10 Years Later...[07](10周の先《7》)

千鶴「それではお呼びします。川島さん、荒木さん、上条さん」
「真尋ちゃんと風香ちゃん、それと沙織ちゃんもな」
千鶴「続いて乙倉さん、大西さん、西川さんともう一度海老原さんお願いします」
「あとはまたつないでくれ。ラスベガスの方は…このメンバーだからこれで全部だよな?」
千鶴「えっと松本さん、太田さん、水木さん、篠原さん、兵藤さん…ですから、はい大丈夫ですね心さん」
瑞樹「千枝ちゃん見ないうちにずいぶんと綺麗に育ったわねー、川島瑞樹よ」
比奈「背丈は川島さんと同じくらいじゃないスか?小悪魔になったのは絶対にここにいない人のせいっスけど…あ、荒木比奈っスー」
千枝「恥ずかしいです…でも、ありがとうございます」
春菜「真尋ちゃん、風香ちゃんお久しぶりです。こうしてグラスフルが揃えて感涙物ですっ。上条春菜です」
真尋「はるにゃん久しぶりだね。こういう芸能活動の時はしてないとむず痒くてねー。北川真尋だよっ!」
風香「お久しぶりです春菜さん、真尋さん。はあ、久しぶりにこうしてテレビに出るのは緊張します…浅野風香です」
沙織「んだども、この前風香さんの仕事場にカメラ入ってたべ?奥山沙織だ」
風香「あれはその…番組の一コーナーでしたから」
悠貴「真尋さん、この前のレースお疲れさまでしたっ。あ、乙倉悠貴ですっ」
真尋「ありがとっ、予選突破したかったなーお互いもっと頑張らないとだねー」
由里子「比奈先生、原稿そろそろ上げてくれないと困るんだじぇ…もう年末進行で待ってる時間ないんだわ。大西由里子だじぇ」
比奈「ひいっ!ユリユリ、明後日までにはあげるから待って欲しいっス…。落とす気はないっスから…」
「コラコラ、ここで原稿催促しない由里子ちゃん」
保奈美「フフフ、楽しくて歌いたい気分ですね。西川保奈美です」
菜帆「保奈美さんと一緒ということは、あのユニットですね〜。あらためて海老原菜帆です〜」
千鶴「それではこのパートも先に繋ぎますね。もしもし」
『ハーイ、篠原礼よ』
「礼さん、今はラスベガスだよな?」
『そうよ。今さっきショーでのアップトゥデイトのダンスが終わったところね』
千鶴「篠原さんはどうされたんですか?」
『私は夫と隣の州で社交ダンスの大会があったから、その帰りに懐かしい顔が見れるって聞いて来たわ』
菜帆「礼さんお久しぶりです〜」
『あらその声は…』
レナ『もう東京と繋いでたの?ハーイ、お久しぶりね兵藤レナよ』
保奈美「レナさんお久しぶりです、保奈美です」
レナ『保奈美ちゃん!それにさっきの声は菜帆ちゃんね!』
菜帆「はい〜、今日はこちらでお会いできなくて残念です〜」
『レナはさっきまでディーラーしてたの』
レナ『今は休憩中よ。お仕事なんだから仕方ないじゃない』
保奈美「今それを着られていたのはそういうことだったんですね」
レナ『そういえば美里ちゃんは?』
菜帆「美里さんも今日はお仕事で海外です〜。ニュージーランドだそうですよ〜」
『それはしょうがないわねぇ…』
ガチャッ
レナ『あら、楽屋に帰ってきたみたいね』
『ふうー…本場のノリは凄くて楽しかったぁ』
聖來『礼さん楽屋の留守番ありがとうございましたっ』
沙理奈『え?今何してるのかしら』
『お帰りなさい、今は向こうの番組中よ』
沙理奈『今だったの?こんな汗かいちゃってるのに』
保奈美「沙理奈さん、お久しぶりです」
菜帆「沙理奈さ〜ん、ナイスセクシーですよ〜」
沙理奈『保奈美ちゃんに菜帆ちゃんじゃない、相変わらず二人ともセクシーなスタイルよ』
聖來『あ、今番組中?やっほー、水木聖來だよ』
『あ、あたしもあたしも。太田優よ』
千鶴「お三方ともおつかれさまです。すみません、本番後に急な出演になってしまいまして」
沙理奈『あら、千鶴ちゃん?いいのよ、タイミングっていうのがあるものね』
千枝「沙理奈さん、お久しぶりですー」
沙理奈『千枝ちゃん!?ブルナポのみんなもいるの?!』
比奈「いるっスよー、千枝ちゃん見てほしいっス」
春菜「本当です。ぜひ生の目で見て欲しかったです」
沙理奈『本当にみんないたのね。ということは瑞樹さんも?』
瑞樹「ハァイ、沙理奈ちゃん以外こっちにみんな揃ったわ」
沙理奈『せっかく全員が揃うタイミングだったのに、ゴメンなさいね。でもアタシが言うのもだけれど、本当にセクシーになったわね千枝ちゃん』
千枝「そんな…でも沙理奈さんにそう言われるのは嬉しいです。目指している人の一人でしたから」
沙理奈『本当に千枝ちゃん良い子ね…お姉さん泣いちゃうわ…』
千枝「また今度お会いしたいです」
沙理奈『日本に帰ったら逢いましょ。お土産持っていくわね』
