ここはある日の… |
雪歩 | 「萩原雪歩と…」 |
真美 | 「双海真美の」 |
雪歩・真美 | 『空のなないろ!』 |
♪〜 |
二人のタイトルコールで今週も番組が始まった。 |
雪歩 | 「時刻は2時になりました。ラジオの前の皆さんこんにちは。今週は私、萩原雪歩と…」 |
真美 | 「双海真美がお送りするよー!」 |
雪歩 | 「今日の空のなないろ、メールテーマは五月ってことであなたの周りの○○に五月蝿い人です」 |
真美 | 「生放送だから今からでもお便り間に合うよー」 |
雪歩 | 「FAXは〜〜〜〜、メールは〜〜〜〜〜。携帯からも大丈夫です。お便りが読まれた方には番組特製ステッカーをプレゼントしています」 |
真美 | 「あ、それと今週はもう一つ重要なテーマが追加されるよ」 |
雪歩 | 「それはCMの後にお伝えします」 |
真美 | 「でもいいのかな?こういうことしてさー」 |
雪歩 | 「しょうがないよ。亜美ちゃんとも約束したんだよね?」 |
真美 | 「亜美が他のみんな使う代わりにってことでね」 |
雪歩 | 「それなら私たちはこっちで頑張ってみよう」 |
真美 | 「うんっ」 |
雪歩 | 「それでは今週も4時までの2時間、ラジオの波が私達とリスナーの…」 |
真美 | 「七色の架け橋になりますように…」 |
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そしてCM明け… |
雪歩 | 「今週の空のなないろは萩原雪歩と…」 |
真美 | 「双海真美でお送りしてるよん」 |
雪歩 | 「それでさっきの重要なテーマっていうのはですね…これは真美ちゃんから説明してね」 |
真美 | 「はいはーい。えっと他の週の番組も聴いてるリスナーの兄ちゃんや姉ちゃんは、3月最後の週のやよいっちが出た時の放送って覚えてるかな?」 |
雪歩 | 「3月30日の放送分ってことだよね」 |
真美 | 「その時に、やよいっちがどこかに行ったって話をしてたはずだよ」 |
雪歩 | 「やよいちゃんは確か新潟に行ったんだっけ?」 |
真美 | 「あのね、その後4月のどっかで放送された番組が、それだったんだけど…あれね、ちょっとしたゲームをクリアしなくちゃなんだ」 |
雪歩 | 「そのゲームって言うのがぁ…」 |
真美 | 「それがね、真美たちのプロデューサーが出すヒントの答えが行き先っていうやつなんだ」 |
雪歩 | 「それで真美ちゃんと亜美ちゃん、別々の場所に行くことになってるんだよね?」 |
真美 | 「うん。だからこれをちゃんと当てないと行けなくなっちゃうんだ」 |
雪歩 | 「つまり、リスナーの皆さんへのもう一つの重要なテーマというのは…」 |
真美 | 「次に言う3つのヒントから、真美の行くところを当ててほしいんだよー」 |
雪歩 | 「皆さん、真美ちゃんのために本当にお願いしますぅ」 |
真美 | 「本当に困ってるから、リスナーの兄ちゃん、姉ちゃん、お願いだよっ!」 |
雪歩 | 「それで、ヒントってどんな言葉なの?」 |
真美 | 「それがね…1つ目が数字で89、2つ目が青葉、3つ目が七夕だって」 |
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雪歩 | 「全然分からないね…」 |
真美 | 「うん…あ、えっと今まで765プロのみんなが行った、岡山、茨城、新潟、愛知、大阪と、あと東京は違うっていうのもヒントだよ」 |
雪歩 | 「ねえ、これはプレゼントとかどうしよう?」 |
真美 | 「あー、そだね。当たった人から抽選で5人までに、真美が何かお土産買ってくるよ」 |
雪歩 | 「それがいいね。それに私たちのステッカーにサインを入れてね」 |
真美 | 「そだね。えっとこっちの〆切は生放送終了までだかんね」 |
雪歩 | 「よろしくお願いしますぅ。じゃあ最初のお便りは……」 |
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その頃… |
律子 | 「あ、もうラジオ始まってる時間ね…」 |
律子は事務所で事務作業をしていた。 |
律子 | 「あっちも悩んでいるようだけど、こっちはどうかしらね」 |
律子はパソコンにイヤホンを着けて、ソフトを起動した。 |
雪歩 | 『それで、ヒントってどんな言葉なの?』 |
真美 | 『それがね…1つ目が数字で89、2つ目が青葉、3つ目が七夕だって……』 |
律子 | 「ふーん、そっちは分かりやすいヒントかしら。3番目なんて割とそのままね」 |
亜美 | 「あれ?律っちゃん、何聴いてんの?」 |
律子 | 「雪歩と真美のラジオよ。そっちでもやってるわ」 |
亜美 | 「律っちゃん、亜美も聴きたいよー」 |
律子 | 「それなら今イヤホン外して聴こえるようにするわね……」 |
……… |
番組も終盤に近付き… |
真美 | 「うーん、二つのどっちかかなー?」 |
