May's Time(皐月の時間)

「ふわーぁ、さて今日の守護天使は誰かな〜?」
最近悟郎はこれが楽しみなようである。
「ご主人様〜、おはようなの〜」
「うわっ!」
ドサッ
といいながらクルミが悟郎の布団に乗っかってきた。
「あー、クルミ姉さんずるいれすー」
「あー、ナナもナナもー」
「みんなけんかはやめなさい」
「「「はーい」」」
「あ、ご主人様お目覚めですか、おはようございます」
「あ、アユミおはよう。それと3人もおはよう」
どうやら今日はこの4人みたいだ。言うなればおっとり系かな、ナナを除くと。
クンクン
「あれっ、アユミ姉ちゃん今日も鍋焦がしたの?」
「うん、ちょっとね。やっぱりナナちゃんの鼻は騙せませんでしたわね。すみません、ご主人様」
「いや、いいよ別に。あ、ご飯出来てる?」
「はい、出来てますわ」
「ご主人様、早く食べようなの〜」
「そうだね、じゃ布団片付けるからミドリはテーブル持ってきて、ナナとクルミはアユミを手伝ってやって」
「「「は〜い」」」
 
「「「「「いただきま〜す」」」」」
しばらくして…
「あ、ミドリほっぺたにご飯付いてるよ、とってあげるね」
チュッ
…何も口で取らなくても…。
「ご、ご主人様、恥ずかしいれす〜」
でもその顔はどこかうれしそうだ。
「あ〜ご主人様ずるいの。クルミもやって欲しいの」
「ご主人様、私にも。ミドリちゃんだけなんてずるいですわ」
「ナナもー。ミドリ姉ちゃんだけずるいー」
と言っている三人の頬にはすでにご飯粒が付けられていた。
「うん、分かったよ」
チュッ チュッ チュッ
キスの三連発
4人はしばらくの間動けなくなった。
…………………………………
食事も終わりアユミが食事の片付けをしているときに
「今日は休日だし五人でどっか行こうか」
「わ〜い、賛成なの」
「ナナもー、早くお散歩行きたいー」
「ミドリもれすー」
キュッキュッ
「でもいいんですの?他の皆さんを置いていかれて」
「大丈夫だろう…たぶん」
「そう…ですわね」
「じゃ、どこに行きたい?」
「ナナお散歩ー」
「ミドリはどこでもいいれすー」
「公園でのんびりなんていいですわね」
「クルミはご飯があればどこでもいいの〜」
「こらこら、クルミちゃん」
「あ、アユミ今からお弁当作れる?」
「たぶん大丈夫かと」
「じゃぁお弁当もって公園にでも行こうか」
「「「「は〜い」」」」
…………お弁当作りも終わり(と言っても1/4はクルミの胃へと…)
「じゃ、行こうか」
「そうですわね、みんな準備は出来ましたか?」
「いいれすよ」
「はいなの〜」
「早く行こうよー」
……………そして公園で
「ナナ、行くよー」
「うん」
「それっ!」
悟郎はフリスビーを投げた。
タタタタタタ パクッ
ナナは悟郎が投げた瞬間に走りだし、空中で口でキャッチ。
「うまいですわね、ナナちゃん」
「すごいの〜」
「こんなことミドリは出来ないれすよ」
………しばらくすると
「ねぇ、お姉ちゃん達もやろうよぉ」
「いえ、私達はいいんですの。ナナちゃんもっと遊んでらっしゃい」
「だってー、ご主人様もう疲れちゃってるんだもん」
「ナ、ナナごめん少し休もうよ。もうお昼の時間だしさ」
「クルミもうお腹がペコペコなの〜」
「じゃぁその前に手を洗ってきてくださいね」
 
「「「「「いただきま〜す」」」」」
6人分のご飯(クルミは2人分)は終わり、
「ご主人様ー、また遊ぼうよー」
「ナナ、もう少し休もうよ、一緒に芝生の上で寝っ転がろ」
「うーわかった」
「あっちのほうが広くていいれすよ、ご主人様」
「そうだね、ミドリ。じゃぁあっちに行ってちょっと寝よ」
「「「「は〜い」」」」
ふぁーあ
 
グー スー カー
いつの間にか4人の天使は寝てしまっていた。
「(やっぱり五月ともなると暖かくていいなぁ)」
「(みんなの寝顔可愛いなぁ)」
 
そんなことを考えてるうちに時間は流れ
「おーい、みんな帰るよー、そろそろ起きてくれー」
クー スー
そんなことを言ってはみても、みんな深い眠りで起きる気配すらない。
「しょうがない、これで起こすか」
と言ってる顔が何だかうれしそうな悟郎。
チュッ×4 (口キス4連発)
「(みんな、唇柔らかいなぁ)」
やがて………
「うーん、よく寝ましたわ」
「クルミもぐっすり寝てたの〜」
「ミドリも気持ち良かったれすー」
「でも何だったんだろう、さっき唇に何だか乗っかってきたような……」
「(やばっ、ばれたかなぁ?)」
「確かにそうですわね…、あっ、ご主人様もしかして…」
「…………」
「ご主人様、やったんれすね」
「別にクルミ達は怒ってないの。だって……、」
「「「「大好きなご主人様だから」」」」
と言うと4人は寝ている悟郎に乗っかってきた。
「うわっ!」
「「「「ご主人様、だーい好きっ!」」」」
チュッ×4
4人は悟郎の頬にキスを浴びせた。
「うん、じゃぁ帰ろうか」
「「「「は〜いっ」」」」
 
家に戻ると
「あ、どうしましょう。家の中の仕事をなにもやっておりませんでしたわね」
「ま、今日はいいよ、誘ったのが僕だったしね。じゃ、今からみんなでやろうか」
「そうれすね、じゃぁミドリは買い物に行ってくるれす」
「クルミはお掃除なの〜」
「ナナもミドリ姉ちゃんと一緒に行ってくるね」
「それでは私はお料理を」
「じゃ、僕は洗濯するから。それでは行動開始!あ、ミドリ達はアユミに必要なものを聞いてから行ってね」
「「は〜い」」
 
皐月の温もりに心が癒された時間(とき)であった。
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2002・03・28THU
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