Three Color's Spa Diary [6](三色の温泉日記〔6〕)

しばらく湯船に浸かって…
「さてみんな、そろそろ一回身体を洗おう」
「そうれすね、誰から洗うれすか?」
「そうだね、二人ずつくらいの方がいいかな?その方が洗い場も広く使えるからさ」
「二人ずつって、一人はご主人さまと一緒になるの?」
「そうなるかな…うーん、やっぱり僕と一緒はやめた方がいい…のかな」
「それはダメだよ…せっかく誰にも邪魔されない場所なんだ…」
「そうは言っても、僕と一緒は誰にするんだい?それは三人で決めてね」
「私は遠慮するよ…いや、ご主人さまに見られたくないというのが理由じゃないよ」
「どうしたんれすか?あかねさんが当てた旅行なんれすから、みどりさんはあかねさんれもいいれすよ」
「くるみもあかねちゃんで全然構わないのー」
「私はみどりかくるみ姉さんのどちらかでいいんだ。この髪を洗ってもらうのはご主人さまより二人の方がいい気がするんだ…」
「そっか、でも僕だってももとか髪の長い子もたまに洗ってあげてるし構わないよ?」
「でも…私はやっぱりいいよ。こうやって寄り添ってくれるだけで充分かな…」
「それならあかねがどちらか指名してね。あかねが決めてくれれば二人も納得すると思うよ」
「だったら…くるみ姉さんはご飯の時に結構構ってもらえそうだから…みどりにご主人さまのお世話をお願いするよ」
「みどりさんれすか?分かったのれす。それならご主人さま上がって洗うれすよ〜」
「今すぐでいいの?それなら行こっか」
サバッ ジャパンッ
ご主人さまとみどりは湯船から立ち上がって洗い場の方へと向かった。
 
わっしゃわっしゃ わっしゃわっしゃ
「みどり、痒いところとかは無いかい?」
「ご主人さま…あ、もうちょっと首の方がかゆいのれす」
「えっと…ここかな?」
「そこれす…んっ、んー…気持ち良いのれす〜…」
「でもやっぱり新鮮だね」
「ほえ?何がれすか?」
「くるみ達もそうだけど、髪を解いた姿ってこういう所でしか見ないからさ」
「ご主人さまとお風呂に入るの、みどりさん達はるるちゃんとかと違って少ないれすし…」
「そうだね、くるみは前に見たことがあるけどね」
「そうなんれすか?くるみ姉さん」
「前にご主人さまとそんなことがあったのー。でもあの時は本当に嬉しかったの…」
「くるみ姉さん…どういうことだったの…?」
「むー、それは秘密にするのー」
「ま…いいかな」
「よし、あとはこのしっぽの部分の髪を洗って…っと、これでいいかな」
「ご主人さま、ありがとうれす。次はご主人さまの髪を洗うれすよー」
「うん、お願いするね」
「んしょっと、ちょっと立たないと届かないれすね…」
「僕が床に座ろうか?」
「いいのれす…れも、後ろは見ないれくらさい」
「そ、そうだよね…」
シャーーー シュコシュコシュコ
みどりはご主人さまの頭にシャワーでお湯を掛けて、ボトルからシャンプーを出した。
「じゃあいくれすよー」
わしゃわしゃわしゃわしゃ わしゃわしゃわしゃわしゃ
「ご主人さま、かゆい所は無いれすかー?」
「うーん、もうちょっと両耳の方をお願いできるかな?」
「分かったのれす、この辺れすか?」
「もうちょっと下の方で…うん、そこだよ」
「ここれすねー、他はあるれすか?」
「あとは大丈夫かな、全体的にもうちょっとやってくれればいいよ」
「はーい」
「うん、それくらいでいいかな。それじゃあみどりの髪の毛流すよ」
シャーーーー わしゃわしゃわしゃ
「んっ…んー、ご主人さまの手が気持ちいいのれすー」
「あとはこの辺とこの辺で…よし、いいよ。次は僕のを流してくれる?」
「はいなのれす、また向こう向いてて欲しいのれす」
「うん、分かったよ」
シャーーーー わしゃわしゃわしゃわしゃ
「ご主人さまの髪の毛、みんなみたいに凄い綺麗れすよ」
「そうかな?ありがとうみどり。みんなと同じのを使ってるからね」
「れもれすね、みか姉さんは違うの使ってるみたいれす」
「ああ…そうだって聞くね。くるみ姉さんは知ってる…?」
「くるみは知らないけど、あゆみちゃんが怒ってたのは見た気がするの」
「『こんな高いもの買うなんて』だったかな…困り果ててたね」
「3人はそれからどうしたか知ってるかい?」
「知らないな…ご主人さまは知ってるの…?」
「あゆみとみかとゆきさん共用になったんだよ。ゆきさん管理になったって嘆いてたからね」
「そうだったんだ…」
「ご主人さまもうこっち向いていいれすよ」
「うん、ありがとうみどり。あ、それじゃあそのままこっち向いてるから背中も先に洗ってもらえるかな?」
「了解なのれすぅ!」
シュコシュコシュコ
「ご主人さま、いくれすよー」
ゴシゴシゴシゴシ
みどりは自分の使っていたタオルにボトルからボディーソープを出して泡立ててご主人さまの背中を洗い始めた。
「みどりさんの力加減はどうれすか?」
「ちょうどいいけど、んっ…やっぱりくすぐったいや」
「やっぱりご主人さまの背中は大きいれすねー」
「そうかな、でもそう言ってもらえるのは嬉しいかな」
「大きくて広くて、みどりさんはこの背中が大好きなのれす」
ぺたっ
「ん?何か背中に直に触れているような…」
「あー、みどりちゃんずるいのー!くるみもご主人さまにそうやって触れたいの」
「確かにこれは私もやりたいかな…」
サバンッ ジャバッ
くるみとあかねも湯船から出てきた。
「え?え?みどり、見えないけどどうやって僕に触れてるの?」
「ご主人さまの背中、スベスベだけど他のみんなには無い肌触りれすね」
スリスリスリ
「もしかして、僕の背中に頬ずりしてるよね?…ってうわっ」
「それならくるみはご主人さまのお腹なのーっ」
「私は…ご主人さまの頬をもらうよ…」
「えっ?えっ!?3人ともちょっと!?」
スリスリスリ スリスリスリ スリスリスリ
3人はめいめいにご主人さまの好きな場所を頬ずりして感触を確かめていた。
「ご主人さまの温もり…感じるよ…」
「ご主人さまのお腹、気持ちいいのー…」
「ご主人さまの背中、男の人らしいれす…」
「…どうしてこうなったんだろう…」
ご主人さまはただただ3人が気の済むのを待つだけだった…
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あとがき
お久しぶりです、雅です。
2年振りですね。かなり遅くなりましたが仁後さんの出産&このサイト4度目の閏日記念にこの作品を久々に。
このサイトも足掛け15年、閏日も実に4回目です。
さすがにもう今年中に完結させたいです。あと5話ほど続きますがお付き合いいただければと。
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2016・02・29MON
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