Sleep Topaz(黄玉の眠り)
それは朝のひととき。
「ひー、ふー、みー、よー、いつ、むー、なな、やの、ここの、とー、じゅーいち…あれ?一人足りない…。
ラン、ユキさん、ルル、モモ、ナナ、ミドリ、タマミ、ミカ、アカネ、アユミ、ツバサ…あ、クルミがいないのか…。あ…」
クー スー
部屋のすみに移動されていた布団にまだ寝ているクルミがいた。
「なーんだクルミ、まだ寝てたのか、いつもならご飯の時間には起きてるのに」
悟郎はクルミに添い寝をした。
「あーおいしそなケーキなの〜」
ガブッ
「・っ!」
悟郎は寝ぼけているクルミに思いきり左腕をかまれた。
「あれ〜?甘くないの〜」
悟郎はちょっと手を上げようとしたが、可愛いクルミの寝顔を前にそれは出来ず、その手をそっとクルミの頭の上に置いた。
しばらくするとようやくクルミは起きた。
「あ、ご主人様、おはようなの〜」
「おはよう、クルミ」
「ご主人様〜、クルミ朝御飯食べたっけなの」
「だってもう10時だよ、みんなもう終っちゃってるよ」
「だってクルミ、夢の中でいっぱい、い〜っぱい、食べてたからなの。でも…、」
「でも?」
「ケーキが甘くなかったの」
「そ…それは…」
ちょっとだけ苦笑いをする悟郎。
「もしかしてご主人様、何か知ってるの?」
「だって、僕の腕を噛んでたから」
悟郎の左腕にはクルミの噛んだあとがしっかり残っていた。
「え、ご、ご主人様、ごめんなさいなの」
「いいよ、謝らなくて。可愛い寝顔だったよ、クルミ」
チュッ
悟郎はみんなが見ているにもかかわらずクルミにキスをした。
「クルミ、御飯どうする?」
「クルミ、お腹ぺこぺこなの〜」
「じゃ、久し振りに僕が作ってあげるよ」
そして悟郎は料理を始めた。それは落ち葉舞散る11月のことであった…
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2002・02・12TUE 初版公開
2002・08・13TUE 修正第1版公開
雅