Sapphire's Smile(青玉の微笑み)

それはまだ暑さが残る9月の夕刻のことであった。
ガチャッ
「ご主人様、お帰りなさいませ」
「あ、アユミ、ただいま。あれ、他のみんなはどっか行ってるんだね」
「はい。今お茶をお入れしますわ」
「うん、じゃぁもらおうかな」
アユミはお茶のセットをし、リビングへと持ってきた。
コポポポポ ゴクッゴクッゴクッ
「あー、やっぱりアユミのいれるお茶はおいしいよ」
「ありがとうございます。今日はお疲れのようでしたので少し甘めにしてみましたけど」
「うん、ちょっとね。久しぶりに重労働をしてきてね」
「そうなんですか…私達なんかのために…」
「何だよアユミ、別にアユミが落ち込むようなことないじゃないか」
「で…でも…」
「いいんだよ、だって大好きなみんなのためだもの」
「は…はぁ…」
アユミがもう1杯悟郎にお茶を入れたその時、
フッ
突然部屋の明りが全て消え去った。
「キャッ」
アユミは悟郎に抱きついた。
「大丈夫だよアユミ、僕は絶対にここにいるからさ」
「ご主人様…私…怖いです…」
アユミの腕の力は一層強くなっていった。悟郎はアユミを安心させるためにアユミを抱きしめてやった。二人はその体勢のまま横になった。
「ご主人さ…」
チュッ
悟郎はアユミの言葉をさえぎるようにキスをした。
「ね、大丈夫だろ」
「はい…」
それから少しすると電気は復活したようだったが、悟郎とアユミはその状態でずっと寝ていた(無論抱きあったまま)。 その後悟郎がミカにギャンギャン言われ、色々と約束させられたのは言うまでもない…
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2002・03・05TUE 初版公開
2002・08・13TUE 修正第1版公開
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