Forest Labyrinth(迷いの森)

「今日もいつもと同じ一日が始まろうとしていたのだけども…」
キキー ドン
ピーポー ピーポー
「私が次に目覚めたのは病院のベッドの上でした」
右腕骨折それが私の症状。
私の名前は柊〈ひいらぎ〉小百合。市立中学校の2年、あだ名はひーちゃん。
カチャッ
「ひーちゃん、大丈夫だったんだね。よかったー」
「うん、一応退院までは一週間ぐらいかかりそうだけどね」
「はいこれ。今日の分のノート全部ね」
「サンキュー、たっちー」
今、たっちーと呼ばれたのは橘〈たちばな〉結花。私の大の親友、あだ名はたっちー。
「でもどうしたの?突然事故になんか遭って」
「私が信号を渡ろうとしたら、突然車が曲がってきて…」
「あちゃー、それは災難だったわね。でも早く元気になってね、あんたが朝いなくって先生がこの事について話したらみんなびっくりしてたわよ」
「でも、ありがとね。部活早引きしてきてくれたんでしょ」
「いいのよ部活よりあんたの方が大切だもん」
いろいろと話しているうちに学校の話になり、突然結花が小声になって
「ねぇねぇ…ひーちゃんって好きな人っている?」
「えっ!?」
「ねぇねぇ、いいじゃない。うちら二人の仲でしょ」
「………」
「えっ!?聞こえないよ」
実はかっちんが好きなの。
「ふーん。そうなのー」
「この事は誰にも内緒ね」
「そうするに決まってるじゃない」
「あ、そろそろ面会時間終わっちゃうね」
「あ…、ほんとだ。じゃ、そろそろ私帰るね」
「あ、ノートありがとね」
「いいの、いいのうちら二人の仲だもん・・・ね!」
「うん、じゃあね」
「また明日ね」
そうして一日目の夜はふけていった。
 
翌日午前中には担任の桂先生が来ていろんなことを聞かれた。そしてその日の午後の面会時間にが来て、
「やっほー、今日も来ちゃったよー」
「あ、たっちーそれにくーちゃんも」
「うん、来ちゃった、でも元気そうね」
今、くーちゃんと呼ばれたのは櫟〈くぬぎ〉容子。私のもう一人の大の親友、あだなはくーちゃん。
「ひーちゃんこれ、今日の分のプリントとノートだよ」
「いつもありがとね、たっちー」
「これ、お花。ひーちゃんの大好きな百合だよ」
「わー、きれい。ありがとう、くーちゃん」
ワイワイ ペチャクチャ
三人がいろんな話題に花を咲かせていると
「おい柊、大丈夫だったか?」
「クラスの男子みんな心配していたぞ」
「あれ、かっちんにくっちーじゃない。どうしたの?」
とぼけ顔で結花が言う。
かっちんと呼ばれたのは、枳〈からたち〉昇流。昨日小百合が好きだといった人、あだ名はかっちん。
もう一人のくっちーは、梔〈くちなし〉洋匡。実は容子が好きな人、あだ名はくっちー。
「クラスの男子で話し合って、誰が見舞いに行くかってのでうちら二人になったんだよ」
ちょっと強く昇流が言う。
「ふーーん。でも何でこの二人なのかなぁ…」
「それは…………」
「それは…何?」
分かったような言い方で容子がそう言う。
「べ…別にいいだろ、そんなこと」
焦った洋匡が言う。
実は二人のうち片方は志願して、もう片方はついてこさせられたのだ。どっちが志願したかというと、昇流の方である。実は昇流は、小百合に少し心引かれている。つまりこの二人は相思相愛なのに、二人ともあまり話さないので分かっていなかったようであった。
「とにかくこれ、渡したからなっ」
と言って少し顔を赤らめた昇流が小百合に差し出したのは、クラスの男子全員が書いたメッセージカードであった。
「あ・ありがとう」
「じゃあな、早く元気になって戻ってこいよ」
「うん」
そうして昇流と洋匡は病室を出ていった。
「じゃ、あたしたちも帰ろうか」
「そうね、いい?ひーちゃん」
「うん、頑張って早く治すから」
「じゃね」
そして結花と容子の帰り道。
「ねぇ・・・くーちゃん」
「なに?たっちー」
