ここはとあるホテルのスイートルーム… |
バタンッ |
結婚式と披露宴を終えて二次会も終え、ようやく腰を落ち着かせた小鳥とプロデューサー。 |
ぽふっ ぼふっ |
二人はベッドの上へと隣り合わせに腰かけた。 |
P | 「俺達、これで名実ともに夫婦…だな」 |
小鳥 | 「ええ。こんなに幸せになれるなんて…」 |
チュッ |
プロデューサーの唇にそっと口付けをする小鳥。 |
小鳥 | 「○○さん、これからもずっと…」 |
P | 「ああ。小鳥とならきっと一生を添い遂げられるよ」 |
チュッ |
プロデューサーも小鳥へと口付けを返した。 |
P | 「そういえばみんなからこれを預かってきたんだけど」 |
と、何やら7通の封筒を差し出したプロデューサー。 |
小鳥 | 「それは…?」 |
P | 「みんなからのメッセージカードだよ。小鳥にだって」 |
小鳥 | 「みんなから…」 |
一番上にあった1通目… |
小鳥 | 「これは…あずささんね」 |
そこにはあずさらしい手書きの文字で、こう綴られていた… |
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小鳥 | 「あずささん…私、頑張りますね」 |
P | 「どんな手紙だったんだい?」 |
小鳥 | 「これは秘密にするわ。だって、私宛ての手紙だもの」 |
P | 「…分かったよ。でもいずれは見せて欲しいな」 |
小鳥 | 「いずれ…ね。次は…」 |
その手紙を戻して、次の手紙の封を開ける小鳥。 |
小鳥 | 「これは『M・B・F!』だから…伊織ちゃんと美希ちゃんね」 |
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小鳥 | 「伊織ちゃん…美希ちゃん…うん、幸せにするから、二人とも」 |
P | 「小鳥、大丈夫か?あと5通もあるけど」 |
小鳥 | 「大丈夫、全部今日のうちに読んでおきたいから。次は…」 |
前の手紙を戻して、次の手紙を出す小鳥。 |
小鳥 | 「これは『雪月花』…雪歩ちゃんと貴音ちゃんね」 |
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小鳥 | 「そう…だったのね、雪歩ちゃん」 |
P | 「雪歩か…ああ、何か思い出した気がするけど」 |
小鳥 | 「多分それだと思うわ、○○さん。…えっと、次は…」 |
この手紙を戻して、次の手紙を取り出す小鳥。 |
小鳥 | 「こっちは『紫陽花』…春香ちゃんと千早ちゃんね」 |
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小鳥 | 「フフフ…ごめんなさいね、春香ちゃん。千早ちゃん、ちゃんと届いたわよ」 |
P | 「紫陽花の歌声、綺麗だったな」 |
小鳥 | 「ええ。とても沁みたわ…私、幸せなんだ…こんな祝ってもらえるなんて…」 |
P | 「小鳥…」 |
ぎゅっ |
プロデューサーは小鳥の後ろから腕を回してそっと抱きしめた。 |
小鳥 | 「○○さん…」 |
チュッ |
そのまま二人は首を傾けてそっと口付けを交わした。 |
小鳥 | 「温かい…これが幸せの温かさなのね…」 |
P | 「そうだな…」 |
小鳥 | 「これからはこの子たちを幸せにしてあげる番…ね」 |
P | 「ああ。俺達ならきっと出来るさ」 |
手紙を戻して、次の手紙に手をやる小鳥。 |
小鳥 | 「あら、次のこの字は…亜美ちゃんと真美ちゃんね」 |
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小鳥 | 「亜美ちゃん…真美ちゃん、ありがと…」 |
P | 「どうしたんだい?小鳥。涙出てるよ」 |
小鳥 | 「ゴメンなさい…真美ちゃんも亜美ちゃんも優しくて…」 |
P | 「そっか…アイツらも少しは大人になったのかな」 |
小鳥 | 「…まだ残りがあるのに泣いてたら読めないわね…」 |
涙を拭いつつその手紙を戻して、次の手紙を出す小鳥。 |
小鳥 | 「これは『Greet』…真ちゃんと響ちゃんね」 |
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小鳥 | 「真ちゃんも響ちゃんも…これからもサポートしていくから」 |
P | 「あの二人はこれからの二人だからさ」 |
小鳥 | 「しっかりと支えていってあげないとよね」 |
P | 「だな、小鳥」 |
小鳥 | 「と言うことはこの最後のこの一通は…」 |
この手紙を戻して、最後の一通を手に取る小鳥。 |
P | 「そうだな…ずっと変わらない二人のか」 |
小鳥 | 「そう思うと何だか感慨深いわ…ずっと見てきたもの…」 |
その封筒を開けてみると… |
小鳥 | 「あら?2枚入ってるのね」 |
今までのカードは、あずさのを除いて2人で1枚だった。 |
P | 「やよいも律子も書きたいことがいっぱいあるんじゃないかな、きっと」 |
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小鳥 | 「もう…やよいちゃんも律子さんも…お姉さんを泣かせたいのね」 |
P | 「そういえばやよいと律子には、どうしてもカードを1枚ずつ欲しいって言われたんだよ」 |
小鳥 | 「言いたいことがこれだけあったんだから…分かるわ」 |
P | 「小鳥は幸せ者だな、こうして言葉にしてもらえるなんて」 |
小鳥 | 「はい…○○さん…」 |
2人は…… |
……… |
P | 「…って、仕事サボって何書いてるんですか?小鳥さん」 |
小鳥 | 「ふわあっ!?プ、プロデューサーさん…」 |
ここは765プロ事務所のパソコンの前。 |
P | 「まったく…そんなもの書かなくても、もう挙式が近いんですから」 |
小鳥 | 「でも、心の準備という物が…」 |
P | 「そんな心の準備とか…」 |
チュッ |
小鳥の頬へそっとキスをするプロデューサー。 |
P | 「いらないでしょう?」 |
小鳥 | 「もう…プロデューサーさんったら。でも本当に私達、一緒になるんですね…」 |
P | 「…これからは、みんなのプロデュースとともに、小鳥さんも俺好みにプロデュースしてあげますから」 |
小鳥 | 「はい…あなただけのアイドルに…してください」 |
そんな小鳥の目元には、嬉しさの涙が一粒浮き上がっていた… |