Taste a Deux(二人だけの味)

ここはとある温泉旅館…
スタッフ「OK!これで今回のロケの録りは全部終了でーす」
その声に…
貴音「ディレクター様おつかれさまでした。どうでしたでしょうか?わたくしの立ち振る舞いは…」
スタッフ「御苦労さま四条さん。予想以上の出来だったな」
貴音「そんな…しかしそう言われると嬉しく思います」
スタッフ「温泉と言ったら萩原さんだけど、相方の四条さんも負けず劣らずのアイドルだ」
貴音「それも皆スタッフの方々のお力添えがあってこそです。本当に今回はありがとうございました」
「今回はうちの四条を使っていただきましてありがとうございました」
貴音「プロデューサー殿、終わりました」
「うん、ご苦労さま貴音」
スタッフ「いやそれにしても四条さんはまた別のロケで使ってみたいねえ。良い味が出てるよ」
「良かったら今度も使ってやってください」
スタッフ「まあこれはうちのスタッフで応相談になるけど、また温泉ロケあるけど今度は雪月花の二人でどうだい?」
貴音「わたくしは雪歩とのお仕事でしたら…いつでも構いません」
「うちも雪歩と相談することになると思いますが、良い返事はくれると思います」
スタッフ「どのみち何かあったらまた連絡するさ。それで今日はここに泊まりだと聞いたが?」
貴音「はい…事務所のご厚意でもう一泊させて戴くことになりました」
「せっかく誕生日だからな、ゆっくり休んでもらいたくてね」
スタッフ「あ、そうだったな。これからスタッフみんなに広間に集まってもらうからさ」
貴音「えっ…それはどういうことでしょう?」
スタッフ「こっちからの誕生日祝いのケーキさ。な、プロデューサー君」
「はい、うちの四条のためにありがとうございます」
スタッフ「いいってことよ。じゃ、二人とも先にそっちに行っててくれたまえ」
………
ケーキも分けて食べ終わり…
貴音「それでは放送日を楽しみにしております」
スタッフ「こちらこそ、良い映像をありがとう」
「では、雪ですのでスタッフのみなさん道中お気を付けて」
スタッフ「おう。じゃ、今日一日はゆっくりしてまた良い姿を私たちに見せてくれよ」
貴音「はい…本当に昨日今日とありがとうございました」
ブロロロロロ…
スタッフが車に乗り込み終わって出るまで見守っていた二人。
「しかしなあ、今回は貴音の意外な一面を見せてもらったな」
貴音「少し恥ずかしかったですが…しかし新しい自分が見せられたということでしょうか」
「ま、今日はゆっくりして帰ろうな」
貴音「はい…」
何やら少し顔が紅くなっている貴音。
「まずは中に入ろう」
貴音「そうですね…」
二人は旅館の中へと戻っていった。
「ちょっと待ってて、部屋のチェックアウトとかの手続きをして来るから」
貴音「あなた様、荷物はどちらですか?」
「荷物だけはもう貴音の部屋に移動しておいたから大丈夫だ」
貴音「分かりました。では先に参っておりますので」
「ああ。鍵は持っているんだよな?」
貴音「はい。ではまた後ほど…」
………
ここは貴音が泊まっていた部屋で、今日はプロデューサーも共に泊まる予定となっている。
貴音「あなた様…今日はよろしいのですね?」
「ああ。これは約束だからさ」
貴音「昨日は別々の部屋になりましたから…」
「何か同じ旅館で別の部屋に泊まるというのも不思議な気分だったな」
貴音「ホテルではそんな気分にはならないのですが…」
「そうだよな、やっぱり旅館は家族で行くからだろうな」
貴音「家族…ポッ…」
「いやそういう意味…じゃないこともないか、今日だけは」
貴音「あなた様…楽しみにしております」
「ああ…うん」
貴音「では夕食までどういたしましょうか?」
「そうだな…一旦温泉に入るか。さっきの見送りで冷えちゃったしな」
貴音「分かりました。では夕食の時間までゆっくりいたしましょう」
「何かトラブルがあったらすぐに連絡を頼む」
貴音「はい…」
………
そして夕食…
「昨日は見ていただけだけど、この食事は豪華だな」
貴音「はい…ですが味も程良くて素晴らしい物です」
「この野菜は味も濃くて力強い感じがするぞ」
貴音「それでいて素朴に他の食材を引き立てていて、たいへん食が進んでしまいます」
「昨日とは少し違っているけど、貴音は美味しそうに食べていたな」
貴音「…そう言われると恥ずかしいのですが…」
「でも笑顔での食べっぷりが良い画だったなと思うよ」
貴音「そうでしょうか…しかしこれでこちらの旅館にお客様が一杯来ていただければ甲斐があったというものです」
「そうだな。ま、今日は仕事じゃないからゆっくり食べてな」
貴音「しかし今日は昨日よりもどことなく美味しく感じます…」
「昨日は仕事だったからな。でも味はほとんど変わらないだろ?」
貴音「あなた様と…一緒に食べているからかもしれません…」
「そ、そうか…」
貴音「ええ…」
二人の顔は熱い物を食べてもいないのに少し紅く染まっている。
「冷めないうちに食べような」
貴音「そう…ですね」
………
そして就寝…二人の蒲団はくっ付けられている。
「貴音、寒くないか?」
貴音「あなた様と一緒ですから…大丈夫です」
「一緒というか…抱きつかれているからな」
貴音「あなた様のこの薫り…とても落ち着きます」
「貴音こそ、女の子とも女性ともつかない良い薫りだ」
貴音「この温もり…今宵だけはわたくしだけの物なのですね…」
「俺の温もりで良かったら…今日は全てあげるから」
貴音「わたくしのも貰っていただけるのですよね」
「ああ。今日は貴音の全てをもらうよ」
貴音「はい…んっ!」
チュゥゥゥッ
貴音にそれ以上の言葉を告がせないように唇が塞がれた。
「…ふぅっ…貴音、胸もう肌蹴てるぞ。やっぱり…大きいな」
貴音「…はぁっ…あなた様こそ、もうこの胸板がすっかり見えております…」
貴音とプロデューサー、二人の夜はまだ長いようだ…
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あとがき
どもっ、飛神宮子です。
去年まではカレンダーで書いていましたが、今年から誕生日SSを書いていきます(765のみ)。
それで各々、最後の最後でちょっとだけエッチな感じになっていくかなと思いますので。
Happy Birthday!! Takane SHIJO.
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2011・01・21FRI
飛神宮子
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