「私のカンが正しければなんだけどさ、くーちゃん、くっちーのこと好きでしょう」
ドキッ
「え‥な‥そ・そんなこと……」
慌てた容子が否定した…が時既に遅し。
「そんなに慌てるとこを見ると、やっぱりそうなのね」
「……うん」
「でもさっき二人に向かってよく『それは…何?』って聞けたわね」
「あれは…」
「わかってるわかってる、…でもくーちゃんとくっちー、ひーちゃんとかっちん…あっ…」
「え、今、何て?」
「何でもない、何でもないってば」
「えー、でも教えてくれたってよかったのにー。ひーちゃんとかっちんのこと」
「『何て?』って聞いてるわりには、しっかり聞いてるじゃないのこの耳は」
と耳を引っ張る結花
「いたたたた・・・。あ、そろそろ私の家だ。じゃ、また明日ね」
「うん、だけど今のことは秘密ね、じゃね」
そうして小百合の入院生活二日目は終わり三日目。今日は小百合の入院生活ではなく、小百合の通っている学校の教室を見てみよう。そこは体育の時間のグラウンド、どうやらもうすぐ体育祭のようだ。
練習をサボり、ある二人がぺちゃくちゃしゃべっていると男子の話題になり、
「ねぇ、えのー。最近かっちんて変わったと思わない?」
「そうよね、どうしたのかしら。もしかして好きな人でも出来たんじゃない?くっきー」
今、えのと呼ばれたのは榎〈えのき〉公美子。昇流にほのかな恋心を寄せている。あだ名がえの。
そしてくっきーは楠〈くすのき〉由実。公美子の友達。あだ名はくっきー。
「ねぇねぇ何の話してるのー?私もまぜてー」
そうして間に入った容子。と、その時
「おーいそこ、サボってんじゃねーよ!」
ふいに洋匡の声
「行こう、くっきー、えの、みんなが待ってるよ」
「そうね」「うん」
そうして三人は仲間の元へと駆けていった。
その日の放課後の玄関で…
「なぁ、由実、一緒に帰らないか」
「えっ…」
何とそれを言ったのは洋匡であった。
「だめか?」
「…うん」
「…え‥なんで…?」
「ごめん、くっちーの気持ちは嬉しいんだけど、私…付き合ってる人がいるから」
「……わかった…」
そうして由実はその場を去っていった。どこか寂しげな洋匡の横顔。
「梔…くん…」
そう言いながら容子が肩に触れようとすると、
「触るな!!」
そういいながら洋匡はその場を去っていった。
その日の帰り容子は結花を家に連れ込んでさっき起こったことの一部始終を話した。
「大丈夫、だいじょぶよ、そんなの明日になれば向こうもこっちも忘れるって」
「エック…グスン…でも…でもでも…」
「大丈夫…絶対に。私のカンを信じなさい。絶対大丈夫よ!」
「‥‥ック…ホント?‥ホントにホント?」
「…うん!いざとなったら私がついてあげるわよ」
「…わかった。ごめんね、大切な時間を私なんかのために」
「いいのよ、私はくーちゃんの友達じゃない」
「ありがと、…あ!ひーちゃんのお見舞い行ってなかったね」
「私とくーちゃんとひーちゃんは友達だから大丈夫よ、それくらい」
「そっか…。そうね、ほんとに今日はありがとね」
二人が友情を再確認し三日目は終わっていった。
四日目、この日の放課後
「やっほー!」
「よ!」
「あれ、どーしたの?くーちゃん、それにくっちーも」
「てへっ」
「何でもねーよな」
「うん」
この日の病院の面会。先に来ていた結花の後に病室に入ってきたのは容子と洋匡であった。
これにはこういういきさつがあった。
容子がいつものようにお見舞いに行こうとして学校の玄関を出ようとすると
「おーい、くぬぎー、ちょっと待ってくれー」
そういったのは洋匡であった。
「ちょっと‥来てくれないか」
「え…いいけど‥」
そう言われて容子は校舎裏まで来た。
「昨日は‥ごめんな…あんなキツイ事言って」
「いいよ別に、そんな気にしてないし」
「あのさ…」
「…何?」
「昨日あんな事言った俺、許してくれる?」
「…うん」
