とある日の昼下がりのこと… |
小鳥 | 「あー!プロデューサーさんったら、まーた2ch見てるんですか!」 |
P | 「いや、これはですね、所属アイドル達の評判をチェックしてるんでして」 |
少し焦りながらも専用ブラウザは閉じようとはしないプロデューサー。 |
小鳥 | 「まあいいです、でも専用ブラウザまで入れて…」 |
P | 「そういう小鳥さんだって、通信用にはバッチリ入ってるじゃないですか」 |
小鳥 | 「そ、それは…」 |
P | 「しかも見ましたよ、HNまで登録してあるじゃないですか」 |
小鳥 | 「わーー、秘密にしてくださいっ」 |
P | 「分かってますよ…しょうがないなあ」 |
普段とは逆に窘められる小鳥。 |
小鳥 | 「それで…なにか面白いスレでもありますか?」 |
P | 「そうですねえ、こんなスレがありますよ?」 |
小鳥 | 「なになに?『【戦隊?】765プロで理想の5人組を考えてみた【戦士?】』?」 |
P | 「理想の5人の組み合わせを考えるスレッドみたいです」 |
小鳥 | 「なるほどぉ…」 |
P | 「うちのプロダクションはユニットが最高3人ですからね」 |
小鳥 | 「確かに、考えられないことですね」 |
P | 「リーダーは…第1人気は春香みたいですけど、美希派も意外と多いみたいです」 |
小鳥 | 「美希ちゃんもだいぶ人気が付いてきたってことかしら」 |
P | 「そうですね、最近だいぶ実力が付いてきましたよ」 |
小鳥 | 「実力に人気が付いてきたのね、これで一安心ね」 |
P | 「一時はどうなることかと思いましたけど」 |
小鳥 | 「プロデューサーさん、偉い偉い」 |
なでなで |
プロデューサーの頭を撫でる小鳥。 |
P | 「小鳥さんくすぐったいですよ…」 |
小鳥 | 「あ、プロデューサーさん恥ずかしがってる」 |
P | 「そんなこと…」 |
小鳥 | 「フフフ、分かってます」 |
P | 「え、えっと…あ、このスレッドですけど」 |
小鳥 | 「はい?」 |
P | 「何か相手の総司令は伊織とか律子とか…そんなとこまで考えてるらしくて」 |
小鳥 | 「これは…見せられないですね」 |
P | 「確かに見せたら大変なことになり…でも律子は知ってそうな気もしますけど」 |
小鳥 | 「それは言えますね、フフフ」 |
P | 「次のスレッド見ます?」 |
小鳥 | 「そうです…って随分とお気に入りに入れてあるんですね」 |
P | 「まあ全部765プロ絡みですけど」 |
小鳥 | 「個別も含めてこんなにあったんですか」 |
P | 「けっこう色んな板にありますよ」 |
小鳥 | 「あ、ちょっとマウス止めてください…これ、何ですか?」 |
P | 「これって…『【魅力】765プロアイドルの必殺技を考えようぜ Part3【ビーム】』…ですか?」 |
小鳥 | 「必殺技って…出るわけないでしょ!」 |
P | 「まあツッコミどころ満載のスレッドですけどね、本当に」 |
小鳥 | 「伊織ちゃんが凄い多く名前が上がってるように見えますが…」 |
P | 「そうでもないですよ、春香も千早もそれなりにはありますけど」 |
小鳥 | 「しかし、非現実的なことをいいことに凄い書かれようですね」 |
P | 「はい、でもこういうのは意外と今後使えるんじゃないかって」 |
小鳥 | 「え?」 |
P | 「プロモーションビデオとかでこういうのが来たら、CGでやってみたらって」 |
小鳥 | 「そういうことですか」 |
P | 「うちのアイドルにこんな仕事が来ることは滅多に無いですけど」 |
小鳥 | 「まあ多少はこっちで止めてますから」 |
P | 「そうですよね、やっぱり」 |
小鳥 | 「だって、変な格好させたらイメージダウンになっちゃうじゃないですか」 |
P | 「それもそうですね」 |
小鳥 | 「あ、ちょっといいですか?」 |
P | 「はい」 |
小鳥 | 「このスレッド見せてください」 |
P | 「このスレッドって?」 |
小鳥 | 「ほら、これですよこれ」 |
P | 「げっ…これ、見るんですか?」 |
小鳥 | 「はい、見・せ・て・く・れ・ま・す・よ・ね?」 |
P | 「…分かりました、今開けますよ」 |
小鳥が指を指した先には… |
【気になる】765プロの秘密兵器・音無小鳥Part87【お歳頃】 |
と書かれていた。 |
小鳥 | 「知らなかったわ…まさか私が…」 |
P | 「自分の名前で調べたこととかは無かったんですか?」 |
小鳥 | 「まさか、そんなことするわけ無いでしょ。アイドルじゃないんですから」 |
P | 「そ、それもそうですね」 |
小鳥 | 「…これ、全部目を通してたりします?」 |
P | 「一応は、確か悪いことは書かれてなかった気がしますよ」 |
小鳥 | 「それならば良いのですが…」 |
P | 「何か、やっぱり『結婚したい』とかも多かった気がします」 |
小鳥 | 「そうですか…えっと…」 |
P | 「でも、誰にも渡しませんよ」 |
小鳥 | 「はい…誰にも渡されません」 |
ぎゅっ |
小鳥とプロデューサーは思い切り抱きしめあった。 |
P | 「だって、俺だけの小鳥さんですから」 |
小鳥 | 「プロデューサーさんだけが、私の大切な人ですから」 |
P | 「…続き、見ます?」 |
小鳥 | 「いいです。見ても何にもなりませんし」 |
P | 「そうですね、じゃあこのスレッドは閉じてっと」 |
小鳥 | 「あとはどんなスレッドがあるんですか?」 |
P | 「そうですね、これなんてどうです?」 |
小鳥 | 「えっと…『高槻のやよい軒に行って見たんだが』…ですか、フフフ」 |
P | 「いや、あるのは知ってるんですけど実際行ったことは無いんですよね」 |
小鳥 | 「私も、聞くには聞いたことがあるんですけど…」 |
P | 「一度くらいは行ってみたいですね」 |
小鳥 | 「何とか都合付けてみますか?」 |
P | 「出来ますかね?」 |
小鳥 | 「大阪の方でツアーをしてみるとかどうです?」 |
P | 「まあやってみる価値はありそうですね」 |
小鳥 | 「とりあえず、今後の検討課題にしておきましょ」 |
P | 「そうですね、頑張りましょうか」 |
小鳥 | 「はい」 |
二人は微笑み合いながら今後のことを考え始めていた… |