ここは小鳥とプロデューサーが同じ姓になった後のある休日の事務所。 |
全員をオフにしてプロデューサーと小鳥だけで雑務をしていた。すると… |
小鳥 | 「うっ…」 |
そこに突然の吐き気を示す声。 |
小鳥 | 「ちょ、ちょっとトイレ行ってきます…電話頼みますねプロデューサーさん…」 |
そう、小鳥であった。 |
P | 「は、はい分かりました」 |
その声を背中に小鳥はトイレへと向かった。 |
……… |
そのトイレで、吐き気を何とか収めた小鳥。 |
小鳥 | 「でも、どうしたのかしら…最近何だか身体がおかしいかも…」 |
ジャーーーー |
とりあえず流して事務室へと戻ろうとしたが、嘔吐感は収まろうとしない。 |
小鳥 | 「もしかして…でも確かに…」 |
二日酔いとは違う。しかしそれを考えるには少し躊躇いをみせたが、どう考えても思い当たる節はあった。 |
小鳥 | 「一応確かめて…みるべきよね」 |
意を決して小鳥は何とか事務室へと戻った。 |
……… |
事務室に戻り… |
P | 「小鳥さん、大丈夫ですか?」 |
プロデューサーも何だか心配の様子である。 |
小鳥 | 「はい…あ、あれ?忘れ物したみたい。もう一回行ってきますね」 |
P | 「分かりました…でも何だか体調悪そうですし、本当に大丈夫ですか?」 |
小鳥 | 「だ、大丈夫ですから」 |
P | 「無理だけはしないでくださいね」 |
小鳥は自分の机からある物を取り出した。そしてそれをポケットへと放り込み、再びトイレへと向かっていった。 |
……… |
再びトイレにて… |
小鳥 | 「やっぱり…バッチリ反応しちゃってるわね…」 |
小鳥はその表示を見て、事の確信をした。 |
小鳥 | 「プロデューサーさんに…報告しなくちゃよね…でも、うっ…!」 |
嘔吐感が再び押し寄せてきたようだ。 |
……… |
P | 「小鳥さん遅いなあ…」 |
プロデューサーは仕事を処理しながらも心配そうに待っていた。 |
P | 「いくらなんでもこんな時間かかるわけないよな…」 |
そして… |
P | 「ちょっと行ってみるか」 |
プロデューサーも電話を留守番電話に変えてトイレへと向かった。 |
……… |
小鳥 | 「んっ…ふぅ…どうしよう…プロデューサーさんのところに行かなくちゃ…」 |
小鳥が洗面台で落ち着いた頃… |
コンコン |
なぜか廊下のドアをノックする音がした。 |
小鳥 | 「えっ、だ、誰ですか!?」 |
P | 『俺です。いや、あまりに戻ってこないんで心配になって来たんですけど…』 |
小鳥 | 「プロデューサーさん…あの、誰も周りに居ないですか?」 |
P | 『はい。とりあえずこのフロアは俺達しかいないですよ』 |
小鳥 | 「それならちょっと入ってきて」 |
P | 『えっ…い、いいんですか?』 |
小鳥 | 「はい。プロデューサーさんに言わなくちゃいけないこともあるんで」 |
P | 『分かりました』 |
カチャッ |
プロデューサーは一応もう一度周りを見渡してトイレへと入っていった。 |
小鳥 | 「プロデューサーさん…」 |
P | 「それで何ですか?話って…」 |
小鳥 | 「これ、見てもらえる?」 |
小鳥は後ろ手に持っていた物をプロデューサーへと見せた。 |
P | 「えっ…もしかして…」 |
小鳥 | 「最近止まってたし、ずっと体調も少しおかしいとは思ってたの…」 |
P | 「俺の…ですよね?」 |
小鳥 | 「もちろんです。だってアナタ以外考えられないわ」 |
P | 「その言葉、信じます」 |
チュッ |
プロデューサーは小鳥へと口付けをした。 |
P | 「今日の帰り、行ってみますか?」 |
小鳥 | 「ええ。ちゃんと確かめたいから」 |
P | 「じゃあ今日の仕事は早めに切り上げましょう。…っと、その前に…」 |
ピッピッピッ Trrrrr…Trrrrr… |
とある場所に電話をかけているプロデューサー。 |
社長 | 『もしもし』 |
P | 「お休みのところすみません、社長ですか?」 |
そう、社長である。 |
社長 | 『そうだが。○○君、急にどうしたのかね?』 |
P | 「あのですね…」 |
ここまでの経緯を社長へと報告するプロデューサー。 |
社長 | 『おめでとう。○○君と小鳥君のであるならば、事務所としても一個人としても祝福したい』 |
P | 「ありがとうございます、社長」 |
社長 | 『しかしそうなると一時的に事務員も補充しなくてはならないな。律子君だけに任せるわけにもいかないだろう』 |
P | 「すみません。自分がしっかりと考えていればこんなことには…」 |
社長 | 『いや、いいのだよ。君たちは夫婦なのだから、それは当然のことだ』 |
P | 「それで詳細は今日の診断後にまた報告いたします」 |
社長 | 『分かった。吉報を祈っているぞ』 |
P | 「はい。あ、小鳥が一言言いたいそうなので代わります」 |
小鳥 | 「もしもし、社長ですか?」 |
社長 | 『小鳥君かね、まずはおめでとう』 |
小鳥 | 「ありがとうございます。この事務所に入ってこんな幸せなことになるとは思いませんでした」 |
社長 | 『いやいや、私も小鳥君には幸せになってもらいたかったからな』 |
小鳥 | 「社長…」 |
社長 | 『それでだね、さっき○○君には話したのだが事務仕事はいつくらいまで大丈夫かね』 |
小鳥 | 「そうですね…できれば早急にお願いできますか?つわりが出ているみたいなんで…」 |
社長 | 『分かった。すぐに確保する体制を整えるぞ』 |
小鳥 | 「よろしくお願いします。それでは失礼します」 |
社長 | 『小鳥君、吉報を期待しておるからな』 |
Pi♪ |
P | 「やっぱり社長には報告しなくちゃって思ってさ」 |
小鳥 | 「そうね。社長のおかげで私たちこうなれたんだから」 |
P | 「よし、とりあえず事務室戻ろうか。ふらつくんだったら俺に掴まって」 |
小鳥 | 「ありがとう、アナタ」 |
お腹を押さえながら寄り添い、その幸せの温もりを感じていた小鳥なのであった… |