少し雨模様のある夏の日… |
律子 | 「秋月律子です」 |
やよい | 「高槻やよいでーす」 |
律子・やよい | 「「秋のま〜ちですっ」」 |
律子 | 「私たちは今日、新潟県南魚沼市にある○国まいたけさんの工場に来ています」 |
やよい | 「私たち秋のま〜ちの旅は、ここから新潟県の中越地方を回りまーす」 |
律子 | 「ふう、それにしても今日は暑いわねー」 |
やよい | 「えっと手元の温度計は…まだ朝で雨なのに25℃を越しちゃってますー」 |
律子 | 「んー、この辺はフェーン現象がただでさえきついのに雨まで降るなんて…」 |
やよい | 「律子さん、その『ふぇーんげんしょう』って何ですか?」 |
律子 | 「説明すると長くなるけどいいかしら?それに難しいし」 |
やよい | 「ええーっ、それならいいです…」 |
律子 | 「と言うわけで蒸し暑いけど、こればかりはしょうがないわね」 |
やよい | 「そうですね、頑張っていきましょー!」 |
律子 | 「えっと、今日からテレビでは4回に渡って、私たちの旅にお付き合いください。」 |
やよい | 「はい、えっとどんなところに行くんでしたっけ?」 |
律子 | 「そうねそれじゃあ説明します。これが中越地方の地図ですけど…今居る南魚沼市をスタートして、魚沼市、川口町」 |
やよい | 「それから北に小千谷市と長岡市に見附市」 |
律子 | 「さらに北の出雲崎町に行ってから折り返して刈羽村と柏崎市」 |
やよい | 「そこから南に下って十日町市と津南町で、最後は湯沢町と1日3つずつの市町村を巡りまーす」 |
律子 | 「けっこう長いけど最後まで洩らさず見てくれた人には、きっといいことがありますから」 |
やよい | 「そうですよ、最後まで見なくちゃメッですからね」 |
律子 | 「やよい、頑張りましょ」 |
やよい | 「はいっ!うっうー!どこでどんな人や物に出会えるかが楽しみですー」 |
律子 | 「そうね。さて前置きはこんな所にして…ところでやよいはもやしは好きかしら?」 |
やよい | 「はい、もやしは安くていっぱい食べられるから大好きですっ」 |
律子 | 「(うう…何て笑顔なの…)確かに、安くて経済的にも良い食材よね」 |
やよい | 「私の家は家族が多いから…だからもやしは重宝してますっ」 |
律子 | 「なるほどね。そう、この○国まいたけさんではキノコの他にもやしも作ってるのよ」 |
やよい | 「あ、あのもやし売り場で少し高いあのもやしですよね?」 |
律子 | 「そう、手間がかかってる分だけ良い値段がするのよね」 |
やよい | 「はいー、だからあんまり手が出ないですー」 |
律子 | 「その辺を含めて説明して頂きます、○国まいたけの大平社長です」 |
大平社長 | 「朝早くからようこそ○国まいたけへ、大平です」 |
やよい | 「おはようございますっ、大平さん」 |
律子 | 「それで、ここのもやしにはどんな手間がかかってるんですか?」 |
大平社長 | 「それはここで口で説明するよりも、実際に見てもらった方がいいかと思いますので」 |
律子 | 「そうですか、それでは案内の方をよろしくお願いします」 |
やよい | 「よろしくお願いしまーす」 |
大平社長 | 「はい、それではどうぞ」 |
……… |
律子・やよい | 「「ありがとうございましたー」」 |
律子 | 「でも工場があんな風になってるなんて思わなかったわね、やよい」 |
やよい | 「はいっ、色んな人や機械が動いててびっくりしました」 |
律子 | 「高いのは値段だけじゃないのね、うーん見習わないと」 |
やよい | 「私たちももっともっと高い理念で行かないと…ですね」 |
律子 | 「そうっ、そこなのよ。これからも頑張るわよ、やよい」 |
やよい | 「はいっ、律子さん」 |
スタッフ | 『…はいっ、OKです!』 |
律子 | 「ふう…でも、なかなか面白かったわね」 |
やよい | 「工場も社長さんも面白い人で良かったです」 |
律子 | 「よし、この調子で次も頑張るわよ」 |
やよい | 「はいっ、それじゃあ律子さん」 |
律子 | 「そうね、やよい」 |
やよい | 「ハイ、ターッチ!」 |
パシンっ |
やよい | 「イェイっ!」 |
律子 | 「それじゃあ車に戻るわよ」 |
やよい | 「はいっ」 |
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律子が車に戻ると… |
P | 「あれ?やよいは一緒じゃなかったのか?」 |
律子 | 「あれ?ホントだ、やよいが居ない。さっきまで一緒に居たんですけど」 |
P | 「頼む律子、ちょっと探してきてくれるか?たぶん近くに居るだろうから」 |
律子 | 「んー、アイドルにさせますか?普通そんなこと」 |
P | 「スマン、次の場所の打ち合わせをディレクターとしなくちゃだから」 |
律子 | 「分かりましたよ、ちょっと行ってきます」 |
ガラガラガラ バタンッ |
律子 | 「やよいー!やよいどこに行ったのー?」 |
辺りを探す律子。そして木陰でやよいを見つけた光景に律子は思わず言葉を失った。それは… |
やよい | 「もやしさん、はやくおーきくな〜れ」 |
雨の中しゃがんで、もやし…ではなく緑豆の苗が刺さっている畑に小さく声をかけているやよいの姿であった。 |
律子 | 「だからもやしは工場生産なのに、、、でもそれがやよいらしさ…ね」 |
やよい | 「ん?律子…さん?」 |
律子 | 「やよい、探したのよ」 |
やよい | 「ごめんなさい…でもでもどうしてもここの畑が気になっちゃって」 |
律子 | 「あのね、やよい。これ、もやしの畑じゃないのよ」 |
やよい | 「え、ええーっ!?」 |
律子 | 「これは緑豆の畑。もやしだったらカバーがかかってるって言ってたでしょ」 |
やよい | 「あ…そうでしたーっ!」 |
律子 | 「ほら、次はスイカを見に行かなきゃなんだから。早く戻るわよ」 |
やよい | 「スイカですかっ、うっうー!楽しみですっ」 |
律子 | 「あと、日本一の米どころの美味しいご飯も食べられるわよ」 |
やよい | 「も、もしかしてあの『こしひかり』ですかーっ!?」 |
律子 | 「そうよ、それもあの名高い『魚沼産』のね」 |
やよい | 「うわー、私じゃ一生食べられないお米ですーっ!」 |
律子 | 「そんなことは無いと思う、私は」 |
やよい | 「律子さん…それってどういう…」 |
律子 | 「やよいなら、やよいだったらトップアイドルになれると思うから」 |
やよい | 「そう…ですか?」 |
律子 | 「自分に自信を持って。だってやよいには輝ける素質があるんだから」 |
やよい | 「でも…」 |
律子 | 「え?でも?」 |
やよい | 「それは律子さんと一緒じゃないと…ううん、律子さんと一緒に叶えたいです」 |
律子 | 「…やよい…ありがとう。そうね、私たちは二人でま〜ちだものね」 |
やよい | 「そうですっ、これからも一緒に頑張りましょーっ!」 |
律子 | 「ん?あ、プロデューサー」 |
やよい | 「プロデューサー!」 |
律子 | 「…って私たちを探してたんじゃ…早く行きましょ、やよいっ!」 |
やよい | 「はいっ!律子さんっ!」 |
二人の行進曲はこれからも歩みが止まることは無いだろう… |