Autumn Tints Waves（秋色の波）
とある日の某ラジオ局。
律子「秋月律子と」
やよい「高槻やよいの」
律子・やよい『空のなないろ！』
♪〜
二人のタイトルコールで今週も番組が始まった。
律子「時刻は2時になりました。ラジオをお聴きの皆さまこんにちは。今週は私、秋月律子と…」
やよい「高槻やよいの2人でお送りします」
律子「今週のお便りテーマは…」
やよい「秋なので『あなたの食欲の秋』ですっ。生放送ですので今からでもお便り間に合いますよー」
律子「FAXは〜〜〜〜、メールは〜〜〜〜〜です。携帯からも大丈夫です。お便りが読まれた方には番組特製ステッカーをプレゼントしています」
やよい「なのでどんどんお便りをお送りくださーい」
律子「そして今週もスペシャルウィークですので、お手紙やメールをくれた方の中から抽選で２名の方に私たちのどちらかのサインが入った何かをお贈りします」
やよい「プレゼント抽選も希望の方は、やよいか律子さんのどちらが希望かを書いて送ってください」
律子「今日の15時40分が〆切です。当選された方は番組の最後に発表します」
やよい「何を贈るかもまだ秘密です。それも番組の最後に発表です」
律子「どっちもとてもレアな物です。それにサイン付きだなんて世界に二つはありません」
やよい「いっぱい応募待ってまーす！」
律子「それでは今週も4時までの2時間、ラジオの波が私達とリスナーの…」
やよい「七色の架け橋になりますように…」
オープニングトークも終わり、CMへと入る…
律子「今日はお便りは大丈夫ね？」
やよい「はいっ。さっき全部チェックしておきました」
律子「あとはそうね…あ、ちょっとスタッフから受け取って」
やよい「はい、ちょっと行ってきます」
カチャッ
ブースの外のスタッフから何やらお椀を受け取ったやよい。
カチャッ
やよい「律子さん、これを食べながらラジオってことですか？」
律子「ええ。だから一緒に食べましょ」
やよい「はいっ」
律子「あ、そろそろCM明けるから用意して」
やよい「はーい」
CMが明けて…
律子「さて、今日の募集テーマは食欲の秋だけど…秋は食べ物が美味しいわよね」
やよい「私、秋になるとすっごい楽しみな物があるんです」
律子「何かしら？やよい」
やよい「サンマですっ。昨日も弟と半分こして食べました」
律子「あのサンマって、どうして焼いて大根おろしと醤油だけで美味しいのかしら」
やよい「脂も乗ってて美味しかったですー」
律子「他には最近秋の食べ物って何か食べた？」
やよい「最近ですか？うーん…あ、近所の人から貰ったお土産の柿を食べました。美味しかったですっ！」
律子「柿も美味しい季節よね。私は…洋梨を食べたわ」
やよい「んー、そういえば洋梨ってあんまり食べたことがないかもです」
律子「それなら今度私の家に来た時に食べる？」
やよい「いいんですか？」
律子「いいわよ。貰ったのが今度来る頃にはいい具合に熟するはずだから」
やよい「ありがとうございますー」
律子「で、そんな今日はこれを用意しました。やよい、1個食べてみて」
やよい「ええっ、今食べちゃっていいんですか？」
律子「ええ。できるだけ歯触りが分かるようにしてね」
やよい「分かりましたー」
スッ　シャクッシャクッシャクッシャクッ
やよいはそのお椀に入っている物にフォークを指して、できるだけマイクに近付いて食べ始めた。
律子「やよい、どうかしら？」
やよい「甘くてシャクシャクしてて、とっても美味しいです」
律子「はい、というわけで今日はこれも秋の味覚の梨を用意しました」
やよい「これってどうしたんですか？」
律子「ほら、私たちの事務所の人がお土産に持ってきてくれたのを持ってきたのよ」
やよい「あ、この前行ってきたお土産って言ってた梨ですね」
律子「そうそれよ。こういうテーマだからいいかなって思ったの。じゃあ私がまずメール読むから、やよいは食べていて」
やよい「はーい」
律子「こちらは、○−Stationでお聴きのラジオネーム△△さんから」
やよい「ごくんっ、ありがとうございまーす！」
律子「律子さん、やよいさんこんにちは。もう10月、衣替えのシーズンですね」
やよい「はいっ。私の学校も冬服になりましたー」
律子「この前冬服が入っていたタンスを開けたら、大事なセーターに虫食い穴があったんです…」
やよい「だ、大丈夫ですか？」
律子「すっごくショックでした。お二人もそういうことってありましたか？ですって」
やよい「律子さんはどうですか？」
律子「私？私はそうね…あ、一度あったのよ。お気に入りのマフラーが食べられてたわ」
やよい「そういうのってとってもショックですよね」
律子「そうね。やよいはどう？」
やよい「私は、んー…自分の古い服って弟とか妹にいっちゃうから分からないんです」
律子「そっか…でもしょうがないわね。やよいだって成長期だもの」
やよい「でも背が全然伸びなくって…成長なんかしてないです」
律子「そんなことないじゃない。見たわよ、この前の事務所での定期測定の結果」
やよい「え、ええーっ！律子さん知ってるんですか！？」
律子「衣装の発注があったから、全員のデータをチェックしているうちにね」
やよい「うー…恥ずかしいです」
