10 Years Later...[03](10周の先《3》)

千鶴「そうですね、ではお呼びします…ってちょっと待ってください。あ、もう少し人数出さないと時間内に終われないと」
「まあはぁと達入れて190人はいるわけだしな。んじゃ、まとめて10人ちょっと行くか」
千鶴「分かりました。ではまず、柳瀬さん、海老原さん、菲菲さん、長富さん…あと脇山さんは…こちらには来られないですね」
「お、からぱれ組か。あとじゃあ菜帆ちゃん繋がりで志保ちゃんと里美ちゃんも来い来いっ」
千鶴「あと持田さんもここでお願いします。それから…今ならまだ大丈夫ですね、あの幕張の方の中継セッティングもお願いします」
呼ばれた人たちが前へと集まってきた。
里美「ほわぁ…こうして揃うのも久しぶりですねぇ」
志保「そうですね。基本的には今は個々でお仕事していますし、私も育児でお仕事セーブ気味でしたから」
菜帆「美由紀ちゃん久しぶり〜」
美由紀「菜帆ちゃん、会いたかったよー」
菲菲「ハスミ、元気してタ?」
蓮実「はい、おかげさまで。フェイフェイさんも活躍はテレビで拝見してますよ」
亜里沙「美由紀ちゃん、この前はご招待ありがとうね。私はもう引退組だから、そういう機会でまたみんなと逢えて良かったわ」
美由紀「だって最初にお世話になったユニットだもん。亜里沙さんを招待しないわけにはいかないよー」
「お、何だか同窓会っぽくなったな。と、先に中継つなぐか…き…」
きらり『にゃっほー!!!きらりんだにぃ☆』
名前を言うより先に大きな声がスタジオへと響いた。
『きらり、まだスタジオから呼びかけされてないんだけど』
きらり『あっ…てへ、ゴメンなさい』
「まあいいや、今は幕張のホールだっけか?」
『そうだよー。10周年記念の一夜限り凸レ・CI復活ライブのリハ前って感じで。あ、双葉杏だよ』
きらり『今日は来てくれるみんなが楽しいライブにするよー、諸星きらりだにぃ☆』
千鶴「きらりさん、27歳になってもパワフルですね…。あの、他の方はいらっしゃいますか?」
きらり『みんなー、来て来てーっ』
莉嘉『きらりちゃん、先行っちゃうんだもーん』
みりあ『あ、もうやってるのー?』
『そうだよー』
莉嘉『あ、もしもーし!城ヶ崎莉嘉だよー』
みりあ『赤城みりあでーすっ』
『もー、どこ行ってたのさー二人とも』
智絵里『ごめんなさい、向こうでスタッフの方とお話してたんです』
かな子『こんにちはー、もうこの歳になって復活ライブなんて思いませんでした』
美由紀「あ、智絵里ちゃーんっ、かな子ちゃーんっ」
智絵里『その声は美由紀ちゃん?久しぶりだね』
亜里沙「かな子ちゃん、智絵里ちゃん、元気してました?」
かな子『えっ!亜里沙さんも来てるんですか!?会いたかったなあ…』
亜里沙「こちらに来ればいつでもお待ちしてますからね」
『かな子ちゃんは遊びに行けるっしょ。今2人だっけ』
かな子『でも片方はまだ1歳だから難しいかなぁ…』
美由紀「智絵里ちゃんもかな子ちゃんも、杏ちゃんもこの前はありがとねー」
『あー、この前杏たちが久しぶりに揃ったのって美由紀の結婚式だっけか』
智絵里『私とかな子ちゃんはユニットで招待されてたけど、杏ちゃんがいてびっくりしたなぁ』
『杏は同郷で招待だったし、ちょうど帰省もしたかったからいいタイミングだったんだよねー』
かな子『そっかあ、席も一緒にしてもらえて良かったよね』
『まあ手持無沙汰にならなくてよかったけどね』
きらり『杏ちゃん達ー、そろそろリハするって言ってるにぃー』
千鶴「では名残惜しいですがそろそろお時間のようですので…ライブは今日の17時開場18時開演とのことです」
「配信チケットは今日の15時まで買えるから…まあ、ファンの人はこっちじゃなくてそっちに行ってくれていいぞ」
千鶴「そうですね、その時間帯のこっちは録画して後で見てもらってもいいですから。せっかくの一夜限りのライブですし」
『んじゃ、そろそろ杏達行くよー』
千鶴「はい、ありがとうございましたー」
モニタが消えて元の番組ロゴ画面へと戻った。
「さて、ここからはこっちにいるメンバーの話だな」
千鶴「はい、まずはからぱれの方々ですね」
「そういえばからぱれは地元タレントになった子も多いカンジか」
蓮実「5人の中では3人ですから多いですよね、菜帆さん」
菜帆「そうですね〜フェイフェイちゃんと珠美ちゃん以外は地元でもお仕事してますから〜」
美由紀「うんっ。菜帆ちゃんはまだ東京のお仕事が多いけど、みゆきとか蓮実ちゃんは地元の方が多いよね」
蓮実「そうですね。地元だと落ち着きますし、そこで私も落ち着きましたから」
菲菲「ふぇいふぇいは東京メインでお仕事してるヨー。前までは香港でもお仕事してたり、こっちの番組で香港行く時の案内役もしてたけどネー」
蓮実「もうちょっと今の状況が落ち着けば良いんですけどね」
菲菲「そうだネー。だからちょっと寂しいケドインターネット通話もあるし、今はこっちで頑張ってるんダ」
