この作品はこちらと併せてお読みいただくと良いかもしれません。 |
|
はぁとの周りは女の子だらけ。そうだよね、ここはアイドル事務所だし☆ |
??? | 「心さん?」 |
だから女の子同士で好きになってる子達も…やっぱりいちゃうわけでっ |
??? | 「…心さん?」 |
親友の菜々パイセンだって、フィアンセがいる一人なくらいで… |
??? | 「心さん!!」 |
心 | 「ふぁんっ!?」 |
??? | 「もう、どうしたんですか。いくら呼んでも返事もしてくれないなんて」 |
心 | 「ゴメン☆ちょっと考え事だ、千鶴ちゃん」 |
千鶴 | 「せっかく…心さんのために料理を作ったんだから」 |
ま、はぁともそんな一人だけど♪ |
心 | 「ありがとぉ〜、マイスウィートフィアンセ〜♪」 |
ギューっ |
千鶴 | 「し、心さんっ!」 |
優しさに思わずギューってしちゃった。 |
心 | 「おうっ、ついね☆」 |
千鶴 | 「とにかく食べてください。もう急に電話で呼びつけるかと思ったら…」 |
心 | 「衣装を作ってたらお昼ご飯を食べ損ねちゃった」 |
千鶴 | 「そんなことなら食堂に行く前に心さんの部屋へ寄っていけば良かったです」 |
はぁとに『心さん』と言っても千鶴ちゃんにだけは怒ったりしないの。プロデューサーでも怒るのにね。 |
心 | 「でも昨日、今日は泰葉ちゃん達と食べるって言ってたじゃん?」 |
今日は土曜日、お仕事が無ければみんなやることは様々だな。 |
千鶴 | 「それが…急に裕美ちゃんと出かけるって言われて…」 |
心 | 「じゃあ寂しく一人で食べてきたってコト?」 |
千鶴 | 「心さんを急に誘うのも悪い気がしたんです」 |
心 | 「もうそんなのはぁとが気にするわけないだろ☆」 |
千鶴 | 「すみません…」 |
心 | 「それもみんな過ぎたことだ。こうして美味しいご飯も作ってもらえたんだ☆」 |
千鶴 | 「お口に合えばいいですけど」 |
心 | 「……んっ……うん、さっすがは任せて良かった千鶴ちゃん」 |
千鶴 | 「ありがとうございます。それで何の衣装を作ってたんですか?」 |
心 | 「これだぞ☆」 |
千鶴 | 「これ…心さんのための衣装じゃないですよね」 |
心 | 「こっちは鈴帆ちゃんに頼まれた分だ」 |
千鶴 | 「上田さん?」 |
心 | 「趣味が裁縫だからそのよしみで頼まれたの♪」 |
千鶴 | 「そうでしたか。今度着る衣装ってことですか?」 |
心 | 「それは聞かなかったけど、片方が笑美ちゃん用でもう片方が鈴帆ちゃん用だって」 |
千鶴 | 「………そっちのもう一組は何ですか?」 |
心 | 「これは…」 |
……… |
心 | 「…この前きっちり採寸したからピッタリ☆」 |
千鶴 | 「嬉しそうに採寸すると思ったらもう…」 |
心 | 「おうおう、嫉妬するくらいスウィーティーだな」 |
千鶴 | 「…もしかしてとは思ってましたけど…」 |
心 | 「はぁとのはどうだ?」 |
千鶴 | 「心さんは似合ってないのは着ないでしょう?」 |
心 | 「似合ってる似合ってないじゃなくて!似合ってるのは当たり前だし♪」 |
千鶴 | 「……可愛いです……」 |
心 | 「照れながら言う千鶴ちゃんも可愛いぞ」 |
千鶴 | 「…も、もう!知りませんっ」 |
心 | 「これで機嫌直せ☆」 |
チュッ |
あー、ほっぺにしただけで千鶴ちゃんの顔が真っ赤だ。 |
千鶴 | 「…だからそういうのは違うと思うんです」 |
心 | 「いいだろ。それともはぁとのはイヤ?」 |
千鶴 | 「そんなこと…!な、無いです…」 |
心 | 「そういう素直なトコ、大好きだぞ☆」 |
千鶴 | 「うっ…」 |
心 | 「でだ、今日と明日の千鶴ちゃんの予定は?」 |
千鶴 | 「今日はこのまま部屋で宿題を片付けて、18時から事務所のルームFでかしましの方のレッスンですけど」 |
心 | 「はぁとも18時からルームDでしゅがみんのレッスンだ」 |
千鶴 | 「夕ご飯はいつです?」 |
心 | 「レッスン終わったらにするつもりだけど♪」 |
千鶴 | 「それなら一緒に食べませんか。裕美ちゃんたち、聞いても帰ってくる時間が分からないとのことで」 |
心 | 「そうしよっか。それからお風呂も一緒でいいな?」 |
千鶴 | 「それは毎日じゃないですか」 |
心 | 「毎日それにちゃんと誘ってくれるのは誰だっけね〜」 |
千鶴 | 「それは…心さん、製作に没頭すると時間忘れるから…」 |
心 | 「まあね。歳を取ると時間の進みって早くなるものなの」 |
千鶴 | 「そういうものですか」 |
心 | 「そういうものなの☆」 |
千鶴 | 「じゃあそろそろ部屋に戻ってもいいですか?宿題も片付けたいですから」 |
心 | 「宿題なら仕方ない。今日はお昼ご飯ありがと、マイフィアンセ千鶴ちゃんっ☆」 |
千鶴 | 「お粗末さまでした。これくらいで良かったらたまに作ってもいいですけど」 |
心 | 「いいの?迷惑だろ、こうやって急に呼びつけることになるぞ」 |
千鶴 | 「…その…心さんのためだったら…」 |
チュッ |
千鶴ちゃんから唇へのコレは不意打ちみたいだったわ。 |
千鶴 | 「苦にはしません…おそらく」 |
心 | 「ほんっとさあっ…」 |
ぎゅうっ |
ここまで言われたら抱きしめてあげないわけにはいかないだろ… |
千鶴 | 「ひゃぁんっっ!?」 |
心 | 「はぁとは幸せ者だなっ、千鶴ちゃんははぁとにとって最高のパートナーだ☆」 |
千鶴 | 「私にとっても、今一番隣に居てもらいたい素敵な人です」 |
心 | 「千鶴ちゃん…」 |
千鶴 | 「こんな私になんて…本当は勿体無いくらいに…」 |
心 | 「こーらっ♪」 |
つんっ |
心 | 「そうやって自分を卑下するの禁止だって約束したろ☆」 |
千鶴 | 「あっ…」 |
心 | 「千鶴ちゃんは千鶴ちゃん、はぁとははぁとなの。違うのも個性なんだから」 |
千鶴 | 「そう…でしたね、フフフ」 |
心 | 「うん。やっぱり女の子は笑顔が一番だ」 |
千鶴 | 「でも一番の笑顔は…今は心さんにだけです」 |
心 | 「千鶴ちゃん…そんなにはぁとお姉さんを泣かせたいの?」 |
千鶴 | 「心さんって涙もろいですからね」 |
心 | 「それは認める。歳のせいもあるけど♪」 |
千鶴 | 「そんな心さんのことも大好きです」 |
心 | 「はぁとも千鶴ちゃんのこと大好きだぞ」 |
チュッ |
千鶴ちゃん分をこれだけ堪能したんだから、これからも千鶴ちゃんの相手に相応しいはぁとでいないとね☆ |