Naughty Sisterly Cat(悪戯姉妹猫)

ここはある日の事務所の仮眠室…
すぅ…くぅ…
どうやら誰かが仮眠を取っているようですよ。
カチャッ
亜美「…誰かいるかなー?」
そこに何やら企んでいそうな雰囲気の少女が一人…
亜美「…あ、ピヨちゃんがいた…」
そのベッドへとそーっと近付いて…
むにゅっむにゅっ
小鳥「ひゃあああっ!?だ、誰っ!?」
どこかを揉まれた小鳥は思わず大声を上げてしまった。
亜美「ピーヨちゃん!」
小鳥「…亜美ちゃんね、寝ている私の胸を揉んだのは」
亜美「だって暇なんだもん」
小鳥「あら?他のみんなはいないの?」
亜美「居た人はみんなお仕事に行っちゃったよん」
小鳥「亜美ちゃんは?」
亜美「今日は真美が仕事出るっていうから一緒に来ただけー」
小鳥「そうなの…それじゃあ今この事務所は…」
亜美「亜美とピヨちゃんだけだよ」
小鳥「そういうこと…ねっ」
いつの間にやら起き上がった小鳥の拳骨が亜美のこめかみにロックオンされていた。
亜美「えっ?ピ…ピヨちゃん?」
グリグリグリグリ
小鳥はそのままこめかみをグリグリし始めた。
小鳥「人を起こすのに胸を揉むっていうのはどうなのかしらねぇ?」
亜美「うわ〜!痛い痛いー!ゴメンなさいピヨちゃーん!」
小鳥「ふう…反省するわね?亜美ちゃん」
亜美「ごめんなさーい」
小鳥「でも亜美ちゃん一人きりなのね」
亜美「そだよー」
小鳥「うーん、でも一人にさせておくのも変なことされちゃったら困るし…」
亜美「ピヨちゃんは今日は何も無いの?」
小鳥「私?私はこの仮眠から起きたら事務作業を再開する予定だったの」
亜美「そっかー、じゃあ今日はどうしよっかなあ」
小鳥「亜美ちゃんは次の新曲は大丈夫?」
亜美「んー、もうほとんど大丈夫かな」
小鳥「宿題は大丈夫?」
亜美「ピヨちゃんを起こす前に終わらせといたよ」
小鳥「でも仕事を手伝ってもらうほど量は無いし…」
亜美「あれ?何か聞こえない?」
小鳥「あ!何か事務所の方で鳴ってるわ!」
小鳥は仮眠室から急いで出て、事務所の方へ走って行った。
………
ガチャッ
ドアを開けると…
♪〜
小鳥の悪い予感は的中していた。どうやら電話が鳴っていたようだ。
小鳥「誰も居ないなら起こして行ってくれればいいのにぃ…」
カチャッ
小鳥「遅くなりまして申し訳ございません、765プロダクションです」
かなりのコール数だったため、謝罪から入った小鳥。
『もしもし、小鳥さん?』
小鳥「プロデューサーさん。どうしたんです?」
『どうしたんですはこっちのセリフですよ。電話掛けたの3回目ですし…』
小鳥「すみません。仮眠を取ってたんで…でもプロデューサーさんも起こしてから出て下さいね」
『あ…すみません。律子も居なくなるの忘れてて…』
小鳥「それでどうしたんです?」
『俺の机の上に、俺の携帯電話ってありませんか?』
小鳥「プロデューサーさんの机の上?ちょっと待って…」
プロデューサーの机を見渡す小鳥。そして彼の携帯電話を見つけた。
小鳥「あ、ありましたよ。…ってことは今は公衆電話からですか?」
『いえ、千早のをちょっと借りてて…』
小鳥「なるほど。それで今はどこです?」
『○○-FMですけど、その携帯電話届けてもらうことできますか?』
小鳥「ここからだとそうね…30分くらいかしら。今から行くんで待ってて下さい」
『あ、あと昨日届いた千早と真美の楽譜も、机にありません?』
小鳥「あの会社の封筒ですか?ありますよ」
『この後急にレッスンしたいって千早が言ったんで、それも一緒にお願いできますか』
小鳥「はい…今から行くから待ってて。千早ちゃんの携帯電話に連絡すればいいかしら?」
『はい。お願いします』
カチャッ
小鳥は電話を切った。
亜美「ピヨちゃん、誰からー?」
小鳥「プロデューサーさんよ。ちょうどいいわ、亜美ちゃん」
亜美「ん?」
小鳥「これからちょっと出かけるから一緒に…ね」
亜美「亜美が付いてっていいの?」
小鳥「だって事務所が空くのに、亜美ちゃん一人にしていくわけにいかないから」
亜美「んー、それもそだね。ほんで、どこ行くの?」
小鳥「○○-FMよ。千早ちゃん達が今日ゲストに出るって言ってた」
亜美「んじゃ真美んとこかー、早く行こっ」
………
亜美「うわあ、ピヨちゃんの車ってふかふかだー」
小鳥「亜美ちゃんったら…」
亜美「ピヨちゃんって良い車乗ってんだね」
小鳥「半分社用車みたいなものなの。普段はそんなに乗らないから」
亜美「でもいい気持ちだよー、何だか眠くなってきちゃった」
小鳥「こーら亜美ちゃん、真美ちゃんのところに顔を出すんでしょ?」
亜美「あ、そだった。じゃあ着いたら起こしてー」
小鳥「え?あ!もうっ…」
くぅ…すぅ…
亜美はふかふかの感覚に眠ってしまったようだ。
小鳥「でもこうなると可愛いんだから…」
その寝顔を、停車中に横を向いて微笑ましく見ている小鳥。
小鳥「色んなところが成長する頃だけど…まだまだ子供…ね」
つんつん
何やら突いているようだ。
小鳥「さってと、着いたらどうやって起こしてあげようかしら」
………
現場に到着し、亜美が起こされた時に発した言葉は…
亜美「あああんっっ!!!!ピ、ピヨちゃぁん…」
だったとか。小鳥がやったこと?亜美はお返しされたとか言ってましたけどね…
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あとがき
どもっ、飛神宮子です。
亜美と小鳥。真美はかなり前に小鳥さんと組ませましたが、亜美は亜美真美として以外は初めてです。
違いが良く分かるんじゃないかなと。私にとっては純粋ないたずらっ子なのが亜美です。
大人の階段を少しずつ登っていても、小鳥さんにとってはまだちっちゃな子…なんですよ。
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2010・07・21WED
飛神宮子
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