律子「成長している何よりの証拠じゃない」
やよい「だけど律子さんにはまだまだ程遠いです」
律子「私？大丈夫よ。まだまだやよいはちゃんと伸びしろがあるわ」
やよい「は、はいっ」
律子「△△さん。こんな感じですけど、またお便りもらえたら嬉しいです」
やよい「ありがとうございましたー」
律子「じゃあ次はやよい、お願いね」
やよい「はーい。次はFM○○○○でお聴きの□□さんからです」
律子「□□さんね、はい」
やよい「あ、これはテーマですね。律子さん、やよいさんこんにちは。初めてお便りします」
律子「初投稿、ありがとうございます」
やよい「あなたの食欲の秋ですが、やっぱり私は今作っているお米です」
律子「農家さんかしら。FM○○○○ってことは、米どころよね」
やよい「今年は夏が大変でしたが、今年も何とか律子さんややよいさんにも食べて欲しいくらいのお米になりました…です」
律子「そんなことを言ってると、本当に贈ってもらっちゃいますよ？」
やよい「うー、このメッセージを読んだら何だかお腹空いてきちゃいました」
律子「もう、やよいったら。ほら番組はまだ始まったばかりじゃない」
やよい「はーい、頑張りますっ」
律子「はい、では一旦CMを入れてやよいのコーナーよ。やよい、CMの間に梨を食べて元気出してね」
やよい「じゃあいただきまーす」
律子「まーだ。CM入ってからって言ったじゃない」
やよい「えへへ、ごめんなさーい」
律子「では、CMをどうぞ。ふつおたのコーナーは番組後半に続きます」
　
番組も終わりに近付き…
律子「さて、今週の空のなないろはいかがだったでしょうか？」
やよい「どうだったでしょうか？」
律子「では終わる前にまずは私たちからのプレゼントとその当選者の発表です」
やよい「まず私やよいからのプレゼントは、私が使っていたシュシュです」
律子「やよいってシュシュを結構持っているのよね」
やよい「はい。その中で本当はライブの時に使う予定だったんですけど、使えなくなったのをプレゼントします」
律子「あ、光っちゃってダメだったやつね。でもそれ、この前の中継の時に付けていたわよね」
やよい「はいっ。でもプレゼントしちゃいます」
律子「やよいの薫り付きね。これをプレゼントされちゃう運の良い人は誰かしら？」
やよい「えっと、○○○FMでお聴きの、えあらいんさんです！」
律子「おめでとうございます。大切にしてあげてくださいね」
やよい「律子さんは何ですか？」
律子「私はこれ…って分かる？」
やよい「えっと…あっ！事務員服の時の名札とリボンですね！」
律子「やよい、ご名答。事務仕事用の私の制服もあるんだけど、衣裳もこれがあるからプレゼントしちゃおうってこと」
やよい「律子さんも実際に付けていたんですね？」
律子「ええ。たまに事務仕事が忙しい時は、これを着て気合入れるし」
やよい「じゃあこの二つをプレゼントされちゃうのは誰でしょう？」
律子「はい。私の方は…FM-○○○でお聴きの、しきめさんです！」
やよい「おめでとうございまーす。大切にしてくださーい」
律子「それじゃあ発表も終わったしエンディングね」
やよい「分かりました、律子さん」
律子「まずは、来週のお便り募集からね。来週は□□さん担当週になります」
やよい「普通のお便りのテーマは、読書の秋ということで『あなたのこの一冊』です」
律子「□□さんのいつものコーナーへのお便りも、もちろん大募集中です」
やよい「えっと、FAX番号は〜〜〜〜、メールは〜〜〜〜〜です。コーナー名も忘れずにお書きください」
律子「それではまた来週、私とはまた再来週お会いしましょう」
やよい「私は来月ですねっ。来月までたくさんのメール待ってまーす」
律子「虹のたもと、それは素敵な宝物があると言われる場所…」
やよい「私たちからあなたへの声の宝物…」
律子「虹の架け橋に乗って届きましたか…？」
やよい「この広い青に架かる素敵な…」
律子・やよい『空のなないろ！』
♪〜
エンディングの音楽が徐々にフェードアウトしていき、2時間の生放送が終わった。
律子「今日もごくろうさま、やよい」
やよい「おつかれさまでした、律子さん」
律子「それじゃあスタッフに挨拶したら、私の家に行くわよ」
そう、さっきの『今度』というのはこの後のことだったのである。
やよい「はい、楽しみですっ。おじゃましちゃいまーす」
律子「忘れ物は大丈夫ね？じゃあ行きましょう」
やよい「はーい」
この後お泊まりしたやよいが、淋しがって律子と一緒に寝ることになってしまうのはまた別の話である…
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あとがき
どもっ、飛神宮子です。
久々の二人のラジオネタ。自然と筆は伸びていきました。
と言うよりラジオは長くなるんですよ、セリフが交互に来ることになっちゃいますし。
今日は10年10月10日。トリプル10ですね…特に何も無いですが。
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２０１０・１０・１０ＳＵＮ
飛神宮子
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