これからいよいよ暑くなってくる頃のこと… |
真 | 「へえ、それなら一度行ってみたいなあ」 |
響 | 「それなら来るといいさ、真なら歓迎するぞ」 |
P | 「どうしたんだ?二人とも」 |
真 | 「あ、プロデューサー。えっと…へへん、内緒です」 |
響 | 「確かにプロデューサーは聞かなくても良いことだな」 |
真 | 「ところでプロデューサー、このスタジオの貸し時間はあとどれくらいです?」 |
P | 「ああ、あと30分だな。でも結構色々激しかったからきつかっただろ?」 |
響 | 「これくらいなんくるないさー」 |
真 | 「あと30分かあ…響、響はあとどの曲がやり足りない?」 |
響 | 「そうだな…真は『Next Life』は大丈夫なのか?」 |
真 | 「うーん…二人で踊るとなるとまだちょっとなあ」 |
響 | 「それならその曲仕上げちゃった方が良いな」 |
真 | 「プロデューサー、『Next Life』をお願いできますか?」 |
P | 「分かった、ちょっと待ってな」 |
|
約20分後… |
響 | 「フーーー、真もだいぶ出来てるぞ」 |
真 | 「そうかな、でも響には敵わないなあ」 |
P | 「真も響もおつかれさま、はいこれ」 |
二人に飲み物を手渡すプロデューサー。 |
響 | 「サンキュ、プロデューサー」 |
真 | 「ありがとうございます、プロデューサー」 |
P | 「二人とももうこの曲のダンスは大丈夫だな、歌の方は大丈夫か?」 |
響 | 「自分は大丈夫…ってか、自分の曲だしな」 |
真 | 「ボクはもうちょっとかなあ」 |
P | 「もう少ししたら二人で収録だからな、それまでちょっとボーカル多めにしとくか」 |
真 | 「お願いします!」 |
P | 「よし、二人ともそれ飲んだら帰る準備してくれ」 |
真・響 | 「「はいっ!」」 |
……… |
P | 「今日は事務所まででいいのか?」 |
真 | 「はい、ちょっと響の家に行こうって思って」 |
P | 「なるほど、そういうことか」 |
響 | 「真!内緒だって約束だろ!」 |
真 | 「あ…」 |
P | 「さっき話をはぐらかしたのはそれだったんだな」 |
真 | 「はい…そういうことです、別に言っても良かったんですけど」 |
響 | 「真に色々自分の動物を見せてやろうって」 |
P | 「ははあ…真、気をつけてな」 |
真 | 「え?どうしてですか?」 |
P | 「俺にはこれ以上は言えない、達者でな」 |
真 | 「え?え?ええっ!?」 |
響 | 「真、来れば分かるさ」 |
キョロキョロ二人を見回す真を余所に、二人はどことなく不敵な笑みを浮かべた。 |
……… |
響 | 「真ー、入っていいぞー」 |
真 | 「んー、了解」 |
ガチャッ |
真がドアノブを捻ったその先には… |
真 | 「それじゃあおじゃましまーす…ってうわあっ!?」 |
ワンワンワンっ |
響 | 「こらあっ、いぬ美!真は女の子だぞ!ほら、離れろっ!」 |
真 | 「重いっ!重いって!」 |
どうやらいぬ美が真に馬乗りになったようだ。 |
ハッハッハッハッ |
響 | 「ゴメンな真、何だかすっかり真のこと気に入ったみたいだな」 |
真 | 「響、くっ…重いから早くどかしてって!」 |
響 | 「ほらいぬ美、今ご飯出すからそっち行って」 |
ワンワンっ |
その声にようやく離れて行った。 |
真 | 「ふう…いきなりだったからびっくりしたなあ」 |
響 | 「でも真が動物に嫌われてなくて良かったぞ、それじゃ案内するから入って」 |
真 | 「うん、それじゃお邪魔しまーす」 |
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真 | 「うわあ、本当にいっぱい居るなあ」 |
響 | 「そうだろ?こっちがウサギのうさ江」 |
真 | 「可愛いなあ…本物のウサギなんてそんな見ないもん」 |
響 | 「こっちの鳥が、オウムのオウ助だぞ」 |
真 | 「こんなに色々居て喧嘩にならないの?」 |
響 | 「大丈夫、それぞれ分けてケージには入ってるしな」 |
真 | 「それでこれが…」 |
そこで真の顔が豹変する。 |
真 | 「ヘ…ヘビーー!?!?」 |
響 | 「何だ?真はヘビは苦手なのか?」 |
真 | 「響は何でそんな普通に触れるんだ?」 |
響 | 「普通も何も可愛いじゃないか、ほら触ってみろよ」 |
真 | 「ダメダメダメダメダメ!」 |
響 | 「少しくらいいいだろ、ひんやりしてて気持ちいいぞ」 |
真 | 「そ…そうなの?じゃあちょっと…」 |
つつつつつ |
勇気を出してヘビに触れてみる真。 |
真 | 「確かにそう思うけど、やっぱりボクにはダメかもなあ…」 |
響 | 「真も怖がりだなあ。ほらへび香、それに入ってろ。あとはこっちが…」 |
真 | 「ワニも飼ってるの!?」 |
響 | 「ああ、ちょっかいさえ出さなければ大丈夫だぞ」 |
真 | 「へえ…でもこんなにいっぱい居ると寂しくなんかなさそうだね」 |
響 | 「…そんなことないさ」 |
真 | 「えっ…」 |
響 | 「自分、沖縄から一人で上京してきて…961プロであんなことしちゃって…」 |
真 | 「………」 |
響 | 「自分から一人になることを選んじゃってたん…うわあっ!?」 |
ぎゅうっ |
ぽつりぽつり話していた響を抱きしめた真。 |
真 | 「響はもう…一人じゃない。響はボクと二人で『Greet』だから」 |
響 | 「真……うん、ありがとな」 |
真 | 「今度の休み、一緒にどっか出かけない?」 |
響 | 「そうだな、新しい餌も欲しいしいいぞ」 |
真 | 「よし、今度の休みはこれで決まりっと」 |
響 | 「オッケー。あ…もう夕飯だな、食べてってくれよな」 |
真 | 「え?響って料理得意なの?」 |
響 | 「むー、できないと思ってるな。お店にも負けない沖縄料理ごちそうしてやるぞ」 |
真 | 「うわあ、何だか楽しみだなあ」 |
二人の真なる響は、これからさらに皆へと降り注ぐことだろう… |