Kotori's Passion Music(小鳥受難曲)

小鳥「え!えっ?ええぇぇーーっっ!?」
とある日の765プロに小鳥の叫び声。
小鳥「無理無理無理無理無理ですよ、プロデューサーさん」
「社長がどうしてもと言ってるんだけど…それでもダメ?」
小鳥「ど、ど、どうしてそんなことにっ!?」
社長「駄目かね?小鳥君」
小鳥「社長、どうしてなんですか?ちゃんと説明してください」
社長「む、そう言われたら仕方ない、説明するから聞きたまえ」
………
数時間前のこと…
社長「最近の活動はどうかね?」
「そうですね、プラハや秋のま〜ちはいいのですが、後発ユニットとして出したE139とVenusがどうも…」
社長「そうか…やはり難しいものだな。いくら同事務所とは言っても、一度出てしまえば敵同士となるからな」
「番組はかち合わないようにはしているのですが、やはり人気の差は簡単には…」
社長「む…ここは少しテコ入れが必要な時期かね」
「テコ入れですか、確かに必要かもしれませんがどのような方法で?」
社長「そこなんだが、全ユニットを一時休止してだね」
「休止!?そんなことをしたらファンが何て言うか…」
社長「待て待て、君も人の話は最後まで聞くものだぞ」
「は、はい、すみません」
社長「シャッフルユニットをやってみないかね?」
「シャッフルユニットですか?……それは、面白そうですね」
社長「たまにはこういう遊び心も必要かと思ってだな」
「しかし、そうなると組み合わせはどうするべきか…」
社長「そこなのだが、一つ考えてもらえぬかね?」
「は、はあ…分かりました」
 
「社長、こんな感じでどうでしょうか?」
社長「お、できたかね?見せてみたまえ」
と、メンバー表を社長へと差し出すプロデューサー。
ユニット1/如月千早・三浦あずさ
ユニット2/高槻やよい・水瀬伊織・双海亜美
ユニット3/萩原雪歩・秋月律子・菊地真
ユニット4/天海春香・星井美希
社長「んん、なかなかバラエティに富んどるな」
「ありがとうございます」
社長「しかしこのユニット4だが…少し心配だな」
「ここは自分としても実は少し歌唱力に難がある気がしますが」
社長「私も同感なんだが、ここに3人のところから1人持ってこれないかね?」
「それは考えたのですが、ユニット2は最年少トリオのこの3人がユニットとしてベストと思いますし、ユニット3は考えがありまして…」
社長「ほう、そこまで君が言うのなら動かしようが無いか…む、ティンときた!こうしたらどうかね?」
何やらメモに書き込む社長。
「本人が納得してくれるでしょうか?」
社長「そこの説得はまず君に任せる。駄目だったら私に頼んでくれないかね」
「分かりました、何とかやってみます」
………
社長「そういうわけなのだが、それでも駄目かね?小鳥君」
小鳥「私の歌唱力をそんな過大評価しないで欲しいのですが…」
社長「ハッハッハ、小鳥君の歌唱力は遜色ないぞ。君もそうだと思わんかね?」
「俺も小鳥さんの歌唱力やダンスは負けてないと思います。この前聞かせてもらったのもとても素敵でしたよ」
小鳥「そ、こ、こんな二十チョメチョメ歳に、そんな恥ずかしいことさせるんですか?」
「あれ?じゃあこの前やったアレは恥ずかしくなかったんですか?」
小鳥「あれは二人きりだからしただけで、もう…」
社長「ん?この前とは何のことだね?」
小鳥・P「「あっ…」」※詳しくは「Twelfth Shell〜十二枚目の衣装〜」参照※
社長「も、もしや…小鳥君にあのことをバラしたのかね?」
「は、はい…」
小鳥「もう…プロデューサーさんったら、私にあんな服やこんな服を…」
社長「ちょっと話があるんだがいいかね?」
「こ、小鳥さんだって喜んで着てたじゃないですかあ!」
小鳥「わ、私は別に喜んでなん…ハイ、確かに喜んで着てました」
社長「小鳥君…私がいくら君達の仲は黙認しているとはいえだね…」
小鳥「いえ、その出来心と言いますか、あのその…」
社長「それなら、やってくれるね?小鳥君」
社長の目が怪しく光った。
小鳥「今回だけですよね?社長」
社長「勿論だ、それだけは保障する」
小鳥「は、はい…それならば私、散る覚悟で…頑張ります」
 
