愛 | 「雪歩さーんっ!」 |
雪歩 | 「キャッ!」 |
じゃぼーんっ |
愛は何かに飛び込んだようだ。そして上がる水しぶき。 |
雪歩 | 「もう…愛ちゃん…」 |
愛 | 「あははっ、ゴメンなさーい」 |
雪歩 | 「そんなに深くは無いんだから、気をつけないと身体痛めちゃうよ」 |
愛 | 「でも、気持ちいいですねっ」 |
雪歩 | 「うん…やっぱり広いお風呂はいいよね」 |
愛 | 「はいっ、こういう温泉って久しぶりですっ」 |
雪歩 | 「外でいっぱいお仕事したし、ここでゆっくりしようね」 |
愛 | 「はーい」 |
……… |
その日の昼… |
雪歩 | 「こんにちはー」 |
愛 | 「こんにちはっ!」 |
雪歩 | 「萩原雪歩です」 |
愛 | 「日高愛ですっ」 |
雪歩 | 「今日はちょっと遠くに来ています」 |
愛 | 「この後ろの雪像、凄いですね雪歩さん」 |
雪歩 | 「そうだね、愛ちゃん」 |
愛 | 「そういうわけであたしたちは今日、雪祭りに来てるんですっ」 |
雪歩 | 「ここは○○県△△△市、○○県の□□地方と呼ばれてる場所にあります」 |
愛 | 「でも寒いですっ、雪歩さん」 |
雪歩 | 「うん。今年は特に雪が多いって聞いてるけど…凄いね」 |
愛 | 「この寒さは私でも元気が無くなっちゃいそうです」 |
雪歩 | 「ほら愛ちゃん、元気出してぇ」 |
愛 | 「はいっ」 |
雪歩 | 「ではこの雪祭りの実行委員の方にお話を聞きたいと思います」 |
愛 | 「☆☆さん、どうぞっ」 |
実行委員 | 『ようこそ△△△へ萩原さん、日高さん。実行委員の☆☆です』 |
雪歩 | 「今日はよろしくお願いします…」 |
|
雪歩 | 「こちらは…お茶席なんですね」 |
実行委員 | 『はい。雪の場所でこういうのは初めてですか?』 |
雪歩 | 「はい…でも私、お茶にはうるさいですよ☆☆さん」 |
実行委員 | 『そんな萩原さんにも満足してもらえると思ってますよ』 |
愛 | 「雪歩さん、目が真剣ですっ」 |
雪歩 | 「それならちょっと戴いていこうね、愛ちゃん」 |
愛 | 「はいっ。こういうところで飲むって新鮮ですね」 |
雪歩 | 「☆☆さん、どうしてこういう催しができたんですか?」 |
実行委員 | 『………』 |
|
雪歩 | 「☆☆さん、今日は一日ありがとうございました」 |
愛 | 「ありがとうございましたっ!」 |
実行委員 | 『萩原さん、日高さん、今日はどうでしたか?』 |
雪歩 | 「あの戴いたお茶は本当に美味しかったです」 |
愛 | 「あたしはあの龍の雪像が凄い迫力でしたっ」 |
実行委員 | 『これからも機会があったらぜひ△△△へいらしてください』 |
愛 | 「こんな楽しい場所ならまた是非来たいですっ」 |
雪歩 | 「雪の時期だけじゃなくて、また他の季節にも来たいなぁ…」 |
愛 | 「じゃあ今日はこのへんでお別れですねっ雪歩さん」 |
雪歩 | 「そうだね愛ちゃん、じゃあいつものね」 |
愛 | 「はいっ」 |
雪歩 | 「じゃあ来週も…」 |
雪歩・愛 | 「「また見てくださーい!」」 |
……… |
愛 | 「気持ちいいですねー」 |
雪歩 | 「うん…何だか蕩けちゃうかも…ふー…」 |
すっかり心地よくなっている雪歩。 |
愛 | 「雪歩さん、何だかいつもと雰囲気が違ってますね」 |
雪歩 | 「そうかなあ?」 |
愛 | 「だって、いつもはもう少しキリッとした感じですよっ」 |
雪歩 | 「気持ちいいからこうなっちゃってるんだよぉ」 |
愛 | 「じゃあ…」 |
つんっ |
湯の中で何やら突いた愛。 |
雪歩 | 「ひゃんっ!も…もう、愛ちゃんったらぁ…」 |
愛 | 「えへへー、そんな雪歩さんを見てたらついいたずらしたくなっちゃいました」 |
雪歩 | 「むー…」 |
愛 | 「でも雪歩さんの肌って綺麗ですね」 |
雪歩 | 「そ、そうかなぁ?」 |
愛 | 「あたしの事務所の絵理さんくらいですっ」 |
雪歩 | 「そうかも…前に見た時、そんな感じだったなぁ」 |
愛 | 「とっても綺麗で、何だか触ってると気持ちいいです」 |
雪歩 | 「んっ!まだ触ってるしぃ…」 |
愛 | 「今日は雪歩さんとお仕事ができて良かったです。何か先輩と一緒って色々学べて新鮮でした」 |
雪歩 | 「そう言ってもらえると嬉しいな。私なんかで学べることがあったって」 |
愛 | 「話し方とか対応の仕方とか…まだまだあたしじゃ出来てない事も沢山あるんだなって」 |
雪歩 | 「大丈夫だよ。私だって昔はこんなにできなかったんだから…」 |
愛 | 「そうなんですか?」 |
雪歩 | 「うん…ゆっくりプロデューサーと克服して…だから今こうしてやっていけるんだぁ」 |
愛 | 「へー、そっかあ…」 |
雪歩 | 「だからきっと愛ちゃんも…ね」 |
愛 | 「はいっ、頑張りますっ」 |
雪歩 | 「今日はでも…愛ちゃんの元気さに私も引っ張られちゃったかな」 |
愛 | 「そ、そうですか?」 |
雪歩 | 「私一人だけだったらきっと乗り切れなかったかもって思うよ」 |
愛 | 「あたしも役に立ててたんですね」 |
雪歩 | 「大助かりだったよぉ」 |
ぎゅうっ |
雪歩は近くにいた愛の身体を抱きしめた。 |
雪歩 | 「今日は…ありがとね」 |
愛 | 「えっと…どういたしましてです」 |
雪歩 | 「フフっ…恥ずかしがってる?」 |
愛 | 「こんな近くに寄られたのって女の人でも初めてですよぉ」 |
雪歩 | 「何だか嬉しかったから…ね」 |
愛 | 「でも…何だかこうされるのも…悪くない気がします…」 |
雪歩 | 「もう少しだけ…こうしてていいかなぁ?」 |
愛 | 「はい…雪歩さん」 |
二人は結局逆上せそうになるまでこうしてゆっくりとしたお湯で信頼を確かめ合っていたという… |