とある日の事務所にて… |
小鳥 | 「あら?亜美ちゃん真美ちゃん、何を見てるの?」 |
亜美 | 「もうすぐあずさおば…じゃなかった、おねーちゃんの誕生日だしー」 |
真美 | 「真美たちも何かプレゼントしようと思ってamazonで調べてたのー」 |
小鳥 | 「それでプレゼントは決まったの?」 |
亜美・真美 | 「「これだよー!」」 |
小鳥 | 「こ、これは…!」 |
その画面に映っていた物、それは… |
小鳥 | 「抱き枕…ね、どうしてこれにしたのかしら?」 |
亜美 | 「だって、amazonってお酒無いんだもん」 |
小鳥 | 「へ?」 |
真美 | 「うん、せっかく大人なあずさお姉ちゃんにプレゼントしたかったのにい…」 |
小鳥 | 「あのね真美ちゃん、亜美ちゃん。未成年なのだから買えないでしょ」 |
亜美 | 「あ、そっかあ…」 |
真美 | 「だからあずさお姉ちゃんのイメージで選んでみたんだよー」 |
小鳥 | 「なるほど、柔らかそうなイメージでこういう抱き枕と」 |
真美 | 「それに真美たちのお小遣いじゃ、あんまり高いの買えないもんね」 |
亜美 | 「だよねー、だからこれにしようかなーって」 |
小鳥 | 「いいんじゃないかしら、素敵だと思うわよ」 |
真美 | 「じゃー、これにしよっか亜美」 |
亜美 | 「そうだね真美、えっと…亜美のアカウントでいい?」 |
真美 | 「うん。あ、でも真美のAmazonギフト券使う?」 |
亜美 | 「え?残ってるの?この前使ったんじゃなかったのー?」 |
真美 | 「使おうと思ったけどやめたんだー」 |
亜美 | 「そっか、亜美はもう使っちゃったから真美のアカウントで買うことにしよっか」 |
真美 | 「そうだねー、これで500円分引けるから…」 |
亜美 | 「それじゃあ予算が浮くから、これも付けよっか?」 |
真美 | 「でもそれじゃあ予算オーバーだよー」 |
亜美 | 「少しくらいいいじゃん、お世話になってるんだからさ」 |
真美 | 「だけど今月はもう、お小遣いの使い道は決まっちゃってるし」 |
亜美 | 「削れるところ、少しくらいあるっしょ?」 |
真美 | 「ジュース5本くらいなら…しょうがないかー」 |
亜美 | 「………」 |
真美 | 「………」 |
小鳥 | 「そっか、もうあずささんの誕生日なのね」 |
と、自分用のパソコンに向かう小鳥。 |
小鳥 | 「あずささんにプレゼントかあ…どうしようかしら?」 |
amazonの商品を見定め始めた。 |
小鳥 | 「あ、これいいかも…でも男性向けだからプロデューサーさんへの方がいいかなあ…」 |
真美 | 「ピーヨちゃん、兄ちゃんがどーしたの?」 |
小鳥 | 「ふわあっ!真美ちゃん。ど、どうしたのかしら?」 |
真美 | 「終わったからこっち来たんだけどー、ピヨちゃんも選んでたから見てただけー」 |
小鳥 | 「そっか、私もあずささんへのプレゼントを見てたの」 |
亜美 | 「そーなんだー。へー、こういう手もあったんだ」 |
小鳥 | 「化粧品は消耗品だから、こういうのも喜ばれるわよ」 |
真美 | 「でもあずさお姉ちゃんなら、芸能関係者からけっこう貰えそうだよ」 |
亜美 | 「うんうん、亜美たちにはお菓子とかしかくれないのにねー」 |
小鳥 | 「フフフ、そうなのね」 |
亜美 | 「亜美たちだって充分大人だよ」 |
真美 | 「うんうん、大人だよねー」 |
小鳥 | 「そこがギャップなのかもしれないわね、思ってることと思われてることって違うものよ」 |
真美 | 「うーん、しょうがないかー」 |
小鳥 | 「あ、そうだ。これの購入手続きが終わったら、ちょっと隣の部屋に来てくれるかしら?」 |
