oin on the Place for the Future(未来に繋がる場所)

ある日のこと…
真美「ねえねえ律っちゃーん、これはどこー?」
律子「それはそっちの棚の上から2段目にシリーズがあるからそこに入れて」
小鳥「やよいちゃん、次はそれを隣の部屋にお願いね」
やよい「はーい、じゃあ行ってきまーす」
律子「ふう、しかしさすがに凄い量ねぇ…」
小鳥「これもみんながお仕事を頑張った賜物よ」
律子「そっち側の壁、あとどれくらいで空くかしら…」
真美「ピヨちゃん、次は何運べばいいのー?」
小鳥「あ、次はこの棚を一緒に動かしてもらえるかしら?」
真美「いいよー、じゃあ真美がそっち行くね」
その壁の方から…
やよい『小鳥さーん聞こえますかー?』
小鳥「どうしたのー?やよいちゃーん」
やよい『これ、こっちのどの机ですかー?』
小鳥「どの机でもいいから置いてちょうだい」
やよい『はーい』
どうやら事務室を拡張するための準備のようである。
律子「このパーティションももう不要なんですね」
小鳥「広くなっても事務は私たちだけなのよね、律子さん」
律子「でも応接できる場所が他の部屋っていうのも面倒ですし」
小鳥「ここと繋げちゃった方が効率も上がるわよね」
律子「じゃあここも粗方片付きましたし、隣の部屋の壁側を片付けますか」
真美「律っちゃん、もういいの?」
律子「ええ。やよいも待ってるから、そっち行きましょ」
 
律子「この倉庫は相変わらず見ても凄いわ…」
真美「今までお仕事をしてきた歴史だねー」
小鳥「でももうこっち側の方から壁は動かせそうかしら」
やよい「少しずつこっちも片付けちゃってましたー」
律子「ありがとうやよい、じゃあ二手に分かれましょ」
小鳥「それなら私と真美ちゃん、やよいちゃんと律子さんでいいかしらね」
真美「それでいいんじゃないかな」
律子「やよいと私で残りを片付けますから、小鳥さんと真美で壁を動かしてください」
やよい「律子さん、残りやっちゃいましょー!」
真美「えっと、これってどういう風にやんの?」
小鳥「これはね…」
かちゃっ
小鳥が端のロックを外した。
小鳥「それで確かそっちにちょっとずらして」
ガラガラガラ
壁になっていた部分が少し動いた。
小鳥「それでこう回せば…」
ガラガラ…ばたんっ
横の壁へとその部品が収まっていった。
真美「へー、こんななってたんだー」
小鳥「あとは順番にやっていけばいいわ」
真美「あれ?動かないよー」
小鳥「ほら、このストッパー外し忘れてるわ」
真美「あ、ほんとだー」
カチャッ がらがらがらがら
真美「うあー、面白ーい」
律子「それにしてもアイドルにこんなこと頼むなんてねえ」
やよい「でもでも掃除って綺麗になるからたのしいですよ」
律子「やよいは昔からよくやってもらってたものね」
やよい「はいっ、だからこういうのって何かワクワクしますー」
律子「でも真美は今日はどうして来たの?」
真美「え?真美は亜美についてきただけー」
律子「亜美は…あ、だから今日プロデューサーがいないのね」
小鳥「ラジオそろそろかしら?」
律子「それなら流しながら作業しますか」
小鳥「ええ、そうね。ちょっと隣のをセットしてくるわ」
 
♪〜
『菊地真と…』
亜美『双海亜美の…』
真・亜美『空のなないろ!』
『時刻は2時を回りました。今日の空のなないろはボク、菊地真と』
亜美『双海亜美でお送りするよんっ…』
真美「始まったねー」
律子「このコンビも随分と板についてきたわね」
やよい「真さんが毎回大変そうですー」
小鳥「でも、いいストレス解消にもなるって言っていたわよ」
律子「あ、やよいそれはそのテーブルに載せておいて」
やよい「はーい」
律子「これでこの壁まで動かせるかしら」
真美「じゃあ、ちゃっちゃとやっちゃうねー」
かちゃっ ガラガラガラガラガラ…バタンッ
隣の部屋との壁が全て取り払われた。
律子「あとはこっちの部屋に掃除機を掛ければいいかしら」
やよい「私持ってきますー」
真美「あ、真美も行くよー」
律子「この広くなった分、事務員を…っていうことでもないんですよね」
小鳥「人数が人数だから仕方ないわ」
律子「でも過去の書類を取りに行くのにいちいちドアを開けて隣の部屋…とかにはもうならないからいいですね」
小鳥「だけどこれは本当に歴代のお仕事の積み重ねね」
律子「もう長いことみんな…一緒ですから…」
小鳥「フフフ、やっぱりやよいちゃんは大切な子?」
律子「はい…大切なパートナーです」
そこに…
真美「持ってきたよー」
やよい「でも掃除機掛ける前に…これしとかないと」
やよいは何やら長い棒にハタキがついた物を持ってきた。
真美「あー、真美がやりたいー」
やよい「でもこれ使い方難しいよー」
真美「大丈夫大丈夫、どこからやればいいの?」
やよい「あの棚から落としていってね」
真美「うんっ」
律子「さて、私たちも机の上片付けていきましょうか」
小鳥「そうね、律子さん」
四人の掃除のおかげで、終わる頃には見違えるほどきれいな事務室が出来上がっていたという…
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あとがき
どもっ、飛神宮子です。
何気ない日常の四人です。
一人一人、目標は違っても積み重ねて大きくなっていったのは同じ。
求めてた自分の場所を見つけること、それが大切なのでしょう。
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2013・02・28THU
飛神宮子
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