短編連作〜漢字編1−2〜

「暖かくて気持ちいいですね、ご主人さま」
「うん…」
二人はベランダで日なたぼっこをしていた。
「何だか眠たくなってきちゃいました…」
「うん…ふわーあっ」
「クスッ…ご主人さま、大きなあくびですね。んーっ…」
「もものも可愛いよ」
「あ…恥ずかしいです…」
ももは少しだけ顔を朱くした。
「すごく眠そうだね、もも」
「はい…ご主人さま…」
「横になっていいよ」
「えっ…」
「僕の脚に頭を乗せていいからさ」
「はい…」
ぽふっ
ももは頭をご主人さまの脚へと預けた。
「温かいです…ご主人さま…くぅ…」
「さて、じゃあ僕も一眠りするかな」
そんなゆっくりとした時が流れる春の午後であった…。


たったったったっ
「ご主人さま、急いでくださいっ」
「ま・待ってよたまみー」
「早くしないとだめなんですっ!」
「えっ!?どうしてっ!?」
「来れば分かりますっ!」
たったったったっ
二人はそのままスーパーへと走っていった。
ガーーー
そしてスーパーに入った二人…そこでようやくご主人さまは理由を把握した。
「ご主人さま、牛乳を2本お願いしますっ」
「あ、うん」
「たまみは卵の所にいますからっ」
「分かった」
………
「ふー…疲れたぁ…」
「ありがとうございます、ご主人さま」
「じゃあ帰ろっか」
「はい」
二人は手を繋いで秋の太陽を背に家へと戻っていった…


「んー、面白いれすねぇ」
みどりは四つん這いになって地面を虫眼鏡で観察していた。
「何を見てるんだい?みどり」
「ご主人さま、砂さんを見ているんれす」
「ふーん、面白いかい?」
「面白いれす、色んな色があるれすよ」
「例えば?」
「黒や茶色や白に緑もあるれすよ」
「そっか…え、緑色かい?」
「そうれすよ、ほら」
つつつつつ
みどりは指で地面をなぞった。
「ほら、ご主人さま」
と、なぞった指を差し出したみどり。
「あ…本当だね…」
「うん…やっぱり地球さんは色々とあって面白いれすね」
「よし、じゃあ今度はみんなで海に行こうか」
「やったれすぅ〜、いっぱい観察するれすよ」
「うん、一緒に観察しようね」
太陽がキラキラと輝く、そんな夏の午前であった…
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あとがき
偶然とはいえ…連続した学年になるとは…。
てなわけで、短編連作1シリーズ目の第2弾です。
短いから書きやすいと思ったら大間違いです。収めるのが難しいんですよね…。
ま、あと12本ですけどね。(オリジナル守護天使が入ってます。)
年度明けで落ち着いたら、キャラ別索引を作ります。
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2004・03・07SUN
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