無いの?」
「そうなのか…っておいおい、二人ともそろそろちゃんと決めてくれよ」
真美「あ、そうだったね。亜美、じゃあ恨みっこなしね」
亜美「うん」
二人『じゃーんけーん、ポンっ!』
そこはさすが双子。初手は同じパー。
二人『あーいこーで、しょっ!』
次も変わらず同じグーであいこが続く。
 
そして10回目…
二人『あーいこーで、しょっ!』
亜美の出した手はグー。真美は…
(1)チョキ(亜美の勝ち) (2)パー(真美の勝ち) (3)グー(決着はつかず)
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あとがき
どもっ、飛神宮子です。
2011年誕生日SSの6本目…ですが、今回は双海姉妹二本立てです。
全ては次の話で…まあ最後は同じようなところに収束はしますけどね。
詳しくはそれぞれの次話をご覧ください。
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2011・05・18WED
飛神宮子
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