亜里沙「この前のマフィア役、凄みがさすがでしたね」
菲菲「ありがとヨー、アリサさん」
「そんで蓮実は今は地元メインなんだよな」
蓮実「はい。山陰地方のテレビ局は各局出させてもらっています。あとは関西やこっちもたまに出てますね」
「さっきの口ぶりだと、向こうで結婚したってことか?」
蓮実「いえ、向こうに一緒に戻ったという感じです。お互いの地元が島根でしたから」
千鶴「そういうことでしたか。それではそんな皆さんの当時の映像です。どうぞ…」
………
その映像が終わり…
菲菲「あの色違いの衣装、懐かしいネー」
菜帆「そうですね〜、プロデューサーさんも違いましたから多くは集まれませんでしたけど」
美由紀「それでも楽しかったよね」
蓮実「特に菜帆さんと美由紀さんは寮では同室でしたから」
菲菲「そうだったネー」
蓮実「公演で共演されてもいましたから、ユニットの中でも特に仲が良かったですよね」
美由紀「うん。公演の後にみゆきが寂しくなっちゃって、一緒の部屋にしてもらったんだっけ」
菜帆「そうでしたね〜、一緒になってから楽しかった思い出がたくさんです」
「ピンドバは亜里沙ちゃんが凄かった…あんな衣装着てたんだな。あれ何歳だった?」
亜里沙「うう…21歳でした…。今思うと揃いの衣装とはいえ、当時はあんなのを着てたんですね…」
千鶴「えっ!もう成人されていたんですか!?凄い勇気ですね」
亜里沙「ええ、元は先生だったからある程度は見慣れてはいたんですよ。だから当時はそのまま着られていたんだと思います」
美由紀「でも亜里沙さんがいてくれて心強かったんだよ」
亜里沙「美由紀ちゃん…ありがとう。今度また北海道で一緒に飲みましょうね」
「あとは凄く甘そうなユニットだったな」
志保「菜帆さんも里美さんも本当に気にしないから、凄く困ってたんですよ」
里美「そうですね〜、今でも蜂蜜は大好きですから〜」
菜帆「さすがに今はちょっと控えてますけどね〜」
千鶴「甘味好きなお三方でしたからね。楽屋から甘い匂いがすると思ったら大体里美さん達か法子さん達でしたから」
「あー、あっちもそうだったなー。んでここは3人とももう子供いるんだよな」
菜帆「はい〜。私は3人で、志保さんも3人で、里美ちゃんは1人ですよね〜?」
志保「はいっ。今は3児のママタレですからっ」
里美「そうですね〜、今では蜂蜜大好きな子供に育ってます〜」
菜帆「今度、地元のお菓子贈りますね〜」
志保「熊本のお菓子ですかっ、嬉しいです」
里美「菜帆さんの選ぶお菓子は間違いが無いですから〜」
「あっと、そういや菜帆ちゃんと美由紀ちゃんはもう一つ映像があるんだってな」
美由紀「もしかして公演かな?」
菜帆「そうですね〜…!?」
美由紀「ええっ!?」
そこに映し出されたのは、芝生の上に敷かれたシートで菜帆に腕枕されている美由紀の姿だった。
千鶴「この柳瀬さん、安心しきってますね。微笑ましい映像です」
美由紀「恥ずかしいよぉ…でもみゆき、覚えてるよ」
菜帆「ちょうどお休みの日で、野点みたいなことをした後でしたね」
美由紀「うん。ポカポカしてて…菜帆ちゃんが良い薫りで眠っちゃったんだったかなぁ」
菜帆「美由紀ちゃん、柔らかくて気持ち良かった憶えがあります」
「今は地元でも活動してるとはいえ、菜帆ちゃんとと美由紀ちゃんの仲の良さは変わらなそうだな」
美由紀「もちろんだよ…ねー」
菜帆「ね〜」
千鶴「フフフ、なんだかごちそうさまです。二人を見ているとこちらも微笑んでしまいます」
「そうだな…と、そろそろこのメンバーは締めさせてもらうか」
千鶴「そうですね。では皆さんありがとうございました。またユニットメンバーの関係でお呼びするかもしれませんので、その時はよろしくお願いします」
\パチパチパチパチパチパチ/
「んじゃ、次は…お、意外だけどこのメンバー揃ってるなら先にここらへん消化しとこうか千鶴ちゃん」
千鶴「そこだと…こうですね。ではお呼びします………」
 
第4話へつづく
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あとがき
飛神宮子です。
10周年記念10年後SSの第3弾です。
今回はからぱれ、ピンクドットバルーン、キャンディアイランド、凸レーションです。
作中で触れませんでしたが現職を、みりあはアイドル、莉嘉はアイドル・モデル、きらりはモデル・ファッションデザイナー、
智絵里はタレント・女優、かな子はタレント・料理(お菓子系)研究家、杏はタレント・Youtuber・VTuber、里美はタレント・甘味評論家としています。
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2021・11・28SUN
飛神宮子
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