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やよいの携帯電話にメールの着信を告げる音が鳴り響いた。 |
やよい | 「あれ?誰からかな?」 |
やよいはそのメールを見た瞬間、事務所へと一目散に駆け出していった… |
……… |
そして事務所に入るなり… |
やよい | 「律子さんっ!」 |
律子 | 「どうしたの?やよい」 |
やよい | 「あの…その…」 |
律子 | 「…その表情は…来たのね?」 |
やよい | 「はいっ…」 |
律子 | 「どれどれ?ヒントはどんな感じかしら」 |
やよい | 「それがですね…」 |
(1)7と8 (2)前に律子と番組で行ったことがある県 (3)空のなないろ |
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やよいはヒントとなるメールを律子へと見せた。 |
律子 | 「えっ…私たちのラジオがヒントになってるの!?」 |
やよい | 「そうみたいです」 |
律子 | 「もしかしたらこれは放送している地域のことかしら?」 |
やよい | 「それだと6つのどこかってことですよね?」 |
律子 | 「それにこの2つ目のヒントは…まず京都は消えたわね」 |
やよい | 「どうしてですか?」 |
律子 | 「京都だけは府なの。あと5つは全部県でしょ?」 |
やよい | 「あー、そうですねっ」 |
律子 | 「でもそれ以外は行ってるのよね…」 |
やよい | 「えっとあとは…山梨と新潟と…埼玉と千葉と、あとは放送局のある神奈川ですよね?」 |
律子 | 「そうよ。でも番組で前に行ったとなると…どこかしら、憶えてる?」 |
やよい | 「んー、何かの番組で行ったってことですよね…」 |
律子 | 「でも結構中継とかでも行ってるから」 |
やよい | 「難しいですー」 |
律子 | 「となると残すはこの最初のヒントね…」 |
やよい | 「これって何のことなんでしょう?」 |
律子 | 「7と8ってそんな数字言われてもねえ…」 |
そこに… |
ガチャっ |
小鳥 | 「ふう、大変だったわー」 |
やよい | 「小鳥さんおかえりなさいですー」 |
律子 | 「小鳥さん買出しありがとうございます。領収書はこっちにお願いします」 |
小鳥 | 「ありがとう律子さん、はいこれね」 |
律子 | 「分かりました、処理しておきます」 |
小鳥 | 「それにしてもどうしたの?二人で考え事?」 |
やよい | 「はいー、プロデューサーから来たんですー」 |
小鳥 | 「プロデューサーさんから来たって…ああ、もうやよいちゃんの誕生日だったわね」 |
やよい | 「それで考えていたんですけど、ヒントが難しくて…」 |
小鳥 | 「時間はそんなに無いかもしれないけど、ちゃんと考えればきっと分かるわ」 |
やよい | 「はいっ」 |
律子 | 「それにしても小鳥さん、随分と買い物が掛かりましたね」 |
小鳥 | 「買い物自体はすぐに終わったのよ、近くの国道が凄い渋滞だったのよ」 |
やよい | 「あ、ここに来る時事故があったのを見た気がしますー」 |
小鳥 | 「それだったのね、抜けるまでが大変だったわ」 |
律子 | 「ん?…ちょっともしかしてこのわざわざ分けて書いた7と8って…」 |
律子はパソコンを使い、とある物を検索し始めた。 |
律子 | 「7と8…これね」 |
やよい | 「えっ?!律子さん分かったんですか?」 |
律子 | 「たぶんこれだと思うわ。ほら、これ見て」 |
やよいにパソコンの画面を見せる律子。 |
やよい | 「律子さん、昔行ったあのキノコとかもやしとかの会社ってこの県でしたっけ?」 |
律子 | 「なるほど…確かに番組で行ったわね」 |
やよい | 「よーっし、小鳥さんの所へ行ってきますっ」 |
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小鳥のデスクへと移動したやよい。 |
