Sunday Afternoon(日曜の午後)

それは6月の最初の日曜日のこと…
時計の針はすでに午前10時半を指していた。
「ご主人たま…遅いお…」
るるはご主人さまのことを待っていた。ご主人さまは昨日から徹夜を必要とする仕事に駆られていた。
「ご主人たま…るるたんとの約束…忘れたんらお?」
どんどん切なくなっていくるる…そして…
「うわああああん…ご主人たまぁぁぁぁぁ…」
ざーーーーーーー
るるは堰を切ったように泣き出してしまった、それに伴って降り出す雨。
「あやや…雨が降ってきちゃった…」
「ほんとです…ご主人さま、大丈夫でしょうか…?」
………
その頃ご主人さまは仕事の最後の作業をしていたところだった。
「うわっ…さっきまであんなに晴れて…」
時計とカレンダーを見るご主人さま。
「そうかっ!急がなくっちゃ!すみませんっ、もうあがっていいですか?」
「ああ、君は徹夜でここまでやり遂げたし、あとはわしらに任せてくれて、あがっていいぞい」
「ありがとうございます(ごめん…るる…)」
ご主人さまは急いで着替えて、雨のなかを家へと向かっていった。
………
ざーーーーーーー
「ご主人たまぁぁぁぁぁ…るるたん寂しいお…早く帰ってくるお…」
るるは泣き止むどころか、さらに涙の粒を大きくして泣いていた。
「るるちゃん…泣かないで…もうすぐご主人さまが帰ってくるよ…きっと…」
「ほんと…ほんとらお?もも姉たん?」
「大丈夫、ももの言う通りもうすぐ帰ってくるよ。だってご主人さまの匂いがするもん」
「うう…それならるるたん…ひっく…姉たん達を信じるお…っく…」
と、その時
がちゃっ
「ただいまー」
「ご…ご主人たまぁぁぁぁぁ…」
ぎゅうっ ざーーーーーーー
ご主人さまを見た瞬間、るるはご主人さまに抱きつきながら嬉しくて泣き出してしまった。
「ご主人たま、るるたんとっても寂しかったんらお…」
「ごめんるる、思ったより仕事が長引いちゃってさ。本当は今朝から一緒に居られる予定だったのに…本当にゴメン」
「っく…でもるるたん…ご主人たまのこと信じてたお…帰ってくるってことをらお」
「本当にゴメンねるる、お詫びに今日はどこでも好きなところに連れてってあげるよ」
「本当らお?」
「うん、嘘はつかないよ」
「それならるるたん、ご主人たまの自転車で後ろに乗ってどこかに行きたいお」
「うん、了解っ。じゃあちょっとお風呂入って、お昼ご飯を食べたら、出かけよう」
「はいらおっ!」
るるの顔が笑顔になる頃、窓の向こう側には虹が見えていた。
………
「それじゃあみんな、行ってくるね」
「行ってくるおー」
「「「「「「「「「「「いってらっしゃーい」」」」」」」」」」」
バタン
「よし、じゃあ行こう」
「はいらお」
そのるるはるるたん帽子のヘルメット仕様のものを被っていた。
ガチャン バタンッ
「はい乗って、るる」
「うん」
「それじゃあ僕にしっかり掴まっててね、行くよ」
ぎゅうっ
るるはしっかりとご主人さまの腰に腕を回した。
「あ、そうだ。どこに行きたい?」
「るるたん、ご主人たまが連れていってくれるとこならどこでもいいお、でも緑が多いところがいいお」
「それじゃあ…よし決めたっ、じゃあ行くよっ」
「出発しんこーらおっ!」
そして自転車は丘方面へと車輪を向けていった。
………
ぎゅうううん
「ご主人たまー、風が気持ちいいお〜」
「うん、帰りは下りが多いからー、もっと風が気持ちいいと思うよー」
ぎゅうっ
るるはご主人さまと身体が離れないように、いっそう密着させた。
「んー、ご主人たま…温かいお〜」
「ん、そうかい?そう言うるるの体も温かいよ」
そんなこんなで丘への道を走っていった。
………
「ふー、やっと着いたおー」
「はあ…ちょっと疲れちゃったなあ…ちょっと飛ばしすぎちゃったかな?」
「んー…でもここ…温かいお〜」
さっきまでの雨で濡れていたと思われていた芝生は、もうすっかり乾ききっていた。
ころん
るるはその芝生に寝転んだ。
「それも気持ち良さそうだね、じゃあ僕も」
ごろん
ご主人さまも芝生の上へと寝転んだ。
「んー…本当に太陽も芝生も温かいお…」
「本当だね…何だか眠くなりそうだよ…」
「ご主人たま」
「何だい?るる」
「腕まくら…して欲しいお…」
「ん、いいよ。はい」
ぽふっ
るるはご主人さまの腕に頭を置いた。
「ご主人たまの腕…温かくて…気持ちいいお…」
「そうかい?…んーっ、僕も何だか眠たくなってきちゃったなあ…」
「るるたんも…お日さまが…ぽかぽかで…気持ちいいお…」
「…さっきのもあって疲れてるみたいだな…僕のか…ん?」
くー…すー…
「あれ?やっぱり眠っちゃったか…るる。さっきは僕のことで泣いてたんだろうなあ…それじゃあ僕も…寝ようかな、ちょっと」
くー…ぐー…すー…ふー…
………
カーカーカー
「ん?あ…もう夕方か…」
ご主人さまが起きたときには、周りの空はすっかり紅らんでいた。
くー…くー…
「まだ寝ちゃってるか、やっぱり。よし、これで起こすか」
チュッ
ご主人さまはるるの唇にキスをした。すると…
「ん…ご主人たま…おはようらお…」
「るる、そろそろ帰ろ。あんまり遅いとみんなが心配するしさ」
「はいらお」
ガチャン バタンッ
ご主人さまは自転車の鍵を開け、ストッパーも取った。
「はい乗って、るる」
「うん」
夕日が真っ赤に二人を照らすなか、自転車は坂を下りていった。
その日のパーティー…ご主人さまはるるに「素敵なレディになれるように」の願いを込めて新しい口紅を贈ったという…
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あとがき
あれ?みどりBSSっていつ出したんだっけ?(笑)
えー今日はテスト1日目ですが、何か?(笑)
ここまで来ると200日以上前が当たり前だったりして…。
今回のタイトルで共通点を見出せた人は…結構なものですよ。。
実のところ分からないわけでもなさそうですがね。
みどりBSSが6日前…今月もう一本(ももBSS)書こうかな(マテ
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2003・09・19FRI
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