Aquamarine's Melody(藍玉の音色)

「ふわーあ、こんな時間に目が覚めちゃったなぁ」
時間は朝6時、みんな…じゃないか。一人起きようとしているのを除けばまだみんなは寝ている。
「う、うーん。あれ、おはようご主人様。起きてたの?」
「あ、ツバサ、おはよう。うん、ちょっと早く目が覚めちゃって」
「じゃぁご主人様、ちょっと一緒に走ろうよ」
「うーん、うん、そうだね。じゃ、久しぶりに走りに行こうか」
「じゃ、10分後に行こっ!」
「うん」
悟郎はとりあえずパジャマから着替えて、小銭とあるものを持ってみんなを起こさないようにそっと外に出た。
…………………………………………………
さすがにツバサは走りなれているせいかやっぱり速い。悟郎はついて行くのがやっとだった。
「ツバサー、待ってくれー」
「ご主人様ー遅いよー」
「はぁっ、はぁっ。ちょっと休もうよ、ここでさー」
「しょうがないなぁ、じゃぁあそこの公園にしようよ、もう少しだからさ」
「じゃ、ちょっと待ってて。僕そこの自販機で飲み物買うからさ。ツバサ、何がいい?」
「うーん、スポーツドリンク系がいいな」
「うん、わかった」
悟郎はそこで飲み物を買って公園へと向かった。
「はい、ツバサ」
「ありがとっ、ご主人様」
ゴクッゴクッゴクッゴクッ
「あー、生き返ったー」
「うん」
「そういえば、ツバサ」
「何?ご主人様」
「さっきからツバサうれしそうだね。何だかずいぶんと張り切ってるし」
「だって大好きなご主人様と一緒なんだもん」
「そっか」
「ここにいるのご主人様だけだし、ちょっと歌おうかな」
「やっぱりそうきたね、じゃ、伴奏するよ」
と悟郎はポケットからいつものハーモニカを取り出した。
「やっぱり持ってきてたんだ。じゃぁお願い、ご主人様」
悟郎とツバサは一緒に桜降りゆく3月の空へと水色の音色を奏でていった。
「きれいな歌をありがとう、ツバサ。
「ご主人様こそ、伴奏ありがとね」
チュッ
二人は軽く口づけを交わした。
(…但し帰るともうすでに8時になっていてみんなが恨んだ目で朝食を待っていた…)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
2002・03・05TUE 初版公開
2002・08・13TUE 修正第1版公開
短編小説に戻る