Sanguine Hair's Cooking(紅髪の料理)

それは、とある日のスーパーでの事…
「あらぁ?あかりさん…ですよね」
「え?あ!琥珀さん」
「こんな所で奇遇ですねぇ」
「はい。でも…珍しいですね、琥珀さんがこんな所に来ているのなんて」
「え、どうしてです?」
「食材とかは直接お屋敷の方に来るから、買いに出なくてもいいと言ってませんでした?」
「あ、そういう意味でですか」
「はい」
「ちょっと色々と作ったら…材料が足りなくなっちゃったんです」
「はぁ…そうなんですか」
「はい〜」
「それで、何を買いにきたんです?」
「えっと…コレですコレ」
と、琥珀が籠から出したのは…
「え…焼きそばの麺ですか?それにソースに野菜まで…それもこんなにいっぱい」
「はい〜、今日はらんさん達をよんでますから」
「え、らんさんですか?」
「はい。今、うちで焼きそばをしてまして…」
「それにしても、凄い量ですね」
「そうですか?13人の中に物凄く食べられる方がおられまして」
「あ、えっと…私も行っていいですか?」
「はい、いいですよ。あかりさんの料理、久しぶりに拝見させて貰います」
「そ・そんな…琥珀さんほど上手くはないですよ」
「いえいえ、家庭料理は勝てませんよ」
「んー、そうかなあ…あ、そうだ。浩之ちゃん達も連れてっていいです?」
「はい〜、人が一杯の方が楽しいですしね」
「それじゃあ、呼んだらお屋敷の方に行きます」
「はい、お待ちしてます〜」
………
「浩之ちゃんっ!」
「おう、どうした?あかり」
「実は…かくかくしかじか…なんだけど、行かない?」
「そうだな…ああ、行くか」
「じゃあ浩之ちゃん、雅史ちゃんと志保を呼んでくれる?」
「おう、分かった」
「私は保科さんと宮内さんと雛山さんを呼ぶから」
「じゃあ集合は俺んとこでいいな」
「そうだね」
 
その頃お屋敷の方では…
「らんさん、やっぱりお上手ですね」
「そんな、琥珀さんには及ばないです」
「あ、次の料理が出来ましたよ」
「そうですね。つばさちゃんにあかねちゃん、向こうに持って行ってくれるかしら?」
「うんっ」
「ああ…」
と、あかねとつばさは料理を持っていった。
「あ、そういえばらんさん」
「はい、何です?琥珀さん」
「あとでもう一人、料理の援軍が来られますよ」
「え?どなたですか?」
「私たちと同じような…方ですよ」
「同じ…と言うことは、もしかして…」
「フフフ…はい、そのもしかしてですよ…きっと」
 
その頃…
「おっ、委員長」
「藤田くんやな、お呼ばれにあがったわ」
「ヤッホー、神岸さん」
「あれぇ?どうして来栖川さんが?」
「あー、俺が呼んだんだ。葵にも電話を掛けたら、琴音と綾香も呼ぶって言ってたしな」
「雅史さん…」
「あ、姫川さんも来たんだね」
「はい…」
「ハーイ!リオっ!」
「ふわぁっ!?」
どてんっ
理緒は盛大に転んでしまった。
「あいたたたぁ…あ、宮内さん」
「Oh、ゴメンナサイ」
「浩之さん、綾香さん、こんにちは」
「うっす葵ちゃん、急に呼んじまってごめんな」
「いえ、呼んでいただけてとても嬉しいです」
「やっほー、あかり」
「あ、随分遅かったね志保」
「ちょっとね、女の子の身嗜みってのに時間が掛かったのよ」
「そんなに時間掛ける顔でもないだろ、お前は」
「何か言ったかしら?ヒロ」
「ん、別に」
「まあ全員揃ったみたいだし、行こっか浩之ちゃん」
「そうだな。みんな、行くぞ」
あかり達はお屋敷へと向けて歩みを進めていった。
 
その頃お屋敷では…
「志貴さん、ちょっとこれ向こうへお願いしますっ!」
「あ、うん」
「ご主人さま、みかさん、これ持っていってもらえます?」
「うん、分かった」
「いいわよ、らん」
それこそまさに、『戦争』と化していた。
「シエルさん、何を作ってらっしゃるので・す・かっ!?」
「あら、秋葉さん。これは遠野くんのために作ってきたカレーですけど?」
「この屋敷は、カレーの持ち込みを禁じているのですけれど?」
「まあいいじゃない、秋葉もシエルもさ」
「…それにしても、私がいつあなた方を呼びましたか・し・ら?」
「え?私は琥珀に言われて来たんだけど?」
「私も琥珀さんに言われてですけど?」
「…こ〜は〜く〜っ!」
髪の色が少しずつ変わりつつある秋葉。
「アハッアハハッ…秋葉さま、この料理を会場へ持っていって下さいまし…」
「誤魔化そうったって、そうはいかないわよ琥珀。あとで覚えてらっしゃい」
「はい…」
「温めさせてもらって、どうもありがとうございました琥珀さん」
「ん〜、シエルもたまには美味しそうなのを作るのね」
「たまにはは余計です、アルクエイド」
「まあ早く持っていこうよ、シエル」
「ま、確かに冷めたら美味しくなくなりますから」
「琥珀、白いご飯はあるー?」
「あ、はい。こちらのを炊飯器ごと持っていって下さい、アルクさん」
するとそこに…
♪Ding Dong♪
玄関のベルの鳴る音。
「はーい。翡翠ちゃん、来客のお世話をお願いね」
「はい、姉さん」
「あ、翡翠ちゃん。紅い髪の人だけ、こっちに呼んでくれる?」
「分かりました。神岸あかりさんですね、姉さん」
「うん、他のお客さんはそのまま会場に通してね」
そして…
「琥珀さーん、らんさーん、来ましたよ」
「あかりさん、お久しぶりです」
「お待ちしてましたよ、あかりさん」
「それじゃあ私は何をしましょうか?」
「あ、野菜をお願いできます?」
「包丁はここですから」
「はい、それじゃあエプロン付けてきますね」
あかりも加わり紅髪の3人が、台所で仲良く料理をし続けていたという…。
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あとがき
クロスオーバー『SS』としては5ヶ月ぶりですか…。
結構前から温めていたネタではあったのですが、出す機会が…。
てなわけで、今回の主題は「紅髪+料理」です。
ちなみに色髪シリーズはもう一作ネタがありますので…。
ま、ゆっくり書きますよ。
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2004・08・13FRI
琴瑞
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