亜美 | 「隣の部屋って衣裳部屋のこと?」 |
小鳥 | 「そうよ…フフフ…」 |
真美 | 「何だかピヨちゃんが妖しいよー、亜美」 |
亜美 | 「でも面白そうだね、行こうよ真美」 |
真美 | 「ピヨちゃん、先に行ってていい?」 |
小鳥 | 「ええ、いいわよ」 |
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ここは隣の衣裳部屋… |
小鳥 | 「さて、まずはどちらからにしようかしら?」 |
亜美 | 「え…ピヨちゃん、何するの?」 |
真美 | 「…ピヨちゃん、怖いことじゃないよね?」 |
小鳥 | 「ええ、大丈夫よ。それじゃあまずは亜美ちゃんからね」 |
亜美 | 「う…うん」 |
……… |
数十分後… |
小鳥 | 「さ、出来たわよ。これでこれを着て」 |
亜美 | 「765プロの事務服だ、いいの?」 |
小鳥 | 「いいわよ、だってこれ衣装でしょ?」 |
亜美 | 「あ、そうだったー」 |
ススススス |
衣装へと袖を通す亜美。 |
小鳥 | 「…どうかしら?」 |
亜美 | 「うわあ…これが本当に亜美なの…?」 |
小鳥の施した化粧と衣装で見違えるほど美人へと変身した亜美がそこには居た。 |
小鳥 | 「素材が羨ましいほどいいから…化粧のノリが良くて…羨ましいわ…」 |
真美 | 「亜美!?本当に亜美だよね?」 |
亜美 | 「うん、亜美は亜美だよ」 |
小鳥 | 「フフフ、双子だからここで並ぶと違いが良く分かるわよ」 |
と、二人を全身鏡の前に立たせる小鳥。 |
亜美 | 「うわあ…亜美、本当に変わっちゃったんだあ」 |
真美 | 「大人っぽくなったねー、いいなあ亜美」 |
小鳥 | 「ほら、真美ちゃんもいらっしゃい」 |
真美 | 「ピヨちゃん、真美にもしてくれるの?」 |
小鳥 | 「もちろんよ、してあげるわ。でも亜美ちゃんとはちょっと違う感じにね」 |
……… |
さらに数十分後… |
小鳥 | 「はい、真美ちゃん。真美ちゃんはこれを着てくれるかしら?」 |
真美 | 「わー、チャイナドレスだー」 |
小鳥 | 「真美ちゃんの今のお化粧なら、これが似合うと思うわ」 |
真美 | 「それじゃあ着てみるね」 |
シュシュシュシュシュ |
衣装へと袖を通す真美。 |
小鳥 | 「フフフ…うん、バッチリね」 |
真美 | 「…さっきの亜美のとは全然違うー」 |
亜美 | 「ホントだー、亜美はお姉さん系だったけど真美は大人の女性だー」 |
小鳥 | 「うん、やっぱり変わったわね…素材が良いのが羨ましい…」 |
真美 | 「何だかいつもの自分じゃないみたいだよー」 |
小鳥 | 「そうね、どうかしら変わってみた感想は」 |
亜美 | 「楽しかったけど…やっぱりいつもの亜美がいいなー」 |
真美 | 「真美もやっぱりこういうのはたまにでいいよー」 |
小鳥 | 「フフフ、そう言ってくれると思ってたわ」 |
亜美・真美 | 「「え…?」」 |
小鳥 | 「自分らしくが一番…だと思うの。だから急に変わろうと思わなくてもいいんじゃないかしら」 |
亜美 | 「そーだね、ピヨちゃんの言うとおりだね」 |
真美 | 「うんうん、真美たちはまだ真美たちのままでいっか」 |
小鳥 | 「よしっ、じゃあこんな時間だしおやつでも食べに行きましょ」 |
亜美 | 「ピヨちゃんおごってくれるの?」 |
小鳥 | 「いいわよ、たまにはね」 |
亜美・真美 | 「「やったー!」」 |
小鳥 | 「それじゃあ化粧を落として衣装を仕舞ったら行きましょ」 |
亜美・真美 | 「「うんっ!」」 |
二人分の笑顔に、小鳥も思わず微笑んでいた… |