Emerald's Sleeping Face(翠玉の寝顔)
それは5月のある日のこと
「あれ、他のみんなはどうしたの、ミドリ」
帰ってきた悟郎はミドリ以外に誰もいないことに気づいた。
「ラン姉さんとユキ姉さんとアユミ姉さんは買い物れ、モモちゃん、ルルちゃん、ナナちゃんは遊びに行ってて、ツバサ姉さんは走りに行ったれす〜」
「じゃ、ミドリ一人だけか」
「はい、そうれすけど」
「んーとじゃあミドリ、ちょっといっしょに昼寝でもしようか」
「えっ!なんれれすか?」
「僕ちょっと疲れてるし、ミカとかルルとはよくいっしょに寝るけどミドリと寝たことなんてほとんどないだろ。それに…」
「それに、なんれすか?」
「それに、ミドリが可愛いかられす〜」
「ご、ご主人様、マネしないれください、恥ずかしいれす〜」
ミドリの顔は真似された上に可愛いと言われ真っ赤になっている。
「じゃ、寝よっか」
「はいれす」
悟郎は毛布と枕だけを出して横になり、ミドリを横に寝かせた。
「…ご主人様〜、くっついていいれすか?」
「いいけど、ミドリ。でもどうしたんだい?さっきはあんなに恥ずかしがっていたのに」
「…寂しかったんれす」
「えっ!?」
「さっき、誰も居なくて。本当はとっても寂しかったんれす〜」
「そっか」
悟郎はミドリの頭の上にそっと手を置いてやった。
…………………………
しばらくするとミドリは安心したのか悟郎の腕の中で眠っていた。
「可愛いよ、ミドリ」
チュッ
悟郎はただ一言そう言い、そっと唇を付け、再び眠りについた。
しばらくしてみんなが帰ってきた時この光景を見てびっくりしたのは言うまでもない。
でもとっても微笑ましい光景だったと後でランやアユミにそう聞かされた…
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2002・01・29TUE
雅