Eternity Emotion(永久〔とわ〕への想い)
それは、元日の朝…
「「「ご主人さま、明けましておめでとうございまーす」」」
「明けましておめでとう、みんな」
私と守護天使3人は一緒の炬燵に入っていた。
「おっせち、おっせち〜」
「杏珠…やっぱり今年も食べる事ばかりか…」
「むー、紅玲菜お姉ちゃんっ」
少し膨れっ面になる杏珠。
「まあまあ紅玲菜姉さんも杏珠もその辺で止めましょ」
「そうだよ、二人とも」
「はーい」
「はい…ご主人さま」
「それじゃあおせちを持ってきてくれる?愛緒美」
「分かりました、ご主人さま」
カタン トントントン
愛緒美が台所から持ってきたお重の中には、綺麗に詰められたおせちが入っていた。
「それじゃあ食べようか」
「うー、早くー」
「うん、じゃあ…」
「「「「いただきまーす」」」」
おせちも食べ終え…
「おせちも食べ終わって片付け終わりましたし…これからどうします?ご主人さま」
「そうだなあ…それじゃあ初詣にでも出ようか」
「それもそうだね…ご主人さま」
「でもきっと、混んでるよ〜」
「まあそんな大きな神社に行くわけじゃないから、大丈夫だよ杏珠」
「それでは、行く準備にしましょう」
「うん、そうだね」
15分後…
「みんなー、準備はいいー?」
「大丈夫だよっ!」 「大丈夫です、兄さん」 「大丈夫…雅兄…」
「じゃあ、3人とも車に乗ってね」
「うんっ!」 「はい」 「うん…」
………
がちゃんっ
家の鍵を掛けて…
ばたんばたんばたんっ
私と守護天使3人は車へと乗り込んだ。
「よし、じゃあ出るからね」
ブルン ブルルルルル…
車は近くの神社へと向かって走り出した。
「う…意外にこれは、予想していたより混んでたな」
近くにある小さな神社に来た4人であったが、神社は予想より遥かに混んでいた。
「雅裕お兄ちゃん、早くー」
「ちょっと待って、杏珠」
「えー…うんっ分かった」
「どうします?兄さん。このままだとみんな迷子になりかねませんし…」
「うーん…そうだなあ…」
「雅兄………………は…どう…?」
「…それしかないか、紅玲菜」
「えっ、どんな方法なのですか?紅玲菜姉さん」
「どうするの〜?紅玲菜お姉ちゃん」
「………………………ってこと…だよ…」
「確かにそれが最善ですけど…」
「いいの?お姉ちゃん、杏珠がそこにいても」
「しょうがないよ…それが一番なのだからさ…」
「よし、じゃあそれで行こうか」
「「「はい」」」
「じゃあ杏珠、コートの中に入って」
パツンパツンパツンっ
私はコートのボタンを外した。
ぽふっ
そして杏珠がコートの中に入ったところで…
パツンパツンパツンっ
私は再びコートのボタンを付け直した。
「温かいよっ、雅裕お兄ちゃん」
コートの中から顔だけを出した杏珠がそう答えた。
「そうかい?杏珠」
「…いいな…兄さんのコートの中に入れるなんて…」
「…確かに…雅兄のコートの中…」
「しょうがないなあ、後で紅玲菜も愛緒美もしてあげるからさ」
「え、いいんですか?兄さん」
「いいの…?雅兄」
「うん、でもお参りしてからね」
「はい」 「うん…」
「じゃあ…」
私は左腕を紅玲菜、右腕を愛緒美の前に差し出した。
「はい…兄さん」
「…雅兄…」
ぎゅっ ぎゅうっ
二人は私が差し出した腕を、離れないように抱き寄せた。
「よし、行こうか」
「「「はいっ」」」
………
この作戦が功を奏したか、無事に4人で賽銭箱の前へと来る事が出来た。
チャリンチャリンチリンっ パンパンっ
「(ご主人さまをちゃんと守れますように…それから美味しい物を一杯食べられますようにっ)」
「(ご主人さまをきちんと守護できますように…そして今年も4人仲良く過ごせますように…)」
「(ご主人さまを…しっかりと守護できますように…あとは…家事の能力が…もっと上がりますように…)」
「(いつまでも愛緒美・紅玲菜・杏珠を想い護りて過ごせますように…そして編入試験が合格出来ますように)」
4人とも2つ目の想いは違えど、1つ目の想いは変わらない…。
「お願いは終わったかい?愛緒美、紅玲菜、杏珠」
「うんっ!」 「はい」 「ああ…」
「よしっ、じゃあ帰るよ。またさっきみたいにして行くから…杏珠、入って」
「うん、分かったっ」
「じゃあ…はい紅玲菜、愛緒美」
「はい、兄さん」
「ああ…雅兄…」
ぎゅうっ ぎゅっ
結局、さっきと同じ体勢になって車へと戻った4人であった…。
元日に 神に願いし この想い 「永久(とわ)に一緒に 居られるように」
まだまだ年は始まったばかり、受験やら卒研なんかがあるけれどこの3人が居てくれるのなら…何だって乗り越えられると思う。
この3人の笑顔とそして…
「「「ご主人さま、今日はありがとうございました」」」
チュッ チュッ チュッ
この唇のお守りが私にはあるのだから…。
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あとがき
今回で日常の話としては4本目となりました、オリジナル守護天使のSSです。
正月からするとまるまる一週間遅れとなってしまいましたけど…。
今年でSSを書き始めて4年目になりますか…。
今年も頑張りますっ!
今年も当HPをよろしくお願いします〜!
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2004・01・08THU
雅