「んじゃ、今について聞こっか。沙理奈ちゃんは今はまだグラドルだよな?」
沙理奈『ええ、まだまだ負けてないわよ。モデルのお仕事もたまにやってるわ』
『アタシはペットモデルとか動物プロのトリマーがメインかな。こうしてタレントもしてるけれどねぇ』
聖來『アタシはダンサーとアイドル達のダンストレーナーもしてるってとこかな、伊吹たちと一緒にね』
レナ『私は今はこっちでディーラーとしてやってるの。来た時は連絡ちょうだい』
『私はさっき話したけれど、昔の職場で社交ダンスのダンサーと講師よ。必要な時は346プロでも教えてるの』
保奈美「礼さん先日はありがとうございました。舞台でのステップ参考になりました」
『保奈美ちゃん、筋とリズム感が良いもの。安心して教えられたわね』
千鶴「それでは名残惜しいですがそろそろ失礼しましょうか。皆さんありがとうございました」
聖來『あっ、仁奈ちゃんたちダンスの宿題日本に戻ったら確認するねー』
モニタが消えて元の番組ロゴ画面へと戻った。
「何か最後に聞こえた気がするけどいっか。それじゃ、ここからだけどブルナポとセクボン、ピュアツイを中心に映像を見るぞ」
千鶴「グラスフルとダッシュランナー、ゆりひな乙女とここにはおられませんがアップトゥデイトの映像も併せてどうぞ」
………
その映像が終わり…
「まずはブルナポ、ピュアツイ、グラスフル以外の話聞こうか」
保奈美「私達あんな衣装着てたんですね、菜帆さん」
菜帆「黒くてあんなに身体の線が出てたんですね〜、保奈美ちゃん」
千鶴「失礼かもしれないですが、その…どれくらいあったんですか?」
保奈美「確か…美里さんが一番小さかったんじゃなかったでしたっけ?私と美里さん以外は確かあの頃90オーバーだと聞きました」
菜帆「こんな衣装で親に怒られないかと心配でしたね〜」
「あれはなあ…当時のデータリストがここにあるけど…ああ、本当だ。84の美里ちゃんでも大きいのに次の保奈美ちゃんでも88だと…!?」
保奈美「恥ずかしいです…沙理奈さんにスカウトされた時はまさか私がと思いましたけれど…」
菜帆「そうですね〜、でもそうやって見てくれて私は嬉しかったです〜」
保奈美「今でもこの身体は役に立っています。歌劇系の舞台女優になりまして、つい最近は千秋さんと一緒の作品で舞台に立ちましたよ」
「好きこそものの上手なれってとこか」
由里子「それにしてもこの二人、やっぱり凄い光景だじぇ…」
比奈「これは次の話の参考にするっスよ、でもあの頃から本当に続いてるんスねアタシ達」
由里子「そうなんだじぇ。こういう関係になってもうすっかり腐れ縁だわ」
千鶴「本当は神谷さんを含めてですけれどどうでした?」
比奈「菜々ちゃん含めて本当にオタクしてたっスねえ…」
由里子「あの頃は朝まで語り合ったりもしたわ」
比奈「段々と朝が辛くなって、今では寝ないとちゃんと復活しないっスから」
由里子「だからって原稿遅れる理由にはならないんだじぇ?」
比奈「それは分かってるっス。この後編集部にカンヅメでもいいっスから」
千鶴「お二人は…どういう関係か聞かなくても分かりますね」
由里子「アタシは見ての通り漫画雑誌の担当だじぇ。どんな漫画かはご想像にお任せするわ」
比奈「アタシも見ての通り漫画家と一応タレントもやってるっスよ」
真尋「比奈さん本物の漫画家になったんだ!昔参考にさせてもらったんだよねっ」
悠貴「お仕事系のグラビアの時でしたよね」
真尋「そうそう、懐かしいなー。あの頃はよく悠貴ちゃんと一緒に走ってたね」
悠貴「そうですねっ。一緒によくロードワークしてました」
真尋「今でも走ってはいるんだけどね」
悠貴「はい。事務所に実業団のチームを作ってくれて助かりました」
「二人は今は346の陸上部だったな」
真・悠『はいっ』
悠貴「モデルをしながら活動させてもらえて助かってますっ」
真尋「私もタレントしながらだもんねー」
千鶴「事務所の周りを走っているの、よく見かけますよ」
真尋「千鶴ちゃんも入ってみる?体験入部はいつでも大歓迎だよ」
千鶴「わ、私は無理ですから…さすがに走りに使う筋肉は落ちてますし。そ、そろそろブルナポ、ピュアツイ、グラスフル組に交代しますっ」
瑞樹「今思うとあんな衣装をあの歳で着てたのね」
比奈「でも瑞樹さんスレンダーでもメリハリがあって似合ってたっスよ」
瑞樹「あら、ありがとう比奈ちゃん」
春菜「今思うと私だけ何で服の真ん中が窓だったり空いてたんですかね…」
千枝「春菜さんは裸よりメガネを取られる方が恥ずかしいって言ってたからとかですか?」
春菜「…そんなこと言って…言ってましたね千枝ちゃん」
瑞樹「あの構造だと沙理奈ちゃんの方が喜んで着そうだったわよね」
春菜「私のとシースルーの窓があるのは一緒ですからね」
