Three Color's Spa Diary [1](三色の温泉日記〔1〕)
「あかねさん、あかねさんにお手紙れすよ」
初夏のある日、みどりはあかねの許へと手紙を持ってきた。
「ん?みどり、ありがとう…どこから…あっ…」
「どうしたんれすか?あかねさん」
「いや、ちょっと…これはご主人さまに相談しないとだな」
「むむ、何れすか?」
「え?僕がどうかしたの?」
「ご、ご主人さま…あのちょっと…」
あかねはご主人さまへそっと耳打ちをした。
「え?うん…なるほど…凄いな、それは…」
「…だから、ご主人さまはどう思う?」
「そうだな…何歳以上なの?大人扱いになるのは」
「えっと…12歳かな…」
「ということはあかねがまだ11歳で子供に入るから、くるみより上が一人か」
「ご主人さまにあかねさん、いったい何を話してるんれすか?」
「ん?あ、これ…」
と、あかねが見せた物、それは…
「温泉の招待券れすか?」
「うん。親子4人行けるんだけど…」
「それれ、それは誰が行くんれすか?」
「あかねが当てたんだから、あかねは決定だな」
「あと…ご主人さまも保護者として…」
「それから誰れすか?」
「うん、だからそれをどうしようかと思ってさ」
「みどり…大丈夫だよね?」
「みどりさんれすか?みどりさんは大丈夫れすよ」
「それなら子供の枠は私たちでいいか…」
「それで、大人のもう一枠だけど…あかねはどうしたい?」
「うーん…みどりはどう思う?」
「みどりさんは、誰でもいいと思うれすけど」
「難しいな。まあこういうのを喜びそうなのは、ゆきさんかあゆみだよな」
「あと、らん姉さんも」
「あかねさん、食事はどうなってるんれすか?」
「食事?食事は…夕食と朝食で2食だけど…書いてある通りなら」
「それならくるみ姉さんはどうれすか?」
「なるほどね、家の食費もそれなら浮くかな」
「ご主人さまもみどりも、何気にひどいこと言ってない…?」
「でも、そっちの方がいいんじゃない?」
「確かにそうだけど…みんなが納得してくれるかな?」
「それは今日の夜相談してみるれすよ」
………
「私は構わないと思いますけど」 「いいわよ」 「そういうことなら構いませんわ」
「らんもそれなら構わないです」 「それならいいんじゃないかな」 「本当にくるみでいいの?」
「…やけにあっさり了承されたね、みどり」
「そうれすね、少し拍子抜けれした」
「よし、じゃあくるみを連れて行くよ」
「くるみ姉さんはいいんれすか?」
「くるみは構わないの。美味しい食べ物があればどこでも着いていくのーっ!」
「それじゃあ、ご飯が終わったらみどりとあかねとくるみは僕の所に来てくれるかな」
「はいれす」 「うん」 「はいなの」
………
「話って何れすか?」
「あかね、その券が使えるのはいつからいつまで?」
「えっと…6月の頭から7月12日・13日の連休までかな」
「なるほど、それじゃあその間のいつにしようか?」
「んー、ご主人さまの都合はどうなの?」
「土日だと…6月の14日からと21日から、7月の5日からのは大丈夫かな」
「それだと、天気が良さそうな日を選んだ方がいいれすけど…」
「まあでも入梅しちゃってるからさ、いつでも悪そうな気もするけどね」
「それなら…もう決めちゃった方がいいか」
「そうなの、こういう時はすっぱり決めちゃうべきなの」
「よし、じゃあ6月21日と22日。OKかな?」
「みどりさんはいいれすよ」
「私も特には問題ないと思う」
「くるみはいつでも構わないのーっ」
「それで決まりだね。あかね、連絡先とかはどこ?」
「あ…えっと、ここかな」
「うん、今日はもう遅いし明日かな」
「そうだね…ご主人さまお願いするよ」
「了解、それじゃあ行く準備は前日までに3人に任せておくからね」
「「「はーい」」」
………
翌日…
「はい、21日からの一泊二日で。大丈夫ですか?はい、それではお願いします」
ピッ
「どうだった?ご主人さま…」
「大丈夫だって、21日から22日に4人取れたよ」
「ありがとう…うれしいな」
「あれ?そういえばそこまでの交通費は?」
「大丈夫…きちんと旅行券も同封されてるから…」
「なるほど、でも4人分となると商店街も太っ腹だね」
「うん…早く当日にならないかな」
「そうれすね、ご主人さま、あかねさん」
「うわっ!みどりか。そうだね、僕としても楽しみだよ」
「そうなの、目一杯食べちゃうのーっ!」
「くるみ、少しは加減してね。向こうに迷惑をかけないくらいに」
「分かってるの…でも、きっと食べちゃうの」
「ま、それがくるみらしいところだけどね」
「そういえば、その温泉てどこれしたっけ?」
「あ、言ってなかったっけ。福島だよ」
「福島って雪がいーっぱい降る、あの県れすか?」
「そうだけど、もう今の時期は無いと思うよ」
「でも、本当に楽しみになってきたの」
「よし、日程もこれで完全に決まったしそれまではしっかり頼むよ」
「「「はーい」」」
「あ、そういえばご主人さま一つ質問なの」
「ん?どうしたの?」
「くるみ、子供に見られないか心配なの…あかねちゃんの方が大人っぽい気がするの」
「う…たぶん大丈夫だと思うけど…あ、いい方法があるけど…」
4人の日記はまだ始まったばかりである…
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あとがき
いやーP.E.T.S.を3ヶ月書いてないだけで書き方が分からない、雅です。
久々に書き始めました、そうしたら長くなりましてついには複数話形式に。
この後2回か3回続きそうです。
他のジャンルも平行して書きますので、気長に続きをお待ちください。
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2008・06・04WED
雅