Peridot's Voice(橄欖石の声)
「ご主人様ー、お散歩行こっ!」
真夏のある日の夕方ちょうど帰っていた悟郎はナナにそうせがまれ…
「うん、そうだね、行こうかな」
「わーい、早くーっ」
「そんなに急かすなよ、ナナ」
と、二人は河川敷へとむかって行った。
「やっぱり河川敷は涼しくていいね、ナナ」
「うん、ご主人様」
ナナは満面の笑みで答えた、よほど悟郎との散歩が楽しいのだろう。
「じゃ、いくよ、ナナ」
「いいよ、ご主人様」
「じゃ、それっ!」
シュッ タタタタタタ パシッ
と、悟郎が投げたフリスビーをナナはダイビングキャッチをした。
「じゃ、もう一回いくよー」
「早くー」
「それっ!」
遊びを一時間ぐらいした後
「え…ま…まだやるのー?僕もう疲れたんだけど」
「ご主人様ー、もっともっとー」
と、せがむナナに
「ちょっと休もうよ、ナナ」
「う〜、うんわかった」
二人は河川敷をちょっと上がった芝生の上に寝っ転がった。
夕方といえども今は真夏。芝生の上はまだ暑い。
「あ、ご主人様」
「何だい?ナナ」
「ほら、あそこ、一番星だよ」
「ほんとだ、よく見つけたね」
「明日も一緒に、あの一番星見よっ」
「うん」
しばらくして寝てしまったナナの唇に
チュッ
悟郎はやさしく口付けをしてあげた。それは星々がとてもきれいに輝いていた8月の暑い夕方のお話であった…
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2002・03・19TUE 初版公開
2002・05・31FRI 修正第1版公開
2002・08・13TUE 修正第2版公開
雅