I Need a Your Warmth Respite(私が欲しい温もりの休息)

ここはとある日の事務所…
小鳥「ふぅ…何とか終わりましたね」
「はい、今日は年度末も年度末でしたから小鳥さんもお疲れ様でした」
小鳥「明日は、何も無いのよね?」
「ええ。土曜のラジオは律子とやよいなんで律子に任せられますし、他も収録済みなんで」
小鳥「じゃあ明日は…」
「一緒にどこかでかけますか?」
小鳥「うーん、プロデューサーさんも疲れてるでしょ?」
「確かに、小鳥さんも疲れてますよね?」
小鳥「ええ…さすがに毎度のことながら年度末は堪えるわ…」
「そうすると出かけるとしても温泉…かなあ」
小鳥「うーん、私はそれでもいいですけど…プロデューサーさんは?」
「俺もそれで構いませんよ。ゆっくり身体を休めましょうよ」
小鳥「そうですね…って今から行けるところってあるかしら?」
「スーパー銭湯でもいいんじゃないですか?」
小鳥「うーん、そうね。温泉だと別々になっちゃうもの」
「はい…」
小鳥「ええ…」
二人は顔を赤く染めた。
「さて…そうなると、あの温水プールとかもあるあのスパ銭にしますか」
小鳥「そうね、水着…あ、どこにあったかしら…」
「あれ?そういえば、俺のって小鳥さんの家に置いてありましたよね」
小鳥「え?そうだったかしら…?」
「だって去年お留守番してもらって拗ねたから…」
小鳥「ああっ!あれは…」
「みんなと一緒に行けないからって俺が連れ回されましたよね」
小鳥「す…スミマセン…」
「いや、いいんですよ。だって…」
ギュっ
後ろから小鳥を抱きしめるプロデューサー。
「一番大切な人…ですから」
小鳥「プロデューサーさん…温かいです…」
「明日は一緒に行きましょう」
小鳥「ええ…」
「さて、そうなると今日はそっちの家ですね」
小鳥「そうね、どこに仕舞ってあったかしら…」
「一緒に洗濯してもらったんで、俺は知りませんよ」
小鳥「えっと…夏物だから…ああ!あの中かしら」
「力仕事だったら手伝いますよ」
小鳥「じゃあ、家に行ったらお願いするわ」
「今日は…それで…」
小鳥「もう、プロデューサーさんのエッチ…明日も使うのに」
「多少だったら濡れてたってバレやしないですよ」
小鳥「そういうことじゃなくって…もう…」
「ほら、そろそろ帰りましょうよ。もういい時間ですし」
小鳥「ええ、私が鍵を閉めればいいわね」
「そうですね、お願いします。車準備してきます」
………
場所は変わってここは小鳥の家…
小鳥「恥ずかしい…」
「可愛いよ、小鳥」
小鳥「もう、何なしにそういうこと言うんだから…」
「そんなもう何回も見合ってる仲じゃないか」
小鳥「そうだけど…水着着ているとはいえ水着エプロンって恥ずかしいのよ」
「でも後姿、綺麗だったよ」
小鳥「貴方ったらもう…」
「本当にスタイルいいよな、他のアイドルにも負けてないよ」
小鳥「そうかしら?いつもアイドル見てる貴方に言われると…嬉しいわ」
「だけど俺だけの…アイドルにしたいさ」
小鳥「…はい」
「…うん」
もう言葉が無くても通じ合えたようだ。
小鳥「じゃあ食べましょ。明日のために体力も回復してもらいたいから、ちょっと特製メニューね」
「美味しそうだな、これどうしたの?」
小鳥「冷凍庫に入れてあったの。去年の貰ったお歳暮あったでしょ?」
「ああ、あれか…まだあったんだっけ…」
小鳥「年度末だから、お疲れ様っていうのも兼ねて…ね」
「そうですね、頂きましょう」
小鳥「でももうお鍋も最後くらいかしら」
「そうだなあ…もう昼は普通に10度越してるし、いい昼には食おうとは思わないなあ」
小鳥「これを食べたら片付けて一緒にお風呂に入って、そこでこれも洗わないと…」
「風呂場で乾きますかね、これ」
小鳥「大丈夫よ、乾燥機能を使えばなんとか…ね。水着だから濡れてても何とかなるわ」
「そうだな、まずは食べてからね」
………
ここは二人で横になってるベッドの上…
小鳥「ねえ、明日はゆっくり…ね」
「じゃあ今日は…激しくしてもいいってことだね?」
小鳥「もう…そんなこと言わなくてもいっつも…」
「こんな魅力的な人が目の前にいて、誰が我慢できるってさ」
小鳥「そんなに?」
「ああ。どのアイドルよりも、魅力的だよ」
小鳥「貴方が他の子を見てると…少し嫉妬しちゃう」
「そんな、いつも愛を注いでるだろ?」
小鳥「でも…もっともっと、温もりが欲しいの」
「時間はまだたくさんあるんだから、ゆっくり温めてあげるさ」
小鳥「……ん…」
小鳥は一つ頷いた。
「でも明後日からはもう四月なのか…」
小鳥「心機一転…ってわけじゃないけれど、またいい一年になればいいわね」
「俺たち二人でやっていけば大丈夫さ」
小鳥「そうね、二人でやれば…ね」
「自分たちらしくやっていこう」
小鳥「あの子達のためにも、そして私たちのためにも」
「トップアイドルを後ろからちゃんと支えられる存在でいたいな」
小鳥「ええ…」
「あのさ、そろそろいい?」
小鳥「明日まで時間はたっぷりあるから…はい」
チュッ ぎゅうっ
二人の口付け、そして抱擁…今宵、心も身体も一つになっていく…
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あとがき
どもっ、飛神宮子です。
久々の小鳥さん単騎。年度末の忙殺からですね。
2011年度もいよいよ終わり、2012年度へと入ります。
変わる物…そして変わらない物…どちらも存在して然る物…ですね。
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2012・03・31SAT
飛神宮子
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