Predictable Results(予測できる結果)

ここはある日の撮影用スタジオのプール…
亜美「おっはよ、愛ぴょん」
「おはよー亜美ちゃん。今日はよろしくね」
亜美「よろしくー。この前は真美とだったんだよね?」
「あれは恥ずかしかったー。あんな格好だって聞いてなかったんだよ」
亜美「そうだったんだ。真美は前々から聞いてたって話だよん」
「あたしだけ教えてもらって無かったんですよ。酷い話だよねー」
亜美「でも可愛かったよ」
「何だかそういうの見られるのって恥ずかしいかもです」
亜美「今日の撮影はどんな感じか聞いてるの?」
「うん。今日はしっかり前に聞いといたよ」
亜美「でもアイドルってこういうのが大変だよね」
「今の時期に着るのも仕事だから、仕方ないですけど」
亜美「だけど亜美たちって歌が本業なんだけどね」
「そうですね。だからこれでもっと注目されればいいですよね」
亜美「あ、兄ちゃんだ。兄ちゃーん!」
「やっぱりさすがに寒そうだな、さぶいぼ出来てるぞ」
亜美「そうだよー。いくら温水プールだって言っても寒いよー」
まなみ「愛の方も大丈夫そうね」
「今日は張り切って行っちゃいますよー!」
まなみ「そんなこと言ってると午後からの別の撮影が大変なのにねえ」
「亜美はこっちで用意したからな…って実はちょっと今回はリアルさ追求のために、借り物なんだけどな」
亜美「そなんだ。誰の誰の?」
「やよいのだ。ちゃんとクリーニングはしてきたし、使ったらちゃんとクリーニングして返すからさ」
亜美「了解…って亜美のサイズで大丈夫?」
「ああ。ほとんど変わらないからさ」
亜美「んー」
………
亜美「兄ちゃん、どんな感じの写真になるの?」
「ありのままだってさ。二人一緒ならどんなでもいいって」
「それじゃあ亜美ちゃん、一緒に走り回っちゃおうっか」
まなみ「こーら、愛。あんまりカメラさんに迷惑を掛けちゃダメよ」
「えへへ、はーい」
スタッフ『それでは撮影に入りまーす。双海さんと日高さんはこちらにお願いします』
亜美・愛「「はーい」」
亜美「じゃあ兄ちゃん行ってくんねー」
「おう、頑張ってこいよ」
「行ってきます、まなみさん」
まなみ「行ってらっしゃい、気を付けてね」
「日高さん、だいぶこなれてきましたね」
まなみ「これも事務所の皆がいいからかもしれないです」
「そろそろ涼さんのことも考えてあげてくださいね」
まなみ「それは…」
「この前もうちの事務所に相談しに来られたんですから」
まなみ「やっぱり…最近時々居なくなると思ったらそうだったんですか…」
「そちらの事務所の方針も分かりますけどね。律子ももういいって言ってくれてますし」
まなみ「わ、分かりました…」
亜美「兄ちゃーん!ちょっと来てー」
「まなみさーん!こっちに来て下さーい」
「行きますか」
まなみ「そうですね」
プロデューサーとまなみの二人は亜美と愛の許へと向かった。
「何だ?亜美」
まなみ「何かしら?愛」
亜美「愛ぴょん」
「亜美ちゃん」
亜美・愛「「せーのっ!」」
バシャンッ
プロデューサーとまなみに思い切り水を掛ける亜美と愛。
「うわあっ!って、やっぱりな…」
まなみ「ええ。全く…予想通りだったわよ」
「亜美と日高さんってことで、予想はついてましたよね」
まなみ「愛と双海さんですもんね」
亜美「えっ!?兄ちゃんどしたの?」
「な、何がですかまなみさん」
その場で着ていた物を、水着だけ残して脱ぎ出した二人。
「どうせこうなるのは分かってたさ」
まなみ「昨日電話で話してたの。きっとこうされるって」
すっかり水着姿の二人。
着ていた服はお願いしておいたスタッフに控室へ入れてもらう手筈まで付けていたのだ。
亜美「あーあ、読まれちゃってたんだー愛ぴょん」
「つまんないねー、亜美ちゃん」
「もうお前たち、頭から思い切り掛けてやるからな」
まなみ「そうですね。二人でやりましょうか」
亜美「な、何か兄ちゃん達の目怖くない?愛ぴょん」
「そ、そうだね逃げようか亜美ちゃん」
亜美・愛「「逃げろーー!!」」
P・まなみ「「こら、待てー!!」」
結局亜美と愛の二人は男のプロデューサーには勝てず、二人まとめてまなみの制裁水攻撃を受けるのであった…
………
場所は変わって学校撮影用の現場…
「あ、亜美ちゃんの可愛いー」
亜美「そうかな?でもこれやよいっちからの借り物だよ」
「そっか、亜美ちゃんまだ小学生だったっけ」
亜美「うん。歌の衣装だったらいっぱいあるんだけどね」
「でもこの汚れ具合は衣装じゃ難しいもんね」
亜美「そうそう。それでサイズが合うのがやよいっちだったんだって」
「なるほど、そうだったんですね」
亜美「愛ぴょんのだって可愛いじゃん。似合ってるよー」
「ありがと亜美ちゃん。でも制服って何か勉強しなくちゃって感じが嫌だよね」
亜美「うんうん。ちゃっちゃと撮影終わらしちゃお」
「うんっ」
亜美「あ、兄ちゃんだ。兄ちゃん、似合ってるー?」
「似合ってるぞ。やよいが直で来る時にその制服見てるけど、やっぱり亜美が着ると違うな」
「まなみさん、あたしはどうですか?」
まなみ「いいんじゃないかしら。中学生らしさが出てるわよ」
亜美「愛ぴょーん」
と、亜美は愛の後ろへと静かに迫って…
「亜美ちゃん、なーに?」
亜美「そーれっ!」
「キャッ!」
バサッ
亜美はプロデューサーとまなみに見えるように、愛のスカートめくりをして逃げて行った。
「恥ずかしいよお…もう、亜美ちゃん!待てー!」
愛も亜美を追いかけるようにどこかに行ってしまった。
亜美「待てって言われて待つ人なんて居ないよーだ!」
「…うちの亜美がすみません…」
まなみ「…はい。こちらこそ短絡的ですみません…」
二人は呆れ顔になって、愛と亜美が戻って来るのを待っていたという…
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あとがき
どもっ、飛神宮子です。
真美と愛に似たようで少し違うこの組み合わせです。
やっぱりポイントは「いたずら心」でしょうね。
少なくとも真美だったら最後のことはしない、それがうちの設定ですよ。
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2010・10・15FRI
飛神宮子
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