ここは2月の… |
千早 | 「如月千早です…今日は私の誕生日ということで旅行に来ています」 |
千早がプロデューサーの持っているカメラに向かって喋り始めた。 |
千早 | 「今日はここがどこだか…フフフ、分かりますか?皆さん」 |
千早が周りの景色を見せるように動く。 |
千早 | 「はい、こちらは新潟県で北の方にある新発田というところです」 |
新発田城を背にした所で止めてようやく答を言った。 |
千早 | 「寒いですね…冬の日本海側ということで…凍てつくような寒さで…」 |
春香 | 「うわあっ!?」 |
どんがらがっしゃーん |
盛大に転んだ今回の千早のパートナー。 |
千早 | 「は、春香!大丈夫!?」 |
春香 | 「あいたたたぁ…ち、千早ちゃん…大丈夫だよ」 |
千早 | 「もう…はい、今回の私の旅のパートナーは…」 |
春香 | 「エヘヘ、こんにちは千早ちゃんと一緒のユニット紫陽花の天海春香です」 |
千早 | 「今日から私と春香の紫陽花デュオで新潟県の北部と山形県の一部を巡る予定です」 |
春香 | 「千早ちゃんと今日は新潟県、明日は山形県を一緒に回ります」 |
千早 | 「春香はどう、寒くない?」 |
春香 | 「やっぱり寒いよ、雪もまだいっぱい残ってるし」 |
千早 | 「こうやって雪のお城を見るのもなかなか雰囲気があっていいわ」 |
春香 | 「うん…雪の白と城壁の白がまた違ってていい感じだね」 |
千早 | 「でも本当は初夏くらいの頃も良いって、さっきプロデューサーに聞いたわ」 |
春香 | 「そうなの?」 |
千早 | 「春はアヤメが綺麗らしいわ。その時期にも来てみたいわね」 |
春香 | 「初夏くらいだと暖かくて気持ちよさそうだよね」 |
千早 | 「さて、次は一つ市を挟んで村上に向かいます」 |
春香 | 「村上…だっけ?何か前に雪歩がそこのお茶を貰ってきてたっけ」 |
千早 | 「そうね。あのお茶は一度淹れてもらったけど美味しかったわ」 |
春香 | 「では、次は村上の食事の場面を見せちゃいますね」 |
……… |
そしてここは山形県のとある市にある温泉宿。 |
千早 | 「ふう…今日は良かったわね…」 |
二人は食事も終えて隣同士にした布団の中でまったりしている。 |
春香 | 「うん。千早ちゃんと旅ができて…こういうの初めてだったっけ」 |
千早 | 「そうね…普段から一緒のユニットだけど、こうやって二人きりは…ね」 |
春香 | 「昼ごはん食べたお肉もお魚も美味しかったね」 |
千早 | 「ええ。特にあの鮭は特産というのもあって美味しかったわ」 |
春香 | 「千早ちゃん、私のケーキは?」 |
千早 | 「もちろん…」 |
チュッ |
春香の頬にそっとキスをする千早。 |
千早 | 「美味しかったわ。春香の作るケーキは世界一よ」 |
春香 | 「そこまで言われると何か照れちゃう…」 |
千早 | 「私なんかのために手作りしてくれて…ありがとう春香」 |
春香 | 「だって他ならぬ千早ちゃんのためだもん、それくらいなんてことないもん」 |
千早 | 「嬉しい…仲間がいてくれたからこそ…きっとこの世界でやれてるの…」 |
春香 | 「千早ちゃん…」 |
千早 | 「他のみんなもそうだけど…やっぱり私にとっての一番は春香よ」 |
春香 | 「私も千早ちゃんと一緒にやってきたからこそ、ここまで出来たのかなって思うよ」 |
千早 | 「春香…」 |
春香 | 「だから今回、千早ちゃんにこうして選んでもらえて…嬉しかったんだ」 |
千早 | 「だって、春香以外考えられなかったもの」 |
春香 | 「私も第1希望は千早ちゃんだよ。でもこういう形になったってことは、私の誕生日は違う人と…ってことだよね」 |
千早 | 「そうね…でも一度でもこうして一緒にいられるんだから…」 |
春香 | 「そうだね」 |
千早 | 「さて…明日も早いしそろそろ寝ましょう」 |
春香 | 「えー、まだ時間が早いよー」 |
千早 | 「でもまた起きれなくなったら大変よ」 |
春香 | 「むー…」 |
千早 | 「ほら、早く…」 |
その瞬間… |
ぎゅうっ |
春香は腕で千早を引き込んだ。 |
春香 | 「千早ちゃん、もっと近付いて」 |
千早 | 「えっ…そ、そんな近くで…?!」 |
少し顔を赤くした千早。 |
春香 | 「せっかくこういう機会なんだから…ね」 |
千早 | 「そうだけど…もう…」 |
春香 | 「千早ちゃん…いい匂い…」 |
千早 | 「ちょ、ちょっと春香?!」 |
チュウッ |
春香は千早の唇を奪った。 |
春香 | 「………ぷはぁっ、千早ちゃんの唇貰っちゃったぁ」 |
千早 | 「………はあっ…ど、どうして急にこんなことぉ…」 |
何だか艶っぽくなってきた千早と… |
春香 | 「こんな近くに千早ちゃんがいるから…もう抑えられないかも…」 |
興奮の度合いが少しずつ増してきた春香。 |
千早 | 「春香…んっ!」 |
千早はどこかを触られたようだ。 |
春香 | 「千早ちゃんの脇腹…ここから上がって…」 |
千早 | 「もう…春香がそんなことするなら…私だって…」 |
春香 | 「きゃんっ!ち、千早ちゃん…」 |
千早もそれに応戦し始めた。 |
千早 | 「春香のこと、今日は目茶目茶に…しちゃっていい?」 |
春香 | 「私だって、千早ちゃんのこと今日は寝かせないよ?」 |
千早 | 「もう…いいわ。今日は好きにして…」 |
春香 | 「私のことも好きにしちゃってね」 |
千早 | 「じゃあこれが邪魔ね、外しても構わないわよね?」 |
春香 | 「私も…千早ちゃんのいい?」 |
千早 | 「ええ…」 |
ススススス ススススス |
布擦れの音とともに、布団の中から出てくる浴衣。 |
千早 | 「布団の中でこういう姿って…普段はないから少し、恥ずかしい…」 |
春香 | 「うん…それも大好きな人と…って」 |
千早 | 「こうやって見ると春香が羨ましい…」 |
春香 | 「私は千早ちゃんのそれが…好きだからね」 |
千早 | 「春香…」 |
春香 | 「千早ちゃん…」 |
チュウッ チュッ チュッ チュッ |
啄ばむように合わさる互いの唇。二人の囀りは朝まで止むことはなかったという… |
HAPPY BIRTHDAY!! Chihaya KISARAGI.