With Master on Fine a Day...(この日が終わるまで一緒に…〜紅玲菜BSS〜)

少しずつ温み始めたある日のこと…
「紅玲菜はまだだっけ?」
「何のこと…?ご主人さま」
「愛緒美はけっこう前に行ったし、杏珠も奏歌も去年に行ったけどさ」
「…あれのこと?」
「うん、どうかなって」
「ご主人さま…えっと…」
少し顔を赤らめる紅玲菜
「紅玲菜が望んでるなら…かな」
こくんっ
紅玲菜は言葉にはせずただ一つ頷いた。
「…分かったよ。でももう紅玲菜ももう17か」
「そうだね…もうあと3年で20歳だよ…」
「紅玲菜もだいぶ大人になってきたね」
「そ…そうかな?」
「少なくとも私はそう思うけど」
「ありがとう、ご主人さま…でも色々あったね…本当に」
「確かに君たちが来てから色々あったよなあ…どうだった?私と一緒に居た7年間って」
「…温かかった…かな。もちろん、これからもずっと…」
「温かかった…か、そう思ってくれて嬉しいよ」
と、紅玲菜が私の横へと急に寄り添って…
ぎゅうっ
「く・紅玲菜っ!?」
「温かい…ご主人さま…」
「紅玲菜ってば、胸当たってるって」
「ご主人さま…そんな無粋なこと言わないで…」
「で、でもさ…」
「アタシが良いって言ってるんだから…さ」
「女の子ってそういうものなの?」
「どうかな…?でもアタシだって、ご主人さまだから…」
「そう言うならいいけどさ、じゃあ当日はそれでいいんだね?」
「うん…いいよ」
「分かった。それじゃあ予約しておくよ」
 
そして当日の土曜日…
「準備は大丈夫だよね?」
「大丈夫だよ…どれくらいで着くの…?」
「そうだな、途中でパーキングエリアに寄ってくのも含めたら3時間くらいかな?」
「どこのサービスエリア?」
「栄になると思うけど…ま、気分でだよ」
「分かった…今日はお願いね…」
「ゆっくり…楽しもうな」
そして車は高速道路へと進んでいく…
………
高速道路上で…
「そういえば…何で最初にそこの温泉に決めたの…?」
「いや、愛緒美のに行くことになった時にさ、ちょうどそこの温泉がテレビで紹介されてたんだよ」
「そうだったんだ…でも三人ともこのこと言ってた時、恥ずかしがってたな…」
「そうだろうなあ…」
「他のみんなはどうだったの…?」
「えっと…確か愛緒美は、なかなか浴場にも入れないほど恥ずかしがってたな…」
「そうなんだ…」
「順番からしたら次は奏歌か。奏歌は一緒に入ったからそうでもなかったけど…」
「やっぱり恥ずかしがってた…?」
「少しはね。杏珠は愛緒美ほどじゃないけど、風呂に入るのは少し躊躇ってたかな」
「そっか…」
「さすがにご主人さまとはいえ、裸を見られるのは恥ずかしいんだろう?」
「当たり前だよ…アタシだってそうなると思う…」
「楽しみにしてるよ、ってこれじゃただの変態か」
「ご主人さまっ!」
「ゴメンゴメン…あ、そういえば意外だったかな」
「え…?」
「紅玲菜がこれの最後になるなんてさ」
「そうかな…確かに最年長だけど…」
「ま、いいさ。そんなこともう関係無いし」
「そうだね…ご主人さま」
「お、そろそろサービスエリアだ。ちょっと寄るよ」
「うん…」
 
そしてここは貸切の家族風呂…
「ちょっと意外だったな、色々とさ」
「アタシのこと…?」
「だって、こんなにすぐに入ってくるとは思わなかったよ」
「…恥ずかしがってたってしょうがないから…雅兄」
「それもそうか。でも本当にさ…その…なんだ…」
「雅兄…眼が少し妖しいよ…」
「男なんだから、しょうがないだろ」
「アタシの身体…どうなの?雅兄から見て…」
「どうって…見惚れるくらい綺麗だよ」
「え、えっと…ありがとう…」
「でもさ…」
ぎゅうっ
「ま、雅兄っ!?」
私は湯船の中の紅玲菜の身体を引き寄せた。
「それ以上に可愛いよ、とってもさ」
「恥ずかしいよ…そんなこと言われると…」
「ほら、タオルはとってさ。どうせ私たちしか居ないんだし」
「そんなこと言われても…」
「どうせあとでもっと…さ、だからさ」
「…雅兄の…エッチ…」
「ああそうさ、そういう風に言うとここで襲うよ」
「それは部屋に戻ってから…今日はずっと一緒に…」
「わ、分かってるよ」
「あ、雅兄の顔…紅くなった…」
「そう言う紅玲菜だって紅いぞ」
「また入れるんだよね?熱くなったし…お風呂一旦上がろうよ…」
「そうだな、それじゃあそろそろ上がって身体洗おうか」
「うん…雅兄」
ザバッ ジャバンッ
私と紅玲菜の二人はこの日が終わるまで同じ蒲団の中で互いの温もりを感じあっていた…
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あとがき
年度末ですねえ…雅です。
オリジナル守護天使誕生日SS2007のラストです。
紅玲菜にも…ということで書いてしまいました…よ。
年齢設定した時には思いもしませんでしたが…早いなあ時が経つのは…
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2008・03・15SAT
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