Coda Equates to New Onset(終わりは新たな始まり〜愛緒美BSS〜)
「今年も…だったね…」
「そうですね…フフフ…」
もう毎年のことですっかり慣れている自分たちが少し悲しくなっている愛緒美と私。
「しかし、まさかこのお菓子だけでとは…」
テーブルの上には某社の新製品のチョコ(12個入り)が置いてあった。
「そんなに強くは無いですよね?これは」
「うん、でも未成年に食べさせるものでも無かったかな…」
「確かに…しょうがないですね」
「これくらいなら何とかなるかなとは思ったけど…うん、しょうがないか」
「それでは、片付けましょう」
「そうだね、あっ…」
「どうしました?ご主人さま」
「いや、1粒残ってるなって」
「どうします?ご主人さまが食べられますか?」
「そうだな…そうだ」
あむっ
私は残った一粒を徐に口へと入れた。
「愛緒美」
愛緒美は私の意図をすぐ理解したようで、少し顔を赤らめながら…
「はい…ご主人さま…」
ちゅっ…
私へとそっと口付けをした。
………
長い口付けを交わした後…
「これで半分ずつ…かな?」
「ご主人さま…恥ずかしい…」
「でも…こんなことをするのは愛緒美とだけだよ」
「えっ…えっと…はい」
「よし、じゃあ片付けよう」
「そうですね、ご主人さまは3人をお願いします」
「うん。そっちが終わったら…来るんだよね?」
「…えっと…」
「待ってるよ、愛緒美」
「はい…」
「よし、行動開始っと」
私と愛緒美はクリスマスパーティの片付けへと入った。
………
場所は変わって私の部屋…
ガラガラガラ
片付けが終わった愛緒美が着替えて私の部屋へと来た。
「ごくろうさま、愛緒美」
「ご主人さまも、おつかれさまでした」
「今年こそ迷惑掛けるつもりは無かったんだけどなあ…」
「それであのチョコだったんですね?」
「うん、でもあの程度でダメだったとはね…」
「もう来年からは禁止ですよ、ご主人さま…ううん、兄さん」
「えっ!?兄さんって…」
「フフフ、だって明日は私の誕生日ですから」
「うん、でもどうして急に?」
「何となくです…」
「う…何だか今日の愛緒美は積極的だな」
「ご主人さまがあんな物を食べさせるからです」
「え…もしかして愛緒美もさっきので…」
「少し…はい」
「…ま、いいか。そんな愛緒美も可愛くて素敵だからね」
「兄さん…」
チュゥゥッ
次の瞬間、私の唇は愛緒美の唇によって塞がれてしまった。
………
「明日は…あの場所でいいんだよね?」
「はい、お願いします」
「えっと…映画は何時だったかな?」
「確か2時半過ぎだったと思います」
「だったら…うん、向こうでご飯を食べたいし、11時前には出ようか」
「そうですね、兄さん」
「明日のためにもさ今日はもう寝よう…あれ?愛緒美、枕は?」
「え?あ…兄さん…」
「それならちょっと待ってて…えっと…あ、あったあった」
私は押入れから長枕を取り出した。
「これなら大丈夫かな」
「はい。でも、くっ付いて…いいですよね?」
「もちろんだよ、ほら寒いしさそろそろ休もう」
「そうですね、に・い・さん」
「そう言われると何だか恥ずかしいな…愛緒美」
「フフフ…でも外ではいつもですよ」
「いや、こうやって二人の時に言われると…さっ!」
ぎゅうっ ばさっ ばたんっ ばさんっ
私は愛緒美を抱え込むように蒲団の中に入れた。
「ご・ご主人さまっ!?」
「だって…私をずっとそんな言い方ってことは…」
「えっ…えっと…」
「愛緒美…寝ようか」
「ご主人さま、何だか眼が…」
「言っとくけど、私だって男だからさ」
「………」
「そういう風にされたら…ね」
「ご主人さま…」
「分かってる、今日はもう寝るだけだから。だって疲れただろ?愛緒美も」
「はい、雅裕兄さん」
「あのさ…遊んでる?もしかしてさ」
「クスクス…それはどうでしょう?」
「小悪魔みたいだな…今日の愛緒美はさ」
「あのチョコの所為です…きっと」
「愛緒美…」
「雅裕兄さん…」
チュゥゥゥゥゥッ
そのまま私と愛緒美は同衾しながら長い口付けを交わした…
「おやすみ、愛緒美」
「おやすみなさい、雅裕兄さん」
一つの終わりの日、それは新たな物の始まりを向かえる大事な日となった…
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あとがき
年末ですねえ…雅です。
オリジナル守護天使誕生日SS2007の3本目です。
もう、前日ネタで1本書けてしまう…よっぽどこういうのが好きなんだと。
クリスマス明けという誕生日という性質上…というのもあるんですがね。
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2007・12・26WED
雅