雪歩 | 「どっちだろうね…」 |
真美 | 「2つともどっちにも当てはまってるんだよね」 |
雪歩 | 「リスナーの人も宮城と神奈川、2番目も3番目もこれがあるって真っ二つだったね」 |
真美 | 「決め手は何か無いかな?」 |
雪歩 | 「えっと次はこのメールだって。新潟の老朽部さん」 |
真美 | 「ありがとー」 |
雪歩 | 「雪歩ちゃん、真美ちゃん、こんにちは」 |
真美 | 「こんにちはー」 |
雪歩 | 「真美ちゃんの行き先ですが、私は宮城だと思います…だって」 |
真美 | 「えー、何で何で?」 |
雪歩 | 「この89っていうのはおそらくですが、バスケットの仙台89ersのことじゃないかなと思うのですがどうでしょう?」 |
真美 | 「そんなチームがあるの?」 |
雪歩 | 「スタッフの人から一緒にもらった資料にあるみたい…うん。89は仙台に関係する年数なんだって」 |
真美 | 「じゃあきっとこれだよ!たぶんラジオを聴いてる律っちゃーん!宮城でファイナルアンサーにするよー!……」 |
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真美 | 『たぶんラジオを聴いてる律っちゃーん!宮城でファイナルアンサーにするよー!』 |
ラジオから真美の元気な声が聞こえてきた。 |
律子 | 「フフフ…」 |
その律子の手は… |
PiPiPi♪… |
電話へと動いていた。 |
Trrrrrr…Trrrrrr… |
律子 | 「もしもし、765プロダクション事務の秋月です……はい……では明日東京駅新幹線改札口に11時でお願いします」 |
カチャンッ |
律子は受話器を戻した。 |
律子 | 「帰ってきたらこの中の物、渡してあげますか」 |
律子は机の鍵を開けた。そこに… |
亜美 | 「あれ?律っちゃーん、鍵を開けたってことはもしかして真美のはさっきのが正解だったの?」 |
亜美がやってきた。 |
律子 | 「フフフ、そういうことよ。早く亜美も正解を当てなさい」 |
亜美 | 「うー、あと1つこれがっていうのが無いんだよー」 |
律子 | 「それじゃあ私からヒントね。みんな持っている携帯電話出してみなさい。誰か一人くらいはそこに関係するのを使ってるかもしれないわ」 |
亜美 | 「えっ…?」 |
……… |
翌日の東京駅改札口… |
律子 | 「綾瀬さんですね、私は765プロプロデューサー兼事務の秋月です」 |
穂乃香 | 「はい、956プロダクションの綾瀬穂乃香です」 |
そこには黒髪のポニーテールの女性が一人、真美の到着を待っていた。 |
律子 | 「今日はうちの双海をよろしくお願いします」 |
真美 | 「よろしくお願いしまーす、綾瀬さん」 |
穂乃香 | 「そんな堅苦しくなくても構わないです、双海さん」 |
真美 | 「でも真美の方が年下だもん」 |
穂乃香 | 「それでも、私の方がこの世界まだ短いですから…私にとっては先輩ですね」 |
真美 | 「それなら、真美のことは真美でいいよん」 |
穂乃香 | 「分かりました、真美さん。私のことは穂乃香でお願いします」 |
真美 | 「うんっ、穂乃香お姉ちゃんっ!」 |
穂乃香 | 「えっ?お姉ちゃんって…」 |
真美 | 「真美、年上の人でもあだ名かお姉ちゃんって呼ぶから…ダメかな?」 |
穂乃香 | 「私は…真美さんがそれで良ければ、それでお願いします」 |
律子 | 「それでは綾瀬さん、2日間よろしくお願いします。真美、行ってらっしゃい」 |
真美 | 「行ってくるよー、律っちゃんっ!」 |
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新幹線の車内、二人は隣同士に座っていた。 |
真美 | 「ねえねえ、穂乃香お姉ちゃんって昔何かやってたの?」 |
穂乃香 | 「えっ…どうしてです?」 |
真美 | 「だって、動きが結構綺麗で何かモデルさんみたいだったもん」 |
穂乃香 | 「それはたぶん、やっていたバレエの影響でしょうか」 |
真美 | 「バレエってあの踊る方の?」 |
穂乃香 | 「はい。あの頃の癖はまだ抜けていないみたいです」 |
真美 | 「そうなんだ。結構今日は暑いのに薄着じゃないのもそれ?」 |
穂乃香 | 「あっ…」 |
この日の気温は夏日を記録するほどまで上がる予想。確かにこの時期の服装にしては異様ではある。 |
穂乃香 | 「やっぱり長年の癖って抜けませんね」 |
真美 | 「そーなんだ。でも背もスッとしてて、綺麗でかっこいいなあ」 |
穂乃香 | 「そう…ですか?」 |
真美 | 「うんっ!何か今日また一人いいお姉ちゃんができたって感じだよ」 |
穂乃香 | 「ありがとうございます、真美さん。フフっ」 |
真美のその言葉に、穂乃香は一つ微笑みを返していたという… |
HAPPY BIRTHDAY!! Mami FUTAMI.