そしてメンバーの初顔合わせの日…
「お、揃ったな。それじゃあ今まで違うユニットだったし、まずは自己紹介からかな」
春香「それなら私からでいいですか?」
「おう、誰からでも構わないぞ」
春香「はい、じゃあ…私は天海春香です、よろしくお願いします」
美希「ミキは星井美希なの、よろしくなの」
春香「あの…プロデューサーさん。ここに小鳥さんが居るのはどういう…?」
美希「あふぅ…プロデューサーさん、どうしてなの?」
「あ、言ってなかったか。二人組のユニットっていうのは実は嘘なんだ」
春香・美希「「ええーーっ!!??」」
春香「ど、どういうことですか?プロデューサーさん」
「実はな、今回のシャッフルユニットだけ小鳥さんも加わることになったんだ」
春香・美希「「ええーーっ!!??」」
二人が二度も驚くのも無理はないだろう。
「そういうわけだ、小鳥さん自己紹介を」
小鳥「は、はい…あ、あの…二人とも知ってるとは思うけど、音無小鳥です…」
美希「プロデューサーさん、どうしてこうなったの?」
「ちょっと色々あってな、これは後で小鳥さんの方から話してもらって。時間も無いし、早速レッスンに入ってくれ」
小鳥「え、プ、プロデューサーさん…分かりました、後で二人には伝えます」
「如何せん期間限定ユニットだからな、時間が本当に無くてスマンな」
春香「分かってます、美希もほら起きてったら」
美希「ミキ、まだ眠いの…あふぅ」
小鳥「もう…美希ちゃんらしいと言えばそうだけど」
春香「そうですね、小鳥さん」
美希「プロデューサーさん、お願いがあるの」
「ん?何だ?美希」
美希「ミキのエネルギー元、買ってきて欲しいの」
「…朝ご飯はどうしたんだ?」
美希「これがあるのを忘れてて、食べてこなかったの」
「まったく…しょうがないな、ちょっと行ってくるか」
春香「プロデューサーさん、私も飲み物が欲しくて…ダメですか?」
「春香もか…それじゃあちょっと行ってくるよ。小鳥さん、その間に三人でこのCD聴いててください」
小鳥「分かりました、ほら二人とも聴きましょこれ。プロデューサーさん、楽譜とかはどこですか?」
「あ、そこのテーブルの上にパート分けしてあるのが上がってるんで、取ってって下さい」
小鳥「了解です、後は私に任せて下さいね」
………
美希「むー、何だか音が採り辛そうなの…」
小鳥「ちょっと難しいわね、でも伴奏が難しいだけだわよ美希ちゃん」
春香「でもいい曲ですね、何だかボサノバっぽい…かな?って」
小鳥「確かに独特のリズムでいいわよね」
美希「んー、あれ?そういえば小鳥の衣装ってどうなってるの?」
春香「そうですよ、小鳥さんの衣装ってあるんですか?」
小鳥「あ、そのこととさっきのことは一緒なの。実はね…」
二人に全てを話した小鳥。
美希「あちゃー、そういうことだったの…」
春香「小鳥さん、大変だったんですね…」
小鳥「でももういいの。吹っ切れちゃったし、もうこうなったら…ね」
美希「小鳥、強いの。うーん、ミキも負けてらんないのっ!」
春香「恋をしている女性の強さ、見せてもらっちゃった気がしますっ!」
小鳥「だから頑張りましょ、春香ちゃん、美希ちゃん」
美希・春香「うんっ」 「はいっ」
こういう妙な形であるが、結束した3人。
「ただいまー、進んでます?小鳥さん」
小鳥「おかえりなさい、プロデューサーさん。少しずつですけど、何とかなりそうです」
美希「おかえりなの、プロデューサーさん」
「ただいま美希、おにぎりいっぱい買ってきたから好きなの選んで」
美希「わーいなのっ」
春香「プロデューサーさん、おかえりなさいっ」
「ただいま春香、これで良かったんだよな」
春香「はい、ありがとうございます」
「小鳥さん、これどうぞ」
小鳥「あ、ありがとうございます」
春香「小鳥さん、この辺のメロディなんですけど…」
小鳥「ここね。ここは大人しめの感じよね、暗い感じでは無いんだから難しく考えないでゆったり歌えばどうかしら」
美希「小鳥ー、ここのリズムはどうすればいいのー?」
小鳥「ここは伴奏を聴かないで自分でリズムを採るしか無いわね、ちょっとやってみるから聴いてて」
「…何だかんだでまとまってくれたみたいだな」
プロデューサーはこの三人のユニットを名づけた。三人の苗字の頭文字と四字熟語から『鈴音天星<りんねてんせい>』と…
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あとがき
飛神宮子です。
ちょっと面白いネタが急に降ってきたので1日で書き上げてみました。
このユニット名、実はうちのサイトの予定名称でした。今になってしてみればこっちでもよかったなと。
よく考えたらこの3人とあずささんだけですね、プロデューサーをさん付けするのは。
そうそう。このユニット3が、100のお題の「スカート」に出てくる「真月譚雪姫」です。
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2008・05・23FRI
飛神宮子
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