Pastel Blue's Air(白群の空気)

それは新年も5日が経った頃の朝の光景…。
ユサユサ
「ご主人さま、起きてよねっ!」
「え…うーん、何だいつばさ…、まだ朝6時じゃない」
「今日が何の日か分かってるよね?」
「えっと…1月5日だから…あ、つばさの誕生日か」
「だから走りに行こうよ、ご主人さま」
「えー、こんなに寒いのにかい?」
「ボク、ご主人さまと一緒に走りたかったのになぁ…ぐすっ…ボクなんか…」
つばさは少し表情を曇らせて涙を零し始めた。(嘘泣きで。)
「うん、分かったよ。じゃぁちょっと待っててね」
つばさのその表情には、さすがのご主人さまもおれるしかなかった。
「やったぁ!」
ご主人さまはみんなを起こさないようにそっと準備をして、つばさと一緒に家を出た。
 
実は部屋の中で起きていたあゆみとみか、
「つばさちゃんも、なかなか策士になりましたわね」
「だって、みかが昨日つばさに『男は女の涙に弱い』って忠告しておいたから」
「み〜か〜ちゃ〜ん…ってまぁいいですわ、それでは私達も準備をいたしましょう」
「そうね…でも新年明けたばっかりで…部屋の飾りつけも正月のままだしねぇ…」
「ま、それは私達の力で何とか致しましょう」
「それもそうね」
二人はとりあえずくるみ以上の守護天使を起こして、パーティーの準備をし始めた。
 
さすがにつばさは走りなれているせいかやっぱり速い。ご主人さまはついて行くのがやっとだった。
「つばさー、待ってくれー」
「ご主人さま、遅いよー」
「はぁっ、はぁっ。ちょっと休もうよー」
「でもこんな所で休んでたら寒いよ、ご主人さま」
「じゃぁ…あそこのコンビニまで行って休もうよ」
「うーん、うんじゃぁそうしよ!」
二人はコンビニまで走っていった。
 
「何を飲む?つばさ」
「え、うーんとね、温かい飲み物なら何でもいいよ」
「じゃあココアでいい?」
「うん」
「あと、朝ごはんも買っていくけど、何にする?」
「えっと…じゃあこのパンとこのパンにしよっと」
「じゃあ会計してくるよ」
「うん、分かったよご主人さま」
買い物も終わり、
「それじゃあ、あの河川敷まで走ろっ!」
「そうだね、あそこには休憩所もあるしね」
「じゃあそこで朝ごはんだね」
「それじゃあ行こうか」
「うん」
つばさは満面の笑みで答えた。
 
タッタッタッタッタッタッ
「フー、着いたねご主人さま」
「そうだね、つばさ」
「じゃあ朝ごはんにしようよ」
「うん、僕もお腹ぺこぺこだよ」
プシュッ
二人で缶を開けて…
「つばさ、お誕生日おめでとう、カンパーイ」
「ご主人さまありがとっ!カンパーイ」
ゴクッゴクッ
「プハー、運動したあとだから美味しいや」
「うん、ご主人さま。あ、ご主人さまが飲んでるのも飲んでみたいな」
「これかい?別にいいけど、はい」
「じゃあ、はいご主人さま」
「ありがと、つばさ」
ゴクッゴクッ
「美味しー、ありがとご主人さま」
「………」
ご主人さまは何かを悟ったのか、顔を赤らめてしまった。
「え、ご主人さま、やっぱり飲んじゃまずかった?」
「いや、そんな事じゃないんだけと…さっきのって間接キス…
「う…確かに…」
つばさは一瞬にして顔を紅潮させた。
「でもまあいいか、僕の大好きな天使のしてくれた事だし」
「ご主人さま、そんな事言わないで、ボク恥ずかしいよ」
さっき紅潮させた顔を、さらに紅くしながらつばさは言った。
 
ご飯も終わり、
「それじゃあ行こうか」
「え、どこに?」
「どこってつばさ、誕生日プレゼントはいらないのかい?」
「あ、忘れてた」
時計の短針はもうすでに9を指していた。
「それじゃあ行こうか」
「うん」
二人はデパートへと向かっていった。
 
デパートで、
「やっぱり混んでるね、ご主人さま」
「だってまだ、1月5日だもん」
「あ、ご主人さまもしかして、あれを買ってくれるの?」
「あ、やっぱり分かっちゃったかな」
「うん、だってずっと前からご主人さまにおねだりしてたもん」
二人は靴売り場へと向かった。そこにはペアのスニーカーがおいてあった。
それを買い終え、早速履いてみるつばさとご主人さま。
「うわぁ、ぴったりだよご主人さま」
「僕もだよ、何か二人に誂えたみたいだね」
そのペアはまるで二人が買うのを想定していたかのようにぴったりだった。
 
デパートを出て、
「ご主人さま、今日は本当にありがとっ!」
チュッ
つばさはお礼にとご主人さまの唇にキスをした。
「じゃぁ帰ろうか」
「うん」
二人は仲良く家へと戻っていった…
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
あとがき
今日は…テスト2日前です…。
(勉強しろよ自分。)
今回の作品は半PHS執筆です。
PHSの方がよく書けるとは…。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
2002・12・01SUN
短編小説に戻る