ここはある日の事務所… |
響 | 「ええっ!?自分がか!?」 |
P | 「ああ、今週のピンチヒッターを頼まれて欲しいんだ」 |
響 | 「うーん、予定はどうなんだ?」 |
P | 「オーディションは日曜日だな。春香はオフ、真は俺が雪歩と美希とで連れて行く」 |
響 | 「え?じゃあ自分と亜美は誰が連れてってくれるんだ?」 |
P | 「律子もやよいと仕事だから、小鳥さんになると思う」 |
響 | 「ピヨ子かー、了解。それで本当に自分でいいのか?」 |
P | 「ああ。他にできそうなのがいないからな、しかも真の代わりとなるとさ」 |
響 | 「よし、相方のために一肌脱いでやるぞ」 |
P | 「ありがとな、響。これから時間はあるか?」 |
響 | 「ん?今日は自主トレのために来たから、別に大丈夫さ」 |
P | 「それなら今日この件についての打ち合わせもいいか?」 |
響 | 「そういうことか。うん、今からでもいいぞ」 |
P | 「じゃあちょっと待っててくれないか?書類持ってくるからさ」 |
響 | 「どこで待ってればいいんだ?」 |
P | 「えっと…あ、そこの打ち合わせ用のテーブルに掛けててくれ」 |
響 | 「はいさーい」 |
|
P | 「…それでこうなるんだけどどうだ?」 |
響 | 「あのさ、自分が真のコーナーやるってことか?」 |
P | 「なるべく亜美のコーナーは多めにとるけど、さすがに人気コーナーだからやらないわけにもいかないんだ」 |
響 | 「自分、そういう声出すの…恥ずかしいぞ」 |
P | 「そこを何とか頑張ってくれ。そういえば響のそういうのってあまり聞かないな」 |
響 | 「普段からそういうの出さないでやってるからさー」 |
P | 「今回はイメージを変えるチャンスかもしれないぞ?」 |
響 | 「そういうイメージは…お断りしたいぞ」 |
P | 「そうか?」 |
響 | 「自分はまだこのスタンスでいきたいさ」 |
P | 「まあそれならそれでいいけどさ、でもコーナーはやってもらうからな」 |
響 | 「うー、分かったさ」 |
P | 「あとは…」 |
そこに… |
ガチャっ |
亜美 | 「おっはよーん!兄ちゃん。あ、ひびきんも」 |
真美 | 「兄ちゃん、ひびきん、おっはー!」 |
P | 「お、おはよう亜美、真美」 |
響 | 「はいさーい、亜美、真美」 |
P | 「二人とも今日はどうしたんだ?」 |
亜美 | 「え?だって今日は午後から衣装合わせって言ったっしょ?」 |
真美 | 「真美は夕方から千早お姉ちゃんとレッスンだよん」 |
P | 「おお、そうだったな亜美…あ、じゃあまだ時間あるな」 |
亜美 | 「どしたの?兄ちゃん」 |
P | 「来週末のラジオの打ち合わせだ」 |
亜美 | 「来週末って…あれ?まこちんはどしたの?」 |
P | 「美希と雪歩との仕事が入ってな、だからピンチヒッター頼むことになってさ」 |
亜美 | 「あれ?もしかしてひびきん?」 |
響 | 「そうさー」 |
亜美 | 「そっかー。で、ひびきんがあのコーナーやんの?」 |
P | 「一応短いけどやってもらうことにしたぞ」 |
亜美 | 「ってことは、残りは亜美のコーナー?」 |
P | 「ま、そういうことだ。とりあえず亜美も来た事だしあらためて打ち合わせしようか」 |
響 | 「そだな、プロデューサー」 |
P | 「そうだ真美、千早は確かボイス自主トレでトレーニングルームにもう来てるぞ」 |
真美 | 「あ、兄ちゃん了解っ。じゃあ亜美、真美はそっち行ってくるねー」 |
亜美 | 「うん、いってらー」 |
バタンッ |
真美は何やら思いついたのか笑顔で駆け出していった。 |
P | 「よし、じゃあ亜美も入れてあらためて打ち合わせするぞ」 |
亜美 | 「ほいほーい」 |
響 | 「んでさープロデューサー、自分こういうしゃべり方のままでいいか?」 |
P | 「そうだなあ…いいんじゃないか?真もあの言葉でやってるしさ」 |
亜美 | 「そだよ、ひびきんが自分って言わないとひびきんらしくないよ」 |
響 | 「そうか?亜美」 |
亜美 | 「うんうん。だって言葉遣いが違ってる時って、他のみんなでも違う感じするもん」 |
P | 「それは俺もそう思う。だから響はそのままでいいと思うよ」 |
響 | 「そっか…じゃあ自分はこのままでいくぞ」 |
P | 「あ、でも真のコーナーの時だけはちゃんと合わせてな」 |
響 | 「それは仕方ないさ…あのコーナーはなあ…」 |
亜美 | 「ひびきんの甘い声聞くの楽しみだー」 |
響 | 「うう…自分本当にやらなきゃダメか?」 |
P | 「まあ仕方ないと思って諦めてくれ」 |
響 | 「分かったけどさー…」 |
P | 「仕方ないな、番組終わったら何かしてもらうように小鳥さんに頼んでおくから」 |
響 | 「…いいのか?」 |
P | 「それくらいはお礼も兼ねてやらないとだろ?」 |
亜美 | 「兄ちゃん、亜美にはー?」 |
P | 「亜美はレギュラーなんだから」 |
亜美 | 「ちぇー」 |
P | 「でも今回は一緒に何か食べるなりしてもらってくれていいぞ」 |
亜美 | 「わーい、やっぱり兄ちゃんは兄ちゃんだー」 |
P | 「さて、あとは亜美のコーナーについてだけど………」 |
……… |
ポーン♪ |
亜美 | 「双海亜美と…」 |
響 | 「我那覇響の…」 |
亜美・響 | 『空のなないろ!』 |
♪〜 |
二人のタイトルコールで今週も番組が始まった。 |
亜美 | 「2時になったよー。ラジオの前の皆さんこんにちはー。今週は双海亜美と…」 |
響 | 「菊地真のピンチヒッターで我那覇響がお送りするぞー」 |
亜美 | 「えっと先週言ってた通り、まこちんは今週はお休みだよ」 |
響 | 「真は今は確か…雪歩と美希と一緒にキャンペーンで京都に着いた頃かな?」 |
亜美 | 「あーひびきん、そんなこと言うと関西で聞いてるリスナーの人がそっち行っちゃって、これ聴いてくれなくなっちゃうよー」 |
響 | 「う…まあそれはそれさ。えっと、今日の空のなないろのメールテーマは『わたしはこれが明けました』だぞ」 |
亜美 | 「生放送だから今からでもお便り間に合うよー」 |
響 | 「FAXは〜〜〜〜、メールは〜〜〜〜〜。携帯からも大丈夫さ。お便りが読まれた方には番組特製ステッカーをプレゼントしてるぞ」 |
亜美 | 「今週は欲しい人はひびきんのサイン付きだよん」 |
響 | 「サインが欲しい人はそれもちゃんと書いてきてねー」 |
亜美 | 「それじゃあ今週も4時までの2時間、ラジオの波が私達とリスナーの…」 |
響 | 「七色の架け橋になりますように…」 |
2時間後、やり切って抜け殻になった響の姿がそこにはあったという… |