Double Ortho(二つの真)

ここはとある日のダンス練習場…
「1!2!3・4・5!」
真美「よっ!ほっ!たたたんっ!と」
「2!2!3・4・5!」
真美「んっ!とっ!やたたんっ!」
「ふう…真美、なかなかやるなあ」
真美「へへん、まこちんには負けないもんね」
「ほらほら、そろそろ二人とも休憩だぞ」
真・真美「プロデューサー!」 「兄ちゃんっ!」
「はい、二人ともいつもの」
飲み物を手渡すプロデューサー。
真・真美「「ありがとー」」
「ゴクンッゴクンッ…あー、美味いっ」
真美「ゴクッゴクッ…んーっ、入ってくるー」
「でも真美があんなに上手いなんて思わなかった」
真美「でも真美、まこちんについてくだけで精一杯だったよー」
「しかし真美は精一杯とか言っていながら一通り踊れてたもんな」
「うん、ボクだって今回のダンスは辛かったのにな」
真美「でも面白い動きが多かったから、すぐに覚えられちゃった」
「確かに歌もダンスも今回の曲はなかなか妙だよね」
真美「だけど真美は好きなカンジだなー」
「ま、今回の曲はそういうコンセプトだしな」
「でもこの曲ってたぶんいつもの人じゃ無いですよね?」
「ああ。今回だけは振付があの人じゃないぞ」
「そっか、どうりで難しかったわけだ」
真美「でも楽しい曲だよねー」
「うん、まあね」
真美「兄ちゃん、この曲のテレビ収録っていつだっけ?」
「再来週だな、生放送の予定だぞ」
「えっ!?生放送ってことはあの番組ですか?」
「ああ。本当は違う収録番組になる予定だったんだけど、春香達が行くことになったからさ」
「うわー今から緊張してきたなあ」
真美「まこちん早いってば、まだ再来週じゃん」
「だけど生放送だからさ、真美は緊張しないの?」
真美「緊張するけど、それも楽しんじゃうからね」
「真美みたいな性格が羨ましいなあ」
真美「でも生放送ってことはもっともっと練習しないとだね」
「うん。じゃあこれ飲んだらもう少しやる?」
真美「いいよー、やろやろっ」
 
数十分後…
「ふー、これくらいやればいいかな?」
真美「そだねー、まこ兄ちゃんはやっぱり凄いよー」
「ん?今『兄ちゃん』とか言ったのはこの口かー?」
むにゅっ むにゅっ むにーー
真美の両頬を掴み引っ張る真。
真美「うー、いひゃいいひゃい!まこひんごめんなひゃいー!」
「まったく…今度言ったらこれじゃ済まないからね」
真美「ごめんなさーい」
「もう…本当に気にしてるのにさ」
真美「だって真美より小さいもん…」
「ん?今度『小さい』とか言ったのはこの口かー?」
むにゅっ むにゅっ むにーー
また真美の両頬を掴み引っ張る真。
真美「いひゃいいひゃい!まこひんごめんなひゃいー!」
「真美、わざとボクが怒るようなこと言ってない?」
真美「でも事実を言ったまでだもん」
「確かにそうだけどさあ」
真美「まこちーん」
わきわきわきわき
何だか妖しい動きをしている真美の手。
「ま、真美、まさか…」
真美「胸って揉まれると大きくなるって言うよねー」
もみもみもみもみ
と、真の胸を触り始めた真美。
「んっ!や、やめてって真美!」
真美「ここかあ?ここがええのんかあ?」
パンパン
「はいはい。あのなあ、俺が居ることを忘れてないか?二人とも」
真美「あ、兄ちゃん居たんだっけ」
「プロデューサー、見てないで助けてくださいよもう」
「いや、じゃれあってるっぽかったからな」
「そんな…言動を見れば分かるじゃないですか」
「ま、さすがにさっきの真美の言葉で止める気にはなったんだがな」
真美「このまま兄ちゃんが見てなかったら、もっとするつもりだったのになあ」
「それは見…」
「プロデューサー!」
「ゴホン、まあこれからこういうことは慎むように」
真美「はーい」
「よし、後片付けするから帰れる準備をしてきて」
真・真美「「はいっ」」
………
そして帰りの車で…
「本当に恥ずかしかったなあ、今日は」
「どうだったんだ?真美の手の感触は」
「それは気持ち良…って何言わせるんですか!プロデューサー」
真美「まこちんの胸、ちょっち硬かったかなー」
「真美!」
「それにしても真も満更じゃなかったのか」
「あうう、そう言われると否定できないかもなあ…」
「でもこれだけ仲が良ければ大丈夫だな、今度の収録も」
「それはバッチリです!」
真美「まかせてっ!」
「よし真美、いつものやつ」
真美「うん、いいよ」
真・真美『せーのっ、ドーン!』
二人は拳をぶつけ合ったようだ。
「へへーん、頑張ろうね真美」
真美「そだね。頑張ろ、まこ兄ちゃん」
「また『兄ちゃん』って言ってるし…でも、まあいいや」
真美「ゴメンゴメン、まこちん」
「(この二人なら…大丈夫だな)」
そう心に留めながら、プロデューサーは車を事務所へと走らせていた…
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あとがき
飛神宮子です。
この真美はもう亜美と分かれて活動している状態で、真と組んでいます。
と言うより、IRCのダイスがまたこんな組み合わせを選びやがりましたよ。
まあこの組み合わせ自体、2回目だったんでそう苦労はしませんでしたけどね。
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2009・04・11SAT
飛神宮子
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