Bloodstone's Power(血玉石の力)

今日もジュンは見習い守護天使としてお勤めをはたしていたが…、
「はぁー、今日も失敗ばっかりだったなぁ」
と落ち込むジュン。今日も勢い余って洗濯物を破いてしまったのだ。
ポンッ
「どうしたの?ジュン。何か元気ないね」
とご主人さまは後ろからジュンの肩に手をかけた。ジュンはびっくりして…
「あ、ご、ご主人さま。いえ、何にもありませんよ」
「でも、元気はなさそうに見えるけど」
「やっぱりそう見えますか……」
「僕に相談したっていいんだよ。何か悩み事あるんでしょ」
「はい……」
「じゃ、話してみてよ」
「はい…、あたしは見習い守護天使としてここに来たんですけど、失敗ばっかりで…」
「……だけど今は別に気にすることはないよ、まだ本番じゃないんだからさ」
「で、でも…ご主人さま達に迷惑がかかってる気がして……」
少し泣きそうになるジュン。
「そんな、泣きそうにならないで。誰でも最初は失敗ばっかでそれでみんな成長していくんだから」
「……そうなん…ですか?」
「うん、ラン達だって最初は朝食にミジンコとか出してきたんだから」
「クスッ、そうなんですか」
ようやくジュンは笑顔を取り戻した。
「そう、そうだよ。その笑顔っていうのは大切だからね。誰だって笑顔は大好きだよ」
「はい、これからはいつもご主人さまを笑顔で向かえられるように頑張ります」
「じゃ、これからも頑張れるためのおまじない」
チュッ
「ご、ご主人さま…」
「じゃ、これからも一緒に頑張ろうね」
「は、はい」
それは周りも少し変わり始めた3月のある日のお話であった…
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2002・03・23SAT 初版公開
2002・06・06THU 修正第1版公開
2002・08・13TUE 修正第2版公開
2005・07・15FRI 修正第3版公開(改題含む)
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