Master's Birthday(ご主人さまの誕生日)
明日から3連休となる日のこと…
「んーっ、いい朝だなぁ」
私はいつもと同じ時間に目を覚ました。
「ご主人さま…おはよう…」
「おはよう、紅玲菜」
「あ、ご主人さま起きてられたのですか、おはようございます」
「あ、おはよう愛緒美」
クー スー
私の横ではまだ杏珠が寝息を立てていた。
ツンツン
私はそんな杏珠の頬を優しく突いた。
「う、うーん…あ、おはようご主人さま、お姉ちゃん」
「おはよう…って杏珠、そっちには誰もいないよ」
杏珠は寝ぼけ眼で、まったく違う方向に挨拶をしていた。
「あ、ごめんなさいご主人さま」
「ま、いいよ。朝ご飯は出来てるのかな?」
「はい、ご主人さま。今日はご主人さまが好きな鱈の子もありますよ」
「朝ご飯食べようよ…ご主人さまも早くしないと…学校に遅れるよ」
「それもそうだね、それじゃあ杏珠も早く着替えてね、ご飯にしようか」
「はーい」
「「「「いただきまーす」」」」
「モグモグ、ゴクゴク、愛緒美お姉ちゃんご飯おかわり〜」
「まぁまぁ杏珠ったら、はい杏珠」
「ありがとー」
「あれ?醤油はどこ?」
「はい…ご主人さま…」
「あ、ありがと紅玲菜」
「ご主人さま、お茶です」
「ありがとう、愛緒美」
「杏珠…そんなに急いで食べると…喉に…」
「…んっ!…んぐっ!うぐっ!」
「ほら…言わんこっちゃない」
「はい杏珠、水だよ」
「ごくっごくっ…あー助かったよー、ありがと〜ご主人さま」
朝の食卓からはそんな賑やかな声が消えることはなかった。
「それじゃあ、学校行ってくるね」
「「「いってらっしゃ〜い!」」」
バタン
「それじゃあ用意を始めましょ」
「そうだね…愛緒美…」
「うん、ご主人さまが帰ってくる前にねっ!」
〔えっ?何の事だって?今日は5月2日、ご主人さまの誕生日なのだ。〕
「それじゃあ杏珠は部屋のお掃除をするね」
「あたしは買物に行ってくるよ…」
「このメモに書いてある物をお願いします、紅玲菜姉さん」
「うん、分かった…といってもまだ店は開いてないから…洗濯でもするかな」
「それじゃあ私も、食器洗いをしてから準備を始めよっと」
「杏珠は〜…あ、ゴミ捨てに行ってくるね」
「行ってらっしゃい、杏珠」
3人は思い思いの準備に入った。大好きなご主人さまを想いながら…。
夕刻になって…
「ただいま、みんな」
「「「おかえりなさ〜い、ご主人さま」」」
「ん?何だい、今日は豪華なご飯だね」
「ご主人さま…今日が何の日か忘れたのかい?」
「え…今日は5月2日…あ、私の誕生日かぁ」
「そうだよ、ご主人さまお誕生日おめでと〜」
「お誕生日おめでとうございます、ご主人さま」
「誕生日おめでとう…ご主人さま」
「ありがとう…みんな」
「ご主人さま、さぁご飯を食べましょう」
「うん、そうだね」
「うわぁ〜い、ご馳走だ〜いっ」
「こらこら杏珠…これはご主人さまの為の料理なんだからさ…」
「まぁいいよ、食べようよ」
「そうですね、でもその前にろうそくを消して下さい、ご主人さま」
「うん」
テーブルの真ん中に置かれたケーキには、1本の太い蝋燭と9本の細い蝋燭がささっていた。
カチッ ポッ
その10本の蝋燭に炎が燈された。
「そうだ、みんなで一緒に吹き消そうよ」
「でも…いいのかい?ご主人さまの誕生日なのに…」
「いいんだよ紅玲菜、私の可愛い天使が用意してくれたものだからさ」
4人が席について…
「それじゃあ…」
「「「「せーのっ!」」」」
フーーーッ
4人は一斉に炎を吹き消した。
「「「ご主人さま、お誕生日おめでと〜」」」
「ありがとう、杏珠、愛緒美、紅玲菜」
「はいご主人さま…プレゼント…」
「ありがとうみんな、開けていいかい?」
「いいよーご主人さま〜」
パカッ
「えっ…これは…手作りかい?」
「はい。杏珠がカップで私が小鉢で紅玲菜姉さんがお皿を作ったんです」
それは、きれいに彩られ、それ以上に3人の心の込められた3つの食器であった。
「ありがとう…みんな…大好きだよ…」
チュッ チュッ チュッ
私は3人それぞれに、心を込めて口付けをした。
「みんな、食べようよ。せっかくの料理が冷めちゃったら不味くなるしさ」
「「「は〜い」」」
食卓からその日、楽しい話し声が消えることはなかったという…。
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あとがき
2本目となりましたオリジナル守護天使のSS、いかがだったでしょうか?
今回は私、作者の誕生日が近くなりましたので私の誕生日SSとさせていただきました。
プレゼントがなかなか決まりづらかったなぁ…。
次は6月のイベント…何にしましょうか?(笑)
ではでは〜。
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2003・04・12SAT
雅