Cheer up Panacea(元気の万能薬)

ここはある日の夜の事務所…
小鳥「…ありがとうございます。では書類は、はい、明日にバイク便でお送りしますので、では失礼します」
カチャンッ
「小鳥さんどうだった?」
小鳥「何とか大丈夫だそうです。必要な書類は用意できてますよね?」
「はい。でも助かりました、ありがとうございます」
小鳥「もう、こんな大事なこと忘れてるなんてどうしたんですか?」
「最近色々あって、ちょっと集中出来てなかった…のかな?」
小鳥「ようし。それなら今日はお姉さんが元気が出る物を作ってあげましょう」
「え?い、いいんですか?」
小鳥「はい。こういう時こそ美味しい物を食べて、元気になった方が良いでしょう?」
「ありがとうございます」
小鳥「ほら、早く準備して帰りましょうよ」
「そうですね…って今日はどっちの家にします?」
小鳥「んー、私の家の方がいいかしら。調味料とかもあるし」
「じゃあ途中のあのスーパーに寄ってになりますね」
小鳥「そうですね。あ、もうこれだけよね?」
「はい」
小鳥「じゃあ先に着替えて来るんで、帰る前の点検お願いね」
「分かりました。あー、楽しみだなあ」
………
そしてここは小鳥さんのマンション…
小鳥「…なるほど、そういうことなのね」
「まあ俺は本人の意思は尊重したいところですけどね」
小鳥さんの料理を食べながら話し合っている二人。
小鳥「うちも周りもかなり色々動くのよね」
「どう思いました?」
小鳥「私も本人がそう言うならそれは尊重したいところだけど、大丈夫かしらね?」
「両立させるとは言っているんですが、それが逆に心配でして」
小鳥「辛い時でもあんまり外には言わないで、頑張っちゃう子だものね」
「でも社長もああ言ってるんで、とりあえずはやらせてみようかなと」
小鳥「まずは頑張ってもらいましょうか、それからでも遅くない…わね」
「はい。見た感じダメそうなら、強制してでも止めさせようかなって思ってますから」
小鳥「覚悟できてるのね」
「プロデューサー稼業ももう短くないですから」
小鳥「フフフ、頑張ってプロデューサーさん」
「はい。それにしてもやっぱり鯖は美味しいですね」
小鳥「この時期だけの美味しさよね」
「味噌煮込みもいいけど、こうして焼いただけでこの美味しさは反則ですよ」
小鳥「脂の乗りの勝利かしら。塩も良い感じで効いてるわ」
「でも小鳥さんの焼き方が良いのかな、自分で焼くのと全然味が違います」
小鳥「そんなに難しいものでも無いわ。ほら、こっちも食べて」
「美味しい…甘くて癒されますね」
小鳥「昨日ちょっと多く作りすぎちゃって、食べてくれるなら嬉しいわ」
「秋は何でも食べ物が美味しくていいですよね」
小鳥「そうですね。でも太っちゃいそうで困っちゃうのよ」
「大丈夫ですよ、小鳥さん全然そんなことは無いじゃないですか」
小鳥「でも…こことかこことか肉が付いちゃって…」
二の腕やお腹の辺りを指しながら言う小鳥。
「そんな風には見えないですけどね」
小鳥「プロデューサーさんったら…気にしてるんですから」
「あとでじっくり確かめてあげましょうか?」
小鳥「…○○さんのエッチ…」
「そういうところも可愛いんですから、小鳥さん」
小鳥「お、お姉さんにそういうこと、言うもんじゃありませんよもう」
小鳥の顔はすっかり紅くなっている。
「でも本当にそんな見えないですよ」
小鳥「そうですか?やっぱり後で…確かめてください…」
「…はい」
 
食事も終わって、ソファーの上で寄り添って座っている二人…
小鳥「これから…大変ですね、きっと」
「そうですね。いつでもサポートできるようにしないとですから」
小鳥「でも一人で何も言わずにやっちゃいそうですけどね、あの子なら」
「本当にそれが心配なんですよ。何も相談しないで突っ走っちゃいそうで」
小鳥「しっかり者だからこそゆえね」
「一応本人に言ってはありますけど…」
小鳥「始まったら私からもちょくちょく聞き出してはみるから」
「ありがとうございます」
小鳥「でもそっちの3人にもちゃんとかまってあげなくちゃダメよ」
「分かってますって。女性って…」
ぎゅっ
肩をそっと抱き寄せるプロデューサー。
「嫉妬深いですからね」
小鳥「…本当に普段は淋しいんですから」
「俺だって、普段離れて仕事するのが辛いですよ」
小鳥「私以外の女の子と一緒にいると思うだけで…ちょっと嫉妬しちゃってるんですよ」
「じゃあアイドルになってみます?そうすれば一緒にできますよ」
小鳥「そんな…無理に決まってるじゃない」
「そうですよね、だって…」
チュッ
プロデューサーは小鳥の頬へとそっと口付けた。
「小鳥さんは俺だけのアイドルですから」
小鳥「○○さん…」
ぎゅぅっ
小鳥はプロデューサーの胸へと顔を埋めた。
小鳥「今日も…プロデュースしてください」
「後でちゃんとしてあげますから」
小鳥「じゃあ先にお風呂入って…」
「え?お風呂なら一緒でも…どうせ見合ってる仲なんですから」
小鳥「もう…プロデューサーさんのことだからお風呂で早弁されちゃう…」
「いつものことじゃないか、それくらい」
小鳥「分かりました。用意してきますからお風呂場で待っててください」
「お湯はもう入ってるんですね?」
小鳥「ええ。この時間に入ろうと思ってたから入れてあるわ」
「それなら先に入って身体流してますから…必ず来て下さいね」
小鳥「もちろんよ」
チュッ
小鳥はプロデューサーの頬へとそっと口付けした。
………
そしてここは二人の居るベッドの上…
「今日は本当にありがとうございました、小鳥さん」
小鳥「いいえ、こうしてサポートするのが私の役目だもの」
「しっかり元気を貰えました。これで明日からも頑張れそうですよ」
小鳥「それなら良かったわ」
「じゃあ今度は俺の番…かな?」
小鳥「必要な時はサポートしてくださいね、○○さん」
チュッ
二人は今宵何度目かのキスを交わした…
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あとがき
どもっ、飛神宮子です。
とりあえず、これが私なりのTGSに対する「答え」です。
うちのSSでは暫定的に両立というかパラレルワールドとしていてもらいます。
律子はうちのサブエースですからね、今さら外すなんてできませんよ。
あ、律子がプロデューサーとして出てくる場合は、一覧のPの枠の色が律子色に変わりますので。
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2010・09・20NAT/MON
飛神宮子
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