ここはとある離れ宿。その前に一組の男女が… |
P | 「入るぞ、雪歩」 |
雪歩 | 「ほ、本当に誰も知らないんですよね?」 |
P | 「ああ。ここの人にも帰るまでは口は固くしてもらうように言ってあるからな」 |
雪歩 | 「ありがとうございます、プロデューサー」 |
P | 「何、良いってことさ。ベストセラー記念だからさ」 |
雪歩 | 「でも本当にビックリでした」 |
P | 「俺もだぞ。あれよあれよという間に20万部だもんな…」 |
雪歩 | 「私の書いた詩をそれだけの人に読んでもらえたってことですよね」 |
P | 「そうだな…まあとにかく寒いし入るぞ」 |
雪歩 | 「はい…」 |
周囲を注視した上でプロデューサーと雪歩は宿へと入っていった… |
……… |
P | 「食事は7時ってことだし、先にまずは一風呂入るか?」 |
雪歩 | 「そうですね。それからゆっくりしましょう」 |
P | 「まずは浴衣に着替えて…」 |
雪歩 | 「こっちの男性用がプロデューサーのですね」 |
P | 「じゃあちょっとそっちの床の間で着替えてくるから」 |
雪歩 | 「えっ…?」 |
P | 「別に見てもいいならいいけどさ、雪歩の着替え」 |
雪歩 | 「ああっ!ダメダメダメダメダメですぅ…」 |
P | 「じゃあその浴衣、もらえる?」 |
雪歩 | 「はい」 |
雪歩から浴衣を手渡してもらうプロデューサー。 |
P | 「じゃ、ちょっと着替えてくるから、終わったら呼んで」 |
雪歩 | 「はーい」 |
プロデューサーは床の間の障子の向こう側へと行った。 |
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P | 「さてっと着替えるか…ブッ!」 |
雪歩のいる部屋は電気が付いていてプロデューサー側は暗い。雪歩が着替えをしている影が映っているわけで… |
P | 「…まあ見ていないってことにしておくか…」 |
プロデューサーはそう呟きながらも内心はドキドキで着替えていた。 |
P | 「(…でも、雪歩も成長したな…)」 |
すっかり着替え終わってはいるのだが、まだ雪歩からの呼びかけはない。 |
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雪歩 | 「えっと、私のは色違いなんだぁ」 |
プロデューサーが行ったのを見計らって服を脱ぎ始めた雪歩。 |
雪歩 | 「やっぱりちょっと着込み過ぎちゃったかな?」 |
そしていよいよ下着姿になった。 |
雪歩 | 「恥ずかしいから…早く着ちゃおう…」 |
寒いこともあり、浴衣へと一気に着替えた。 |
雪歩 | 「プロデューサー、もういいですよ」 |
ススススス |
プロデューサーが障子を開けて出てきた。 |
P | 「お、色違いか。可愛いな、雪歩」 |
雪歩 | 「そ、そうですか?」 |
P | 「ああ。普段のワンピースもかわいいけどさ、浴衣姿っていうのも違っていいな」 |
雪歩 | 「ぷろでゅーさぁ…恥ずかしいですぅ…」 |
P | 「そんな恥ずかしがってないで、ほら風呂入りに行くぞ」 |
雪歩 | 「…はい」 |
……… |
その露天風呂… |
雪歩 | 「ふう〜…」 |
P | 「はあ〜…」 |
雪歩 | 「気持ちいいですね、プロデューサー…」 |
P | 「気持ちいいな、雪歩」 |
どうして一緒だって? |
雪歩 | 「だけど誰にも邪魔されないのっていいですね」 |
P | 「1日1組限定だからな。こういう場所だと結構あるらしいけどな」 |
雪歩 | 「でもこういう場所って高かったんじゃないですか?」 |
P | 「他ならぬ雪歩のためだからさ、社長も喜んで出してくれたぞ」 |
雪歩 | 「プロデューサーの分もですか?」 |
P | 「お目付役として…な。誰か居ないとトラブルになった場合困るだろ?」 |
雪歩 | 「はい…」 |
P | 「ま、そういうことは気にするな」 |
雪歩 | 「そうですね…でも、景色も綺麗…です」 |
P | 「あの遠くに見えるのは…クリスマスツリーみたいだな」 |
雪歩 | 「イルミネーションも綺麗…ですね」 |
P | 「こうやって外で温かい露天風呂に浸かりながら、クリスマスツリーを眺めるってのも不思議な感じだな」 |
雪歩 | 「それを大好きなプロデューサーと一緒だなんて…」 |
P | 「ゆ、雪歩…」 |
雪歩 | 「プロデューサー、もうちょっとそっちに行っても良いですか?」 |
P | 「何だよ、さっきは恥ずかしがっていたのに」 |
雪歩 | 「だって…どうしても寄り添いたくて…」 |
P | 「いいけどさ、ほらここ」 |
雪歩 | 「はい…」 |
ピトッ |
雪歩はプロデューサーへとくっ付いた。 |
ぎゅうっ |
その雪歩の身体をプロデューサーはさらに引き寄せた。 |
雪歩 | 「温かいです…プロデューサー」 |
P | 「俺も一人で浸かっている以上に温かいさ」 |
雪歩 | 「でも…」 |
P | 「雪歩…大きくなったか?」 |
引き寄せた分、やはり当たっているわけで… |
雪歩 | 「プロデューサー…そう思いますか?」 |
P | 「ああ。さすがにここまで近くでは見たことはなかったけどさ」 |
雪歩 | 「でも、プロデューサーの言う通り…です」 |
P | 「そっか…雪歩もまだ成長期ってことだな」 |
雪歩 | 「プロデューサーはやっぱり小鳥さんくらい大きい方がいいんですか?」 |
P | 「いや、そうじゃないぞ」 |
雪歩 | 「えっ…?」 |
P | 「その人に合ったサイズ、その人が思ったサイズ、それが一番だと思うからさ」 |
雪歩 | 「私が思った…サイズ…」 |
P | 「胸なんて関係ない。その人の内面が一番重要だからな」 |
雪歩 | 「内面…私はどうですか?」 |
P | 「聞くことでもないだろ?良くなきゃこうして一緒に浸かってるわけないんだからさ」 |
雪歩 | 「そう…ですよね」 |
P | 「今日と明日、ゆっくり時間の許す限り…雪歩のこと知ろうかな」 |
雪歩 | 「プロデューサーのことも…ちゃんと教えてくださいね」 |
二人は食事の時間の前までゆったりとお湯を楽しんでいたという… |