Green Day(みどり色の日)
「あー、今日は休みでいいなぁ」
ご主人さまは久しぶりの祝日に、ご飯を食べ終えてゆっくりしていた。
ここのところある事のために別のバイトもしていたため疲れていたのだ。ある事とは十日程前に……、
「ご主人さま、ちょっといいですか?」
「何だい?らん」
「あの…もうすぐ…みどりちゃんの誕生日なんですけど」
「あ、そうだったね」
「なのでみどりちゃんへのプレゼントをお願いできませんでしょうか」
「いいよ。でも何がいいかなぁ?」
「……あ、……にしませんか?ご主人さま」
「うん、それにしよう」
とそこに、
「何を話してるんれすか?」
突然みどりがやってきた。
「な、何でもないよ、みどり」
「何でもないわよ、みどりちゃん」
「うーん、怪しいれすねぇ、みどりさんがじっくり観察するれす」
そして話は戻って本日。
「みどりー」
「なんれすか?ご主人さま」
「ちょっと一緒に買い物行かない?」
「何か観察できるれすか?」
「あ、そうだ。今デパートで世界の昆虫展をやってるからそれにでも行こうか」
「はいれすぅ」
みどりは目を輝かせながらそう言った。
「じゃ、行こうか」
「はいれす」
そうして二人は出かけていった。出がけにご主人さまはらんにウィンクをした。もちろんそれは準備しといての合図であった。
昆虫展では、みどりはもう目を丸く、そして輝かせていろいろな昆虫を観察していた。無論、周りには変な目で見られていたであろう。女の子だし……。
一緒にお昼ご飯を食べた後に…
「じゃ、今度は公園にでも行って日向ぼっこでもしようか」
「いいれすね、行くれす」
そして家の近くの公園で2・3時間ぼーーーーーっとしていて帰り際の4時頃に準備出来たの電話がご主人さまの携帯に入ってきた。
「じゃ、帰ろうか」
「はいれす」
家に入ろうとした瞬間
パパパパパパパパパパパーン
「「「「「「「「「「「みどりちゃん、お誕生日おめでとー」」」」」」」」」」」
ポカーン
あっけにとられているみどり。しばらくしてみどりが開口一番、
「ほえ、今日は誰の誕生日なんれすか?」
ズルッ×12
(正直言ってこの天然ボケにはかなわない…。)
「ってみどり、あんたの誕生日でしょ!」
みかが少しキレ気味にそう言った。
「ほえ…そうれしたっけ…、今日は4月29日れすよね…みどりの日れす…あっ、みどりさんの日れすね」
「そうだよ。みどり、誕生日おめでとう」
「ありがとうれす〜」
「それじゃぁ、パーティを始めるの〜」
「くるみお姉ちゃんは早く食べたいだけなんでしょ、まったく」
「それじゃぁ始めよっ、ねっ!」
それからパーティは延々と夜まで続いた。パーティも潮時になったとき、
「はい、みどり。これプレゼントだよ」
「中身はなんれすか?」
「それは開けてみてからのお楽しみだよ、みどり」
その箱の中には……
「うわぁ…これほしかったんれす〜。ありがとうれす〜」
双眼鏡と小型の望遠鏡が入っていた。
「ご主人さま、これおれいれす」
チュッ
みどりはご主人さまの頬にキスをした。
「「「「「「「「「「「えーーーーーーーーーーー!?」」」」」」」」」」」
最後の最後にみんなの叫び声が聞こえたそんな一日だった…
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2002・04・26FRI 初版公開
2002・08・13TUE 修正第1版公開
2002・09・03TUE 修正第2版(改題)公開
雅