Serene Smile(曇りの無い笑顔)

ここはある日のとある楽屋…
絵理「フフフ…ぬっこぬこ〜♪」
持参したノートパソコンで何かを見ていた絵理。
真美「おねーちゃん、何してんのー?」
絵理「え…?誰…?」
真美「え?だって楽屋に呼んだのはおねーちゃんっしょ?」
絵理「あ、真美ちゃん…」
真美「そだよ。それで何見てたの?」
絵理「えっと…猫?」
真美「あ、ほんとだー。この猫可愛いねー」
絵理「…ん…」
真美「それで真美をどうして楽屋に呼んだの?」
絵理「え…?あ…その…」
カチッ カチカチッ
ウインドウを閉じて何やらファイルを開いた絵理。
真美「あ、この前の真美と千早お姉ちゃんのだ」
それは少し前の歌番組での映像だった。
絵理「うん…」
真美「それでこれがどうしたの?」
絵理「えっと…」
カチッ ツツツツツ
絵理は再生位置を移動した。
絵理「ここ…」
真美「あーっ!真美たちこんな風になっちゃってたの!?」
そこにはカメラ位置が明らかに下になっていて、ダンスも相まって…
真美「これは兄ちゃんに言っておかないとだよー」
絵理「気が付いてなかった…?」
真美「うん…ダンスするときはそういうことあんま考えないもん」
絵理「でもいいな…ダンスとか得意…?」
真美「そだね、もう苦手とかっていう気持ちは無いかも」
絵理「そうだ…」
ゴソゴソ ゴソゴソ
絵理は持ってきた大き目のカバンから何かを探し始めた。
絵理「これ…」
真美「これって…ビデオカメラに三脚…どしたの?」
絵理「真美ちゃんのダンス、一度参考にしたい…それで呼んだから…」
真美「ええっ!?ま、真美の?」
絵理「…今日いい機会だったから…」
真美「んー…どうしようかなあ…」
絵理「…ダメ?」
真美「見せても減るもんじゃないからいいけど…」
絵理「良かった…これで参考資料が増えるから…」
真美「え?参考資料ってどういうこと?」
絵理「え、えっと…」
真美「むー…言わないなら真美、協力しないよ?」
絵理「それは困る…。でも…うぅ…」
真美「おねーちゃん、どうしたの?」
絵理「それなら…」
カチカチッ
絵理は別の動画ファイルを開いた。
真美「あれ?これって真美と千早お姉ちゃんの新曲のダンス…」
絵理「………」
真美「これ踊ってるのって、おねーちゃん?」
絵理「そうだけど…だから恥ずかしい…」
真美「あれ?でも歌は真美たちのだ」
絵理「歌は苦手だから…」
真美「だからダンスを録りたいってこと?」
こくんっ
絵理は一つ頷いた。
真美「んー、うん、それなら踊ってあげる」
絵理「…ありがと…真美ちゃん」
ギュッ
真美は絵理に抱きしめられた。
真美「お、おねーちゃん!?」
絵理「あ、ご…ゴメン…真美ちゃん…」
真美「ううん、いきなりだったからビックリしただけだよ」
絵理「だけど…嬉しくて…」
真美「でもおねーちゃんって…思ったより身体付きいいんだね」
絵理「…!?ま、真美ちゃん…」
真美「真美より大きいって抱きしめられただけで分かるもん」
絵理「何だか恥ずかしい…」
真美「でも真美だって前逢った時より大きくなってるの分かる?」
絵理「ん…大きくなったって思う…テレビで見てるだけでも分かるから…」
真美「もういおりんとかも追い越しちゃったもん、まだまだ大きくなるよ」
絵理「まだ成長の余地があるって…フフフ…羨ましいな…」
真美「でも、おねーちゃんくらいでもいいかなー。それくらいがちょうどいいかも」
絵理「82…?」
真美「うん。まずははるるんの83を目標にしてるんだもん」
絵理「でも大きくてもそんなに良くはないかも…」
真美「そうかなー、まあこればかりは成長してみなきゃ分からないよね」
絵理「うん…」
真美「でも真美の場合亜美と比べられちゃうから」
絵理「頑張って…真美ちゃん」
真美「うんっ!じゃあそろそろダンスしよっか?」
絵理「あ…お願いできる…?」
………
〜♪
真美「こんな感じだよ」
絵理「やっぱりステップが違った…?」
真美「そうかもしれないよ。今回のダンスステップ、すんごく難しかったもん」
絵理「これを観て頑張ってみよう…」
真美「真美ので参考になれば嬉しいよ」
絵理「きっと…参考になるから…」
真美「あ、もうそろそろ生放送だ」
絵理「緊張する…」
真美「ゲストなんだから緊張しなくって大丈夫だよー」
絵理「雪歩さんも…会うの久し振りだから…」
真美「じゃあ真美は先にスタジオ行ってるよ、待ってるねー」
絵理「うん…」
絵理は曇りの無い優しい笑顔で一言そう答えた…
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あとがき
どもっ、飛神宮子です。
絵理と真美。実は亜美も含めても絵理とは初めてでした。(あと両方と絡んでないのは春香だけ)
日陰…真美はもしかしたら瞬時に絵理のそれを感じたのかもしれません。
あ、そうそう。絵理は今年メインで出てくるSSとしては最後です。
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2011・10・31TUE
飛神宮子
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