「‥‥こんな俺がいうのもなんだけどさ…何かさ…おまえのその易しさに惚れちまったっていうか…」
「!?」
「俺と…付き合ってくれない…か」
「………うん」
「ほんとか…」
「うん‥‥いいよ」
「ようこ…」
「ひろ…」
二人は熱い抱擁をした。そして…
チュッ
キスをした。二人ともこれがFirst Kissであった。
「じゃ、小百合のお見まい行こうか」
「うん」
………とこういう事だった。
「ありがとね、たっちー」
「いいのよくーちゃん。でもよかったね」
「ちょっと、何二人で勝手に話し進めてるのよー」
「ま、いいじゃない。ね、くーちゃん」
そしてこの日は4人で話に花を咲かせた。
しかし五日目、話は思わぬ方向へと進む。
この日の昼休み、学校中が体育祭に向けて競技練習をしていた。
「かっちーん、ガンバー」
声援を送っている公美子。今日は騎馬戦の実戦練習だった。
‥‥‥しかし次の瞬間突然昇流の乗っていた騎馬が崩れ昇流がおもいきり地面に叩きつけられた。
女子や先生みんなが駆け寄る。
「大丈夫?大丈夫!かっちん」
「先生救急車、救急車。早くぅ!」
「いや、近くの病院の方が早い。誰か運転できる先生、このキーで私の車を。青い車です」
「はい」
そしてなんという縁なのか、それとも作者の都合なのか(笑)小百合の入院してる小さな病院に行った。
「先生、先生急患お願いします」
「はい、すぐに行うのでこの上に乗せて下さい」
そして1時間ほどの手術の後、奇跡的に右足の骨折だけですんだ状態で昇流は手術室から出てきた。
「先生、昇流は…昇流は大丈夫なんですか?」
「はい、これだけの状況で右足の骨折だけでした。とりあえず一週間ほど入院をしてもらいますが」
「ありがとうございます、ありがとうございます」
「とりあえず後は麻酔が醒めるのを待つだけですよ」
「先生本当に、ありがとうございました」
そうして昇流はこれまた縁なのか、ただ病院側のベッドに限りがあったためか(作者の策略により)小百合と同じ病室(二人部屋)に入れられた。
カチャッ
小百合の病室のドアが開いて昇流が隣のベッドに寝かされ、二人きりになった。
「あれ?誰かしら」
ふとベッドにつけられた名前を見ると
「え…!?枳…昇流…かっちんじゃないの!」
小百合は隣の人を認識したようだった。
「う…うーん、ここは…どこだ…?」
「昇流…くん」
「え‥‥」
驚くのも無理は無かろう。
「な…何で俺が…あ…足…」
「話、先生から聞いたわよ。騎馬戦の練習で落ちたらしいわね」
「あ…思い出した…」
カチャッ
「よかったー、昇流君大丈夫だったのね」
そう言って一番に見舞いに来たのは公美子であった、不服そうに公美子を見つめる小百合。
「あれ、小百合……?」
と言いながら病室のネームプレートを見に行く公美子
「二人とも同じ病室だったのね。……じゃね、邪魔しちゃったかな」
カチャッ バタンッ
顔を赤らめる二人、また二人きりになった。
「なぁ…」「ねぇ…」
二人は同時に口火を切り、また同時に口ごもった。
「…何?」
先に口を開いたのは昇流であった。
「…うぅん、何でもない」
「そ…そうか」
二人が顔をもっと紅潮させていると、病室の前から何やら声が聞こえてきた。
「あれ?くっちーどうしたの、こんな所に来て」
「え、どうしたって昇流のお見舞いに来たんだけど。結花と容子、お前達こそ何しに来たんだよ」
「え、だってここって小百合の病室だよ」
「え…」
三人は互いに顔を見合わせさらに病室番号の下を見てみると二人の名前が書かれていた。
「「「…えっ!?」」」
三人が1秒もくるわず同時に声を上げた。
「…でもここにいてもしょうがないわ、中に入りましょうよ」
と、最初に口を開いたのは容子だった。
「そうだな」
その二人の様子を少し遠巻きに見ていた結花は、
「(いいカップルになったな、この二人。)」
そんなことを思っていた。
