Sugar-Candy Duet(甘い二重奏)

ここはある日の事務所の仮眠室…
○○「くぅ…すぅ…」
一人のショートカットの少女が英気を養うために眠っていた。
○○「くすくす…だ、ダメだよぅ…」
何やら寝言を言っているようだ。
○○「フフフ…でもダーメっ…ぐぅ…放さないんだからぁ…」
そこに…
ガチャッ
「ふー!運動後のシャワーも浴びてきたし、出番までちょっと休もうっと」
もう一人別のショートカットに近い普通くらいの髪の長さの女の子が。
「あれ?雪歩いたんだ」
その寝ている少女である雪歩の存在に気付いた女の子。
「よく寝てるみたいだなあ…」
ツンツン
そっと寝ている頬を突いてみた。
雪歩「んっ!…くぅ…」
「綺麗な白い肌だなあ…羨ましいよ」
サラサラサラサラ
そっとその茶色の髪を手櫛で梳いた。
「それに良い薫り…」
くんくん
その女の子は雪歩の髪に顔を近づけ、その薫りを嗅いだ。
「良い薫り…ボクだってやっと中性っぽいって言われるようになったけど、女の子とし憧れるよ…」
どうやらその女の子は真のようだ。
「やっぱり雪歩は…うん、可愛いな」
そして真がその場を離れようとしたその時…
すうっ ぎゅっ
「うあっ!?」
突然真の後ろへと雪歩の腕が伸びてきて、背中の後ろで輪っかになった。
雪歩「うふふ…放さないって言ったよねぇ…くぅ…」
雪歩がガッチリと真の背中を脇の下から抱え込んだ。
「ゆ、雪歩っ!?」
雪歩「真ちゃん…ぐぅ…真ちゃんは…私のものだもん…」
そのまま雪歩の腕が曲げられて、いつもの雪歩とは思えないほどの力で、ズルズルとベッドの上へと引き上げられていく真。
「ボ、ボクどうしよう…」
雪歩と真はベッドの上で向かい合わせの体勢になった。
雪歩「温かぁい…んー…温もりだぁ…」
「雪歩?雪歩、本当に寝ているの?」
雪歩「真ちゃん、キスしてもいい…?」
「えっ…?」
雪歩「嫌だって言ってもしちゃうから…」
チュゥチュッチュッチュゥゥッチュッ
真が返事するまでもなく、その唇は深く深く塞がれていた。
「ぷはっ!…雪歩、本当は起きてるんだよね?」
雪歩「はあっ…真ちゃん…くぅ…」
「本当のこと言わないと、嫌いになっちゃうけどいい?」
その真のセリフに…
雪歩「ふえ…ま、真ちゃん…ゴメンナサイ…」
目を開けた雪歩は、少しその目を潤ませていた。どうやら雪歩は途中からは寝たふりだったようだ。
「どこから気付いてたの?」
雪歩「私の髪の…薫りを嗅いでいたところくらい…かな」
「だからボクのこと、こうやって引き込めたんだ」
雪歩「ゴメン真ちゃん…大好きな真ちゃんが居たのに気付いちゃったから…」
「雪歩…」
雪歩「こんなことしちゃって…真ちゃんは嫌だったよね?」
もう顔見せができないと思い、真から顔を逸らした雪歩。
「…雪歩、こっち向いてよ」
雪歩「えっ…?」
雪歩が逸らした顔を真の方に向けた瞬間…
チュゥッ
その真の唇が雪歩の唇を塞いでいた。
「ボク…嫌なんて言った?」
雪歩「ううん」
「さっきのは突然だったからびっくりしたけど…雪歩なら嫌じゃないよ」
雪歩「でもぉ…」
「でも泣いてる雪歩は…ボクは嫌だな」
雪歩「真ちゃん…」
「だからさ、泣くのはもうやめてよ」
雪歩「う…うん」
ぎゅっ
真もそんな雪歩を抱きしめ返した。
雪歩「真ちゃん…温かいよ…」
「雪歩がそんなにギュッてするからじゃないか。雪歩の身体も…温かいな…」
雪歩「大好き…だよ、真ちゃん」
「ボクもだよ…」
雪歩「…嬉しい…んっ!」
モゾモゾ モゾモゾ
毛布の中で真の手が何やら蠢き始めていた。
「雪歩って…触り心地いいなあ」
雪歩「ひゃんっ!真ちゃん…そんなとこ触んないでぇ…」
もみもみ もみもみ
そんな真の手は止まることなく雪歩の身体の前の方を触っていた。
「ここもボクより大きいし…羨ましいよ。気持ちいい…な」
雪歩「もう…真ちゃんがそんな風にするならぁ…」
ススススス パチンっ
真の後ろに伸びていた雪歩の手は、服の上からとある物を外した。
「うわあっ!雪歩、今ボクのホック外したでしょ」
雪歩「だってそんなことしてくるからぁ」
「じゃあボクだって…」
ゴソゴソゴソ
真は雪歩のホックを服の上から探し始めたもののなかなか見つからない様子。
雪歩「どうしたの?そんなところじゃ無いよーだ…」
もみゅもみゅ もみゅもみゅ
その間に真はお返しに何やら揉まれ始めていた。
「雪歩っ…あんっ…ボ、ボクの立っちゃうよぉ…」
雪歩「何かツンツンとしてきたの、分かっちゃうよ」
「そう言う雪歩も、さっき立ってたのは…やんっ…知ってるよ…」
もみゅもみゅ もみもみ
真は片手でホックを探しながらもう片手で応戦し始めたものの、さすがに両手の雪歩には敵わない。
雪歩「何かひゃんっ…変な気分になってきちゃった…」
「んっ…ボクも…身体が熱くなってきたよ…」
チュゥゥゥッ
二人は再び深いキスをし合った。
雪歩「真ちゃん…続き、シャワー室で…ね。これ以上してると汚しちゃうよ…」
「うん…向こうでもっと雪歩をボクに感じさせてよ…」
二人は少しふらふらしながら、それでいてラブラブな様子でシャワー室へと向かっていったという…
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あとがき
どもっ、飛神宮子です。
実は初の『ゆきまこ』。百合どころかもう話の途中から何やら始まっちゃってます。
雪歩と真、私の中での親密度はかなり上の方なのでこんな感じになってしまいました。
雪歩はやっぱりこういう百合百合なSSで映えますね。
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2011・05・10TUE
飛神宮子
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