千枝「沙理奈さんにも会いたかったです。また色々教えて欲しかったんですけれど…」
瑞樹「本当に千枝ちゃんは沙理奈ちゃん以上のタイプに育ったわね…」
比奈「素材が良かったんスよ。それに当時のアイドル部門はどの方向にも先達がいましたし」
春菜「それをどんどんと吸収した結果が…今の千枝ちゃんですからね」
千枝「も、もう皆さん、そこまで褒めないでください…」
「まあこればかりはなあ…んで瑞樹さんは今は?」
瑞樹「私はいわゆるマルチタレントって感じかしら。女優もコメンテーターもしてるし、キャスターもやってるわ」
春菜「私はタレントですね。メガネについては相変わらず負けません」
千枝「私は今は芸能活動は縮小していてまだ大学生です。卒業したらまた女優として頑張ります…あと、グラビアもちょっと挑戦したいなって」
瑞樹「沙理奈ちゃんが聞いたら歓びそうねえ…」
「まあ若い時に色々と夢は持っておいた方がいいからな」
沙織「そうだべ、わだすは19でこの世界に入ったすけ、ある程度方向性は決まってたべな」
風香「沙織さんも私も結果的には純朴なイメージで活動しましたよね」
沙織「んだな。時にはちっとばか大人なのもあったろも、それはそれで嬉し恥ずかしだったべさ」
風香「当時の学校のクラスメイトには『純粋そうに見えて中は凄かった』って言われてました…」
千鶴「浅野さん、当時から羨ましいほどのスタイルでしたよね」
「ああいう雰囲気とか性格だったけれど、その実身体は菜帆ちゃんとか里美ちゃんみたいでそのギャップが凄かったんだよな」
風香「でもこの身体が嫌じゃなくなったのも、こうしてアイドルを経験できたからと今は思っています」
沙織「風香ちゃん以上の子がいっぺことおったからなあ」
風香「はい…愛梨さんとか菜帆さんとかが周りに居てくれて、この身体は自分の個性なんだって理解できました」
「おう…良い話じゃないかコレ」
風香「今は表舞台に立つことはそこまで多くはなくなりましたけれど、それでも今の作家活動でこの経験は無駄ではなかったと思います」
沙織「今度わだすが出る演劇の脚本、風香ちゃんのらて楽しみだべな。主役の2人さ、まるで昔のわだすらみたいな感じもしてしょしいけんど」
風香「あっ…沙織さんには見抜かれていたんですね…。はい、昔の私達を少しだけ参考にして台本を起こしてました」
沙織「せっかくの風香ちゃんの脚本らすけ、わだすも女優頑張っぺな。東北と関西でも公演あるから、観に来てほしいべ」
「これで今回出てもらった子は全員かな?」
千鶴「そう…ですね」
「あ、この組もあるのか?んじゃ、ピュアリーツインの写真を一つな」
そこに映し出されたのは、台所での仲睦まじい料理中に、沙織が風香へ味見用の小皿を渡している所だった。
沙織「…何でこんな写真があるべか?」
千鶴「写真の提供はこちらに居られない方だそうです。スタッフもそれ以上は公表してくれていないです」
風香「これって一緒にお鍋を作っている所ですよね」
沙織「この鍋大きいすけ、部屋でねえわ。年末にきりたんぽ鍋さした時のだべ」
風香「ということは、あの時近くにいたメアリーちゃんかケイトさん…?」
「ま、真相は分からなくてもいいんじゃないか?これは前の子達みたいに、特に恥ずかしい場面でもないしな」
沙織「そうだべな」
「そんじゃ、このメンバーはこの辺にしとこうか」
千鶴「そうですね。では皆さんありがとうございましたー」
\パチパチパチパチパチパチ/
「んじゃ、次は…なあ千鶴ちゃん、そろそろはぁと限界来そう…」
千鶴「それなら………………でどうですか?たぶん私たちのお願いなら聞いてくれると思いますし…」
千鶴は心に耳打ちをした。
「はぁとはいいけど、それは千鶴ちゃんからもよく頼んでな」
千鶴「私もこの長時間でそろそろ休憩したかったですしもちろんです。それではお呼びします………」
 
第8話へつづく
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あとがき
飛神宮子です。
10周年記念10年後SS、2日目最初の第7弾です。
今回はブルーナポレオン・グラスフルワールド・ピュアリーツイン・アップトゥデイト・セクシーボンデージ・ダッシュランナーです。
何となくですがレナさんと礼さんは元職に戻っているなと思いました。
10周年を迎えて今日から11年目、まだまだ前へと進んでいかないとですね。
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2021・11・29MON
飛神宮子
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