小鳥 | 「さて…と」 |
小鳥は材料を目の前にして気合いを入れ直した。 |
小鳥 | 「去年まではこんなことは無かったのに…」 |
そう、目の前に置かれた材料とは… |
小鳥 | 「みんなきっと作ってくる…わよね。負けられないわ」 |
と、少し眠い目を擦りながらチョコ作りに励もうとした…が |
小鳥 | 「そういえば日曜日って何も無かったわよね」 |
自分もプロデューサーもオフであることに気が付いた小鳥。 |
小鳥 | 「それなら…あ、そうね」 |
何やら方針を変え始めた小鳥なのであった… |
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当日… |
P | 「ふう…これで全員か…」 |
小鳥 | 「プロデューサーさん、モテモテですね」 |
P | 「小鳥さん、茶化さないで下さいよ」 |
小鳥 | 「これだけあれば、私のなんか要りませんよね?」 |
P | 「そんなこと無いですって、小鳥さんのはどんなのでも欲しいですって」 |
小鳥 | 「プロデューサーさん、明日はオフですよね?」 |
P | 「そうですけど?」 |
小鳥 | 「今日、私の家に来ませんか?」 |
P | 「いいですけど…何か企んでません?」 |
小鳥 | 「いえ、折角ですし夕ご飯を一緒に食べません?一応用意してますから」 |
P | 「それなら…はい」 |
小鳥 | 「それじゃあ仕事を早く片付けましょ」 |
P | 「そうですね、楽しみですよ小鳥さんの料理」 |
小鳥 | 「そう言ってもらえると嬉しいです」 |
……… |
小鳥 | 「定時で上がれそうです?」 |
P | 「大丈夫です…と言っても今日は土曜日ですけどね」 |
小鳥 | 「確かに…あーあ、普通の人みたいな休みが欲しいです」 |
P | 「でもこういう業界なら仕方ないですよ」 |
小鳥 | 「それもそうですね」 |
P | 「それじゃあ帰る準備してきてください、俺はこっちの方処理してますから」 |
小鳥 | 「あ、じゃあお願いします」 |
P | 「さてと…御馳走してくれるって一体どんな料理なんだろ?」 |
プロデューサーはそんなことを考えながら、後始末に入っていた… |
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さてここは小鳥のマンション。 |
P | 「そういうことだったんですか」 |
小鳥 | 「だって、鍋とかは一緒の方が楽しいですし」 |
P | 「そうですね、一人鍋ほど悲しいものは…」 |
プロデューサーと小鳥の目の前には、チーズフォンデュの用意が整っている。 |
小鳥 | 「んー、でも私の味付けでプロデューサーさんの口に合えばいいんですけど…」 |
P | 「大丈夫ですよ、小鳥さんの作った料理ならどんな料理でも美味しいですから」 |
小鳥 | 「そんなことないですって」 |
P | 「大丈夫です、自信を持ってくださいよ」 |
小鳥 | 「そ、そうですね」 |
P | 「それじゃあ食べましょう」 |
小鳥 | 「はい」 |
小鳥・P | 『いただきます』 |
二人は向かい合わせになって食べ始めた。 |
P | 「ん?何か特別な物入れてます?」 |
小鳥 | 「入れてませんよ。チーズは少し良い物を使ってますけど」 |
P | 「なるほど。普段家で食べてたのと違うもんで」 |
小鳥 | 「けっこう飲んだ時のチーズが色々と残ってましたから、それも…」 |
P | 「あ、あのチーズも使ったんですか」 |
小鳥 | 「はい。結構どんなのを使っても大丈夫なんです」 |
P | 「参考になります」 |
小鳥 | 「ほら、これを浸けても意外と美味しいんですよ」 |
P | 「へえ、これは初体験ですね…んっ!あーこれはいいですね」 |
小鳥 | 「でしょ?この組み合わせは癖になりますから」 |
P | 「うーん、今度自分で作る時にはまた試してみようかな」 |
……… |
P | 「ふう…食べた食べた」 |
小鳥 | 「もう食べすぎですよ、デザートもあるんですから」 |
P | 「え?そうなんですか?」 |
小鳥 | 「ちょっと今持ってくるんで、待っててください」 |
と、フォンデュ鍋を台所へと持っていく小鳥。そして台所から… |
小鳥 | 「プロデューサーさん、隣座ってもいいですか?」 |
P | 「え?いいですけど…」 |
小鳥 | 「今持っていきますから、座っててください」 |
P | 「はい…ん?甘い匂いだな…」 |
トンっ |
プロデューサーの目の前に置かれた小さな鍋、それに入っていたものは… |
小鳥 | 「隣、お邪魔しますね」 |
P | 「でもどうして隣に?」 |
小鳥 | 「だって…」 |
サクッ チョンチョンチョン |
小鳥 | 「はい、アーンっ」 |
P | 「え?あ、はい…アーン」 |
パクっ |
差し出されたチョコ付きの苺を食べるプロデューサー。 |
P | 「ちょっと苦めのチョコですか?これは」 |
小鳥 | 「はい。あんまり甘すぎない方がいいかなって」 |
P | 「確かに、あれだけ甘い物を貰ってますからね」 |
小鳥 | 「もう…私という人がいるのに」 |
P | 「だって貰わないと、ああいう子たちは後が怖いですからね」 |
小鳥 | 「だから今日は…ね」 |
P | 「はい…分かってます」 |
ヒョイっ チョンチョンチョン |
小鳥 | 「次はこれも食べてください」 |
サクッ |
P | 「これってビスケットですか?」 |
小鳥 | 「こうして食べても美味しいでしょ?」 |
P | 「そうですね」 |
小鳥 | 「あ、プロデューサーさんのここにチョコ付いちゃってるわ」 |
P | 「え?どこですか?」 |
チュッ |
言うより早く唇を吸いつける小鳥。 |
小鳥 | 「甘くて美味しいチョコ、ごちそうさまでした」 |
P | 「小鳥さん…」 |
その後も互いに鍋が無くなるまで、チョコと唇を食べさせ合っていたという… |