やよい | 「小鳥さん…さっきことなんですけど…」 |
小鳥 | 「さっきの?…あ、やよいちゃんあれね」 |
やよい | 「はい」 |
小鳥 | 「それで答えは?」 |
やよい | 「答えは新潟…ですよね?」 |
小鳥 | 「………」 |
小鳥は無言になって… |
カチャカチャ ガチャンッ |
机の鍵が掛かっている引き出しを開けてそこから一枚の封筒を取り出した。 |
小鳥 | 「はい、やよいちゃん」 |
その封筒がやよいへと渡された。 |
小鳥 | 「プロデューサーさん、待ってるわ。明日行ってらっしゃい」 |
やよい | 「はいっ!」 |
小鳥 | 「ちょっと待ってね」 |
PiPiPi♪… |
小鳥はとある場所へと電話をかけ始めた。 |
Trrrrrr…Trrrrrr… |
小鳥 | 「もしもし、765プロダクション事務の音無です……はい……では明日東京駅新幹線改札口に11時でお願いします」 |
カチャンッ |
小鳥は受話器を戻した。 |
小鳥 | 「明日11時に東京駅に着くくらいで行くから、ちゃんと準備しておいてね」 |
やよい | 「持ち物はあの紙に書いてあったのでいいんですか?」 |
小鳥 | 「ええ。楽しんできて、やよいちゃん」 |
……… |
翌日の東京駅改札口… |
小鳥 | 「江上さんですね、私は765プロ事務の音無です」 |
江上椿(椿) | 「はい、910プロダクションの江上椿です」 |
そこには黒髪の女性が一人、やよいの到着を待っていた。 |
やよい | 「あずささんに似ている気がしますー」 |
椿 | 「あずささん?」 |
やよい | 「す、すみませんですっ。私の事務所の三浦あずささんに何だか似てる感じがしたんですー」 |
小鳥 | 「そうね、そう言われてみれば…そうかもしれないわやよいちゃん」 |
椿 | 「あ、あの…」 |
小鳥 | 「あ、私からもすみません。今日はうちの高槻をよろしくお願いします」 |
やよい | 「よろしくお願いしますー、江上さん」 |
椿 | 「そんな堅苦しくなくていいですよ、高槻さん」 |
やよい | 「でも、私の方が年下ですっ」 |
椿 | 「それでも私の方がこのお仕事は短いですから、私にとっては先輩ですよ」 |
やよい | 「私のことはやよいでいいですー」 |
椿 | 「それなら私のことは椿でいいですよ、やよいさん」 |
やよい | 「はいっ!椿さん」 |
小鳥 | 「それでは江上さん、2日間よろしくお願いします。やよいちゃん、行ってらっしゃい」 |
やよい | 「行ってきます、小鳥さん」 |
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新幹線の車内、二人は隣同士に座っていた。その椿の手には… |
やよい | 「椿さん、手に持ってるのってカメラですか?」 |
椿 | 「そうです。写真が趣味なんで、気に入った光景があると…」 |
パシャッ |
椿はやよいにレンズを向けて一枚シャッターを下ろした。 |
椿 | 「こうやって収めたくなるんです」 |
やよい | 「ううー、急に撮られると照れちゃいますー」 |
椿 | 「ふふ♪ごめんなさい、高槻さん。でも良い表情です」 |
やよい | 「あ、ありがとうございますっ」 |
椿 | 「最近は…撮られることも多くなってきましたけど…撮るのとは大違いですね」 |
やよい | 「でもでも恥ずかしいですけど、自分の新しい一面が見れるのは嬉しいです」 |
椿 | 「私も…いつかそのドキドキが楽しめる時が来るのかしら?」 |
やよい | 「椿さんならきっと大丈夫な気がします」 |
椿 | 「そうですか?」 |
やよい | 「はいっ、椿さんも笑顔が素敵ですから。笑顔が素敵だからきっと良い表情をみんな撮ってくれますっ」 |
椿 | 「ありがとうございます、やよいさん。ふふ♪」 |
やよいのその言葉に椿も思わず微笑みを返していた… |
HAPPY BIRTHDAY!! Yayoi TAKATSUKI.