「早く入ろ、たっちー」
「あ、うん」
カチャッ
「やっほーひーちゃん、今日も来たわよ」
「あ、くーちゃん」
「よ、昇流。大丈夫だったか?」
「おう、災難だったよ、ひろ」
「あれー、二人とも顔が赤いわよ。なんかあったのー?」
と、分かっていながらも問いただす結花。
「べ・別にそんなことないよ。ね、かっちん」
「そ・そうだよ。変な想像すんなよ」
「わーてる、わーてる。わかってるよ」
(…何を分かって入るんだ、結花。by 作者)
その後五人でいろんな話をして…
「あ、もうすぐ面会時間終わっちゃうわね」
「じゃ、うちらはそろそろおいとましましょうか。この二人のためにもね!」
「そうね」「そうだね」
容子と洋匡が声を揃えて言う。どうやらこの二人にもどういう意味かは分かったようだ。
そのベッドの上の二人はといえば、また顔を赤らめていた。
「じゃ、また明日ね」
「う・うん」
その日の帰り
「あれ?たっちーいっしょに帰ろうよー」
「いいのよ、せっかくあなた達二人一緒になったんだから、二人で帰ったら?あたしみたいなお邪魔虫無しでさ」
タタタタタ
それだけを言い残して結花は去っていった。
二人は顔を微妙に赤らめて、
「帰…ろうか」
「…うん」
手をつないで帰っていた。
そして六日目、この日の午前中昇流は検査を受けていた。
カチャッ
「あー、やっと検査終わったよ」
「お疲れさま、どうだった?昇流くん」
「一応他に異常は無いってさ」
「よかったねー」
コポポポポポ
小百合が片手で器用に急須からお茶を出した。
「あんがと」
小百合が自分の茶碗にお茶を出してると
「熱っ!」
注いでたお茶がはねて小百合の左手に一滴当たってしまった。
「大丈夫か、ちょっと手、出してみろ」
「はい!?」
ぺろっ
「え!?」
昇流は小百合の手に付いた雫を舐めとってあげた。小百合の手にはなめくじの這った様な跡が残った。
「あ…ありがとう」
そのタイミングを見据えてか
カチャッ
「やっほー、今日も来たよー」
「あ、たっちーそれにくーちゃんにくっちーも、今日は早いのねぇ」
「バカねぇあんたも。今日は第4土曜日!学校が休みなんだから早いに決まってるじゃない」
「ごめんごめん、入院してると日付があんまりわかんなくってさぁ」
五人で色々と話していると時が過ぎるのは早くもう面会時間も終わろうとしていた。
「じゃ、明日は来れないから、明後日の退院の日に来るから」
実は結花達は二人だけの時を作ってあげようと最初からそう決めていたのだ。
「うん、じゃまた明後日ね」
バタンッ
病室のドアが閉まるとまた二人きりになった昇流と小百合。やっぱり引かれ合う二人引かれ合う二人『NとS引き合う愛の法則』の様なのか…。
その夜二人きりの病室で…
「な、なぁ小百合」
「なに?昇流」
「こんな時しか言えないから言っちゃうけど」
「うん。(もしかして……。)」
「俺、お前のことがずっと前から好きだったんだ」
「えっ…!?」
「…こんな俺じゃ…ダメか?」
「‥‥‥」
「どうしたんだ小百合、ダメならダメって言ってくれよ」
「明日まで待ってくれる」
「別にいくらでも時間はあるからさ…、待ってるよ」
「ううん、そういう事じゃないの。まだ心の整理が出来てないから…、もう少し…待って」
「そう言うことか、うん、俺待ってる。じゃ、おやすみ」
「おやすみ」
その夜二人のドキドキはさらに高潮していった。こうして二人の六日目の夜も更けていった。
そして運命の七日目、
この日の午前中、今度は小百合が退院前の検査を受けていた。
「どうだった?」
部屋に一人で居た昇流が聞く。
「大丈夫だって、明日の退院」
「じゃ、あと今日1日だけかー、こうして二人で話していられるのも」
「…そうね…」
いつの間にか二人の間には見えなく赤くそして無くならないものが出来ていた。
そしてその後も何事もなく平和に過ぎていった。
