In the Middle of Slumber(微睡みの最中に)

ここはとある日の765プロダクションの仮眠室…
雪歩「くぅ…くぅ…」
アイドルや徹夜する社員の休憩のための部屋である。
雪歩「すぅ…すぅ…うふふ…」
そんな部屋に一人の少女が眠っている…
雪歩「くぅ…真…ちゃん…」
そこに…
カチャッ
小鳥「ふー、やっと仕事が一段落したしちょっと仮眠しようっと」
仮眠室へと入ってきた女性が一人。
小鳥「…あら?雪歩ちゃんが居るのね…」
ベッドは幾つかあるので特に問題は無い。
小鳥「やっぱり最近お仕事忙しかったから…疲れてるのね」
ツンツン
寝ている雪歩の頬をちょっと突っついてみる小鳥。
雪歩「んっ…」
小鳥「柔らかくて瑞々しくて、ちょっと嫉妬しちゃうわ」
ぷにぷに さわさわ
寝ている雪歩の頬を触ってみる小鳥。
雪歩「んんっ…」
小鳥「気持ちいいわね、羨ましいわ…ってこんなことしてられないわね、私も寝よっと」
隣のベッドに手持ちの目覚ましをセットして、小鳥は横になった。
 
数分後…
雪歩「トイレ…行こ…」
寝ぼけ眼で起き上がり、用を済ませて戻ってきた雪歩。
雪歩「ふう…まだ時間あるからもう少し…」
ここでようやく小鳥も寝ていることに気が付いた。
雪歩「あれ?小鳥さんも寝てたんだぁ…」
しかしどことなく寝ぼけている雪歩…
雪歩「おやすみなさーい」
そのまま入ったベッドは何と小鳥が居るベッドであった。
小鳥「(え?え…ど、どういうことなの?雪歩ちゃん)」
ドアを開ける音で少し目を覚ました小鳥は、その雪歩の行動に完全に目が覚めていた。
雪歩「温かいです…くぅ…」
小鳥「ちょ、ちょっと雪歩ちゃん??」
雪歩「ぐぅ…すぅ…」
小鳥「まあ、でもこのまま起こすのも気が引けるわよね」
小鳥がベッドから抜けようとすると…
ガシッ
小鳥「えっ!?」
雪歩の回した腕が的確に小鳥のことを捕まえていた。
雪歩「フフフ…真ちゃん、放さないから…」
小鳥「(ど、どうしたらいいの私…ちょっと待って落ち着け、落ち着くのよ)」
雪歩「すぅ…どうしたのぉ?もっとくっついてきていいのに…」
小鳥「(真ちゃんと雪歩ちゃんの関係ってそんななの!?)」
雪歩「もっと…くぅ…いつもの真ちゃんらしくないよ…」
小鳥「(…もうこれはしばらく身を任せるしかないわね)」
雪歩「クンクン…あれ?真ちゃん…ふぅ…石鹸変えたの…?」
小鳥「(私のことを完全に真ちゃんだと思ってるみたいだわ)」
雪歩「今度の香りも…すぅ…嫌いじゃないから…」
小鳥「(でも…どうしましょうか。ま、気にしててもしょうがないから寝ちゃおうっと)」
小鳥はもう気にすること無く、再び眠りへとついた。
 
雪歩「ふわぁ…そろそろ起きないとダメかなあ」
と、雪歩が目覚めると…
雪歩「ええっ!?ど、どうして私小鳥さんと一緒に寝てるの!?」
隣に寝ている人を見つけ、すっかりパニックになってしまった。
雪歩「何で?どうして?」
ゆさゆさゆさゆさ
とりあえず小鳥のことを起こすことにしたようだ。
小鳥「んんーっ!…あら雪歩ちゃんおはよう」
雪歩「おはようございます…え、えっと…」
小鳥「どうしたのかしら?何か取り乱してるみたいだけど」
雪歩「ど、どうして小鳥さんが私のベッドに居るんですか!?」
小鳥「もしかして雪歩ちゃん、まったく憶えてないの?」
雪歩「え?え?」
小鳥「雪歩ちゃん、一度出て行って戻ってきた時にこっちのベッドに入ってきたのよ」
雪歩「ええーっ!?」
小鳥「私がそっちの、雪歩ちゃんが寝てたベッドに移ろうと思ったら…」
雪歩「思った…ら?私、もしかして何かしました…?」
小鳥「身体をがっしり押さえられちゃって、動けなかったの」
雪歩「うう…すみません小鳥さん」
小鳥「しかも、寝惚けて私のことを真ちゃんと勘違いしてたみたいね」
雪歩「え?じゃあ夢の中のあの真ちゃんは…」
小鳥「たぶん全部私かしら」
雪歩「本当にすみませんでした、小鳥さん」
小鳥「いいのよ、もう終わってしまったことだから」
雪歩「恥ずかしいよぉ…」
小鳥「でも、雪歩ちゃんと真ちゃんの関係があんなだなんて思わなかったわ」
雪歩「私、全部寝言で話しちゃいました?」
小鳥「まあ、それなりにかな」
雪歩「………」
もう顔がすっかり真っ赤な雪歩。
小鳥「でも…好きならいいんじゃないかしら」
雪歩「小鳥さん…」
小鳥「表沙汰にならないようにしなさいね」
雪歩「は、はいっ」
小鳥「よし、それで雪歩ちゃんのこれからの予定は?」
雪歩「えっと、4時半に雑誌の取材があって…」
小鳥「それならそろそろ準備した方がいいかも、髪も崩れちゃってるわ」
雪歩「え?あ、本当ですね」
小鳥「まあまずはシャワーを浴びてきた方がいいかしら」
雪歩「今から使っても大丈夫ですか?」
小鳥「大丈夫よ、シャワー室の鍵は今持ってくるから入る準備してて」
雪歩「はい、ありがとうございます」
小鳥「あ、そうだ。雪歩ちゃん」
雪歩「何でしょうか?小鳥さん」
小鳥「雪歩ちゃんの身体、温かかったわよ」
雪歩「うう…小鳥さぁん…」
その言葉にまた顔を紅くしてしまった雪歩なのであった…
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あとがき
飛神宮子です。
考えてみたら小鳥さんとの組み合わせを書いていない人がいたので…
なかなかやっぱり雪歩は癖がありますね…難しかったです。
さてあと765プロで残すはやよいとあずささんです。
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2009・04・19SUN
飛神宮子
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