運命の夜
「な、なぁ小百合……」
「何?」
「昨日の答え、聞かせてもらえないかな」
「うん」
小百合は一度だけうなづき
「‥‥いいよ、付き合おうよ私達」
「その言葉ホントなんだな」
「うん、いつわりなんかないよ」
「ありがとう…」
「だって………」
「だって?」
「だってずっと前からかっちんの事が好きだったもん」
「え……」
二人の顔はその時点でもう紅潮してしまっている。
「え‥じゃ俺達二人って」
「いいじゃない、過去はもう関係ないよ」
「そうだね…」
「今度さぁ…かっちんの足治ったら、どっかデートしにいこうよ」
「うん、どこでも連れてってやるぜ」
「え、どこでもいいの?どこにしようかなぁ…」
「おいおい、でもそんなに高いところはダメだぞ」
「うん、わかってる」
一瞬の静寂の後
「なぁ、小百合」
いきなり小百合を見つめて言う昇流。
「何?かっちん」
と言いつつも何のことかはしっかり分かっている小百合。
小百合は動けない昇流のベッドの上に乗り
チュッ
小百合と昇流は恋の誓いをしたのだ。それはまるでくっついた磁石が離れない様に長い間。
「昇流…」「小百合…」
そして二人は熱く抱き合った。その時曇っていた空がふいに晴れ渡り満天の星空となった。まるで二人を祝福するかのように……。
「わー…っ、綺麗…」
「うん、綺麗…だね」
電気を消していた二人の部屋。星と月の光が射し込み、彼ら二人を少しではあるが『恋』へと成長させたのかも知れない。
「また今度別の場所でさ、こんな星空を見てみたいね」
「うん。もちろん二人でな」
チュッ
二人は再び熱き口づけをした。
「今日はもう寝ようか」
「うん、でも……」
「でも?」
「こんなコトして大丈夫かなって思うけど」
「なに?」
「一緒のベッドで寝たいな…」
「…いいんじゃない、俺も少しそれを考えてたとこ」
「でも見つかったら起こられないかなぁ」
「大丈夫。怒られたら怒られたでそれもいい思い出じゃないか」
「‥うん、そだね」
小百合は片手だけで上手く昇流の布団に入った。
「おやすみ…」
「おやすみ」
二人が床についたのは短針が十二の時を刻んだときだった。実は途中看護婦が気付いて注意しようとはしたのだが、二人のあまりにも純真(ピュア)な姿を見て注意をやめたんだという。
そして小百合の退院の日。
「じゃ小百合、もう少ししたら俺も学校に戻れるから」
「うん、待ってるからね」
「昇流くん、うちの小百合がお世話になりました」
「いえいえこちらこそ、いろいろとありがとうございました」
そして病院の玄関にて
「おーい、ちょっと待ってくれー」
「あれ?かっちん、どうしたの?」
昇流は無言で
チュッ
小百合の親や病院の人達、友達が居るにも関わらず昇流は周りが何もないかのように小百合にキスをした。
「まぁお二人さん、お熱いこと」
そのちょっと皮肉っぽいここの院長の子供、橘結花の一言で全てが動き出した。
それから容子と洋匡、小百合と昇流がどうなったかって?
そんな野暮なことは聞かないの。
『NとS引き合う愛の法則………。』
Fine
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あとがき
やーどうでしたか?私の初となるオリジナル小説は。
正直言って最初はどうなるかと思いましたが…。
実際の原稿はA罫のレポートパッド14枚です。
疲れました、それに今はテスト期間なのでテストが心配で心配で。
ま、とにかく仕上がってよかったです、はい。
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2001・09・17MON 初版公開
2002・05・31FRI 修正第